更新日:2022/02/18
近年耳にすることが多くなった、「SDGs」という言葉。皆さんはちゃんと説明できますか?今回は、私たち1人1人がしっかり知っておくべき、「SDGs」の内容を詳しく見ていきたいと思います。
【「SDGs」という言葉の意味】SDGsは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」という英語の頭文字をとった略称です。これは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
SDGsは突然できたわけではなく、その前身には「MDGs」がありました。MDGsは、2000年に国連のサミットで採択された「ミレニアム開発目標」のことです。MDGsが2015年に達成期限を迎えたことを受けて、MDGsに代わる新たな世界の目標として定められたのがSDGsです。MDGsでは、以下の8つのゴールを掲げていました。ゴール1:極度の貧困と飢餓の撲滅ゴール2:初等教育の完全普及の達成ゴール3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上ゴール4:乳幼児死亡率の削減ゴール5:妊産婦の健康の改善ゴール6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止ゴール7:環境の持続可能性の確保ゴール8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進(外務省ホームページ参照)「極度の貧困と飢餓の撲滅」「HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止」などが織り込まれていることからも分かるように、MDGsは先進国による途上国の支援を中心とする内容でした。結果的に、MDGsは極度の貧困に陥っている人が半数以下に減少するなど、一定の成果を上げました。しかし、全ての目標は達成できなかったため、残された課題はSDGsに引き継がれています。SDGsとMDGsの大きな違いは、世界規模の課題が増えてきたことを受けて、SDGsが先進国を含めた全世界で取り組むべき目標として設定されたことです。つまり、全ての国や人が問題・課題を解決しなければならない当事者となったのです。
SDGsは、私たちが1つしかない地球で暮らし続けられる「持続可能な世界」を実現するために、進むべき道を示した「ナビ」のようなものです。SDGsは、『17の目標』と、それらを達成するための具体的な『169のターゲット』で構成されています。
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を促進する
あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
すべての人のための包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進する
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を促進するとともに、技術革新の拡大を図る
国内および国家間の格差を是正する
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を促進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
1~6は、貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など、開発途上国に対する支援のように感じます。しかし、実際には日本の子どもの6~7人に1人が貧困だと言われていたり、ジェンダー平等に関しても2020年12月に世界経済フォーラムで発表された数字によると、日本は153カ国のうち121位と、非常に低い数字になっており、これらの目標は先進国である日本国内でも当てはまると言えます。7~12は、エネルギーの話、働きがいや経済成長、まちづくりの話まで出てきます。これらはまさに、先進国である日本も密接に関係する目標です。13~17は、気候変動の話をはじめ、海や陸の豊かさについてなので、開発途上国や先進国だけの話ではなく、更に包括的な話になっています。SDGsを達成するためには、文化や考え方が異なる世界中の人々が共に成長しながら、他者を思いやり、協力し合うことが不可欠だと思います。私達1人1人にも、できることは数多くあります。2030年の世界を変え、その先の未来に引き継いでいくためには、SDGsをしっかり「自分ごと」として捉え、それぞれの活動、生活の中に浸透させることが大切です。
いかがでしたか?次回からは、「食」にスポットを当ててSDGsを考えていきます!お楽しみに☆
近年耳にすることが多くなった、「SDGs」という言葉。皆さんはちゃんと説明できますか?
今回は、私たち1人1人がしっかり知っておくべき、「SDGs」の内容を詳しく見ていきたいと思います。
【「SDGs」という言葉の意味】
SDGsは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」という英語の頭文字をとった略称です。
これは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
【SDGsの前身、「MDGs」とは?】
SDGsは突然できたわけではなく、その前身には「MDGs」がありました。
MDGsは、2000年に国連のサミットで採択された「ミレニアム開発目標」のことです。
MDGsが2015年に達成期限を迎えたことを受けて、MDGsに代わる新たな世界の目標として定められたのがSDGsです。
MDGsでは、以下の8つのゴールを掲げていました。
ゴール1:極度の貧困と飢餓の撲滅
ゴール2:初等教育の完全普及の達成
ゴール3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
ゴール4:乳幼児死亡率の削減
ゴール5:妊産婦の健康の改善
ゴール6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止
ゴール7:環境の持続可能性の確保
ゴール8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
(外務省ホームページ参照)
「極度の貧困と飢餓の撲滅」「HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止」などが織り込まれていることからも分かるように、MDGsは先進国による途上国の支援を中心とする内容でした。
結果的に、MDGsは極度の貧困に陥っている人が半数以下に減少するなど、一定の成果を上げました。しかし、全ての目標は達成できなかったため、残された課題はSDGsに引き継がれています。
SDGsとMDGsの大きな違いは、世界規模の課題が増えてきたことを受けて、SDGsが先進国を含めた全世界で取り組むべき目標として設定されたことです。
つまり、全ての国や人が問題・課題を解決しなければならない当事者となったのです。
【具体的な内容は?】
SDGsは、私たちが1つしかない地球で暮らし続けられる「持続可能な世界」を実現するために、進むべき道を示した「ナビ」のようなものです。
SDGsは、『17の目標』と、それらを達成するための具体的な『169のターゲット』で構成されています。
●17の目標
1.貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
2.飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を促進する
3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4.質の高い教育をみんなに
すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
6.安全な水とトイレを世界中に
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
8.働きがいも経済成長も
すべての人のための包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進する
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を促進するとともに、技術革新の拡大を図る
10.人や国の不平等をなくそう
国内および国家間の格差を是正する
11.住み続けられるまちづくりを
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
12.つくる責任 つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
13.気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
14.海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
15.陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
16.平和と公正をすべての人に
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を促進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
1~6は、貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など、開発途上国に対する支援のように感じます。
しかし、実際には日本の子どもの6~7人に1人が貧困だと言われていたり、ジェンダー平等に関しても2020年12月に世界経済フォーラムで発表された数字によると、日本は153カ国のうち121位と、非常に低い数字になっており、これらの目標は先進国である日本国内でも当てはまると言えます。
7~12は、エネルギーの話、働きがいや経済成長、まちづくりの話まで出てきます。これらはまさに、先進国である日本も密接に関係する目標です。
13~17は、気候変動の話をはじめ、海や陸の豊かさについてなので、開発途上国や先進国だけの話ではなく、更に包括的な話になっています。
SDGsを達成するためには、文化や考え方が異なる世界中の人々が共に成長しながら、他者を思いやり、協力し合うことが不可欠だと思います。
私達1人1人にも、できることは数多くあります。
2030年の世界を変え、その先の未来に引き継いでいくためには、SDGsをしっかり「自分ごと」として捉え、それぞれの活動、生活の中に浸透させることが大切です。
いかがでしたか?
次回からは、「食」にスポットを当ててSDGsを考えていきます!お楽しみに☆