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たべて元気♪「食だより」

食材・料理

春の訪れを感じさせてくれる食材、「たけのこ」を食べよう!

更新日:2023/03/20

水煮のたけのこは通年出回っていますが、生のたけのこを楽しめるのは3~5月の旬の時期だけ。
掘り立ては生でも食べられますが、時間が経ち空気に触れる時間が長くなればなるほど、独特のえぐみが増していきます。
また、香りも抜け、かたくなってしまうので購入したら手早く下ゆですることが大切です。

【たけのこの種類

一般的に店頭に並んでいる品種は、「孟宗竹(もうそうちく)」がほとんどですが、そのほかにもさまざまな品種があります。
今回は代表的な品種4つをご紹介します。

■孟宗竹
主に九州~関西地方で栽培されており、3月から5月にかけて収穫されます。
ずんぐりと太い形が特徴で、やわらかく香りがよい品種です。

■真竹(まだけ)
細長く、皮に黒い斑点があるのが特徴です。
孟宗竹より旬が遅く、5月~6月に収穫時期を迎えます。

■淡竹(はちく)
赤紫色の薄い皮に包まれた、細長い形が特徴の品種で、5月~6月に旬を迎えます。
味はあっさりとしていてアクが少なく、シャキッとした食感です。

■根曲がり竹
北日本を中心に生産されている、涼しい地域で育つ長さ20cmほどの小さなたけのこです。
アクがあまりないので、そのまま調理することができます。
6月ころに旬を迎えます。

【おいしいたけのこの選び方】

穂先はなるべく黄色っぽいもの、皮は薄茶色のものを選びましょう。
穂先が緑がかっていたり、皮が黒や緑がかっていたりするものは、日光にあたりアクが強いことが多いです。
また、根元の切り口が白くみずみずしいものは収穫してから日がまだ立っていないもので、新鮮な証拠です。

【生のたけのこが手に入ったら】

生のたけのこが手に入ったら出来る限りその日のうちに下ゆでしておきましょう。

<たけのこの下ゆで方法>

1.たけのこは2~3枚皮をむき、皮つきのままよく洗って根元のかたいイボイボをそぎ落とす。

2.穂先の部分をななめに切り落とし、皮の部分に縦に1本切り込みを入れる。(火の通りをよくするため)

3.鍋にたけのことひたひたの水を入れ、米ぬか(無ければ米のとぎ汁でも)ひとつかみと赤唐辛子1~2本を入れて火にかける。※ゆでるときに米ぬかを加えることでえぐみを取り除きます。

4.沸騰したら弱火にし、落とし蓋をして根元に竹串がスッと刺さるまでゆでる。(約1時間)

5.火を止め、ゆで汁の中でそのまま自然に冷ます。(冷ましている間にもアクが抜けていきます)

6.冷めたら水で洗ってぬかを落とし、皮をむく。

ゆでたものは、保存容器などに入れてたけのこがかぶるくらいの水に浸しておけば、冷蔵庫で1週間程度は日持ちします。(その場合、1~2日おきに水は変えてください。)

【部位ごとで異なる、おすすめの調理法】

先端のやわらかい部分(姫皮)はお浸しや和え物などに。
真ん中はアクが強いので、煮物や炒め物、揚げ物に向きます。
根元は繊維が多いので、繊維を断ち切るように切って使うのがおすすめです。

【たけのこの嬉しい効能とは?】

筍には「セルロース」と呼ばれる不溶性食物繊維が多く含まれています。
不溶性食物繊維は水に溶けませんが水分を吸収し大きくふくらむため、腸を刺激し、便秘の予防・改善大腸がん予防などに期待できます。
そのほか、ナトリウムの排出を促す「カリウム」を多く含み、高血圧やむくみ、冷え性の予防にも効果があります。
たけのこを切ったときに節と節の間にみられる白い結晶、見た目が悪いからといって洗い流していませんか?
実はこの白い結晶は、アミノ酸の一種である「チロシン」です。チロシンは脳内の神経伝達物質であるアドレナリンやドーパミンのもととなり、脳を活性化させ、集中力を高めたり、ストレス緩和に働きます。
うま味成分でもあるので、ぜひそのまま調理してください。

生のたけのこをゆでるのは少し時間がかかりますが、香りも食感も格別です。
おいしい今の季節にさまざまな料理で味わいつくしましょう。

Text byまち/食育インストラクター