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たべて元気♪「食だより」

健康づくり

タバコを吸わないのにヤニが…?嗜好飲料と歯のケアについて

更新日:2022/05/16

歯磨きしようと鏡を見てみると、何となく歯の色がくすんでいるような…?
毎日きちんと歯磨きしていて、煙草も吸っていないのになぜ?とお悩みの方、ひょっとして、コーヒーや紅茶などの嗜好飲料がお好きではありませんか?
今回は嗜好飲料好きの方必見(!?)の、歯のケアについてのお話です。

【ヤニとは違う汚れ、ステイン】

きちんと歯磨きしていても、いつのまにか歯にヤニのような汚れができている。この汚れはステインと呼ばれています。健康に大きな影響はなく、ただ歯に汚れがついているように見えるだけ…ですが、気になりますよね。
ステインがどうやってできるのかというと、歯の表面にある目に見えない膜・ペリクルとポリフェノールが結合することで、色素が沈着して目に見えるようになります。
そのため、ポリフェノールを豊富に含むコーヒーや紅茶・緑茶・赤ワインなどの嗜好飲料には注意が必要です。ポリフェノールを含む食品はたくさんありますが、食後の歯磨きをすることでステインの発生を抑えられます。しかし、飲み物で摂取していると、ポリフェノールが口腔内に長時間留まりやすく、ステインができやすい状態になります。

【ポリフェノールの秘密】

ステインの原因になるポリフェノールですが、歯を守る効果という別の側面を持っています。緑茶のカテキンやコーヒーのクロロゲン酸など、ポリフェノールには抗菌作用を持つ成分が多く、虫歯菌の活動を抑制し、虫歯になりにくくする効果があるのです。また、紅茶には歯磨き粉でもおなじみのフッ素が多く含まれ、歯を丈夫に保つ効果が期待できるなど、ステインさえなければむしろ歯に良い飲み物だといえます。
ただし、砂糖を入れて飲むと虫歯菌にとっての栄養である糖を口腔内に留めてしまうことになるので、歯を守る効果はストレートティーかブラックコーヒーの場合になります。

【ステイン予防はどうする】

コーヒーや紅茶などを飲む度にすぐに歯磨きをするのは大変ですよね。これらの飲み物は食事中だけではなく、仕事や作業の間などに飲むことも多いので、そのたびに離席して歯磨きをするのは現実的ではありません。それに、あまり歯磨きの回数を多くし過ぎると歯の表面を傷つけてしまいます。
そのため、ステイン予防に、コーヒーなどの嗜好飲料を飲んだ後は水を飲む習慣をつけるのがおすすめです。ステインは加齢によってできやすくなるとされますが、これは唾液の分泌量が減るから。つまり、口内の水分量がきちんと保たれている状態をキープすれば、予防効果が期待できるのです。コーヒーなどに含まれるカフェインは利尿作用が高く水分補給に適さないので、それを補う意味でも良い方法ですよ☆
なお、ステインを防ぎ、取り除くために重曹やレモン果汁を使った自家製磨き粉でケアをするという方法があります。しかし、重曹はクレンザーに使用されることがあるほど強い成分ですし、レモン果汁は酸度が非常に高いので、歯を守るエナメル質まで削ってしまい、虫歯になりやすい状況をつくってしまいます。歯の健康のためにも、自己流で行うのは絶対に控えて頂きたい方法です。
歯にこびりついてしまったステインは、自分でどうにかするよりも、歯科を受診して取り除いてもらいましょう。歯科なら自分では見られない歯の裏やすき間の状態も確認してもらえますし、定期的な歯科検診も同時に行えるので、歯を長く健康に保つことにつながります。飲食そのものを末永く楽しむためにも、習慣化したいですね。

コーヒーなどの嗜好飲料は、今や日本人の生活に欠かせない存在になっています。それに、健康にとって良い面もたくさんある飲み物です。飲んだ後には口を濯ぐor水を飲むのを習慣づけて、末永くお楽しみくださいませ☆