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たべて元気♪「食だより」

食材・料理

6月1日は「牛乳の日」牛乳について考えてみよう

更新日:2023/05/31

食品の価格がどんどん高騰し、牛乳や乳製品も以前に比べて値が上がっていることから、購入するのを躊躇してしまう方もいると思います。
しかし、ここ数年、牛乳をはじめ、乳製品の原料となる生乳が大量にあまり、廃棄されているのが問題になっています。
6月1日は「牛乳の日」、そして6月は「牛乳月間」です。
牛乳についてもっと知り、自分に出来ることを考えてみましょう。

【なぜ、6月1日が「牛乳の日」なの?】

牛乳に対する関心を高めると同時に、酪農・乳業の仕事を多くの方に知ってもらうことを目的とし、2001年に国連食糧農業機関(FAO)が6月1日を「世界牛乳の日(World Milk Day)」と定めました。
日本でも、2007年から6月1日を「牛乳の日」、6月を「牛乳月間」としています。

【牛乳の歴史】

飛鳥時代、日本にはじめて医学書を伝えたとされる智聡(ちそう)の子、善那(ぜんな)が孝徳天皇に牛乳を献上したのがはじまりと言われています。
江戸時代になると徳川吉宗が商館の責任者であるオランダ人のカピタンに、馬の医療用として牛乳の必要性を教えられました。
そのことにより、インドから白牛を輸入し、千葉県安房郡で飼育を開始しました。
これが日本での酪農のはじまりとされています。
その後、前田留吉が横浜に牧場を開き、オランダ人から搾乳や処理の技術を学び、日本で最初の牛乳の製造・販売をはじめました
明治時代には、天皇が「毎日2回ずつ牛乳を飲む」という記事が新聞や雑誌に載り、国民の間にも牛乳飲用が広まっていきました。

【牛乳のタイプを知ろう!】

牛乳は牛からしぼった乳(生乳)を熱で殺菌したもののことで、水やほかの原料を加えたり、成分を減らすことは出来ず、「無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上」と決められています
一般的に牛乳として売られているものは、この「成分無調整」タイプです。
また、ほかにも「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」により、乳脂肪分の違いや添加原料の有無などの違いでいくつかのタイプに分類されています。
※無脂乳固形分とは、牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分のことです。

●成分調整牛乳
原材料である生乳から水分・脂肪分・ミネラルなどの成分の一部を取り除いたもの。
乳脂肪の一部を取り除いた「低脂肪牛乳」や、ほとんどの乳脂肪分を除去した「無脂肪牛乳」などがあります。

●加工乳
無脂乳固形分は牛乳と同じ8.0%以上で、生乳または乳製品を原料とする乳成分を加えたもの。
脱脂粉乳などを加えて脂肪分を少なくしたタイプと、クリームやバターなどの乳製品を加えて味を濃厚にしたタイプがあります。

●乳飲料
生乳または乳成分を主原料に、乳製品以外のものを加えたもの。
果汁やコーヒー、甘味などを加えたものや、鉄やビタミン、カルシウムなどを増やして栄養成分を強化したものがあります。

【カルシウム×マグネシウムの組み合わせで吸収率アップ!】

一般的に体内で吸収されにくいと言われているカルシウムですが、牛乳に含まれるカルシウムは魚や野菜などと比べて吸収率が高いのが特徴です。
それは牛乳に含まれるたんぱく質の一種「カゼイン」と、牛乳のほんのりとした甘さのもとである「乳糖」がカルシウムの吸収促進を助けてくれるからです。
さらに、マグネシウムが豊富なほうれん草や小松菜と一緒に食べることで、カルシウムの吸収率がアップ
牛乳は温めても栄養成分に変化がないので、スープやパスタ、グラタンなどにして一緒にいただきましょう。

【カルシウムだけじゃない!?牛乳の嬉しい効果】

牛乳は鉄やビタミンC、食物繊維の含有量はほんのわずかですが、そのほかのたんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンがバランスよく含まれています。
牛乳特有のたんぱく質である「ラクトフェリン」は、免疫力を高めたり、鉄の吸収を促してくれます
また、必須アミノ酸のひとつである「トリプトファン」はメラトニンというホルモンの生成に働き、不眠改善や老化防止などに期待できます。
「乳糖」は腸内細菌のエサとなって善玉菌の増殖を促し、腸の働きを整え、便秘予防・改善に役立ちます。

牛乳は飲料として飲むだけでなく、料理やお菓子など幅広く活用できます。
おいしいだけでなく、体にもよい牛乳。
日々の生活に上手に取り入れてみてはいかがですか。

Text byまち/食育インストラクター