更新日:2025/01/29
寒い季節に食べたくなる、おでんの具材として人気の「こんにゃく」。低カロリー、低糖質でもあることから、ごはんや麺類などの代替品としてもよく利用されています。よく食べるけれど、意外とどうやって作られているのか知らない、こんにゃくについてのお話です。
こんにゃくは、「こんにゃく芋」というサトイモ科の植物の球茎から作られる食品です。こんにゃく芋は、少しかじっただけでも口の中がピリピリするほどエグミが強く、生はもちろん、ほかの芋のようにそのままゆでたり、焼くだけでは食べられません。この強いえぐみを中和させるために必要なのが、こんにゃくをかためる働きもする消石灰(水酸化カルシウム)や炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)などの凝固剤です。凝固剤とこんにゃく芋を合わせてかため、1時間ほど煮てから十分に水にさらし、アクを抜くことで、プリプリとした食感のこんにゃくに仕上がります。
こんにゃくは、こんにゃく芋を生のまま、またはゆでたり蒸したりしたものから作られる「生芋こんにゃく」と、こんにゃく芋を乾燥させて粉にしたものから作る「精粉こんにゃく」があります。さらに、さまざまな形のこんにゃくがあり、それぞれ呼び名が異なります。今回はスーパーでもよく見かける6種類をご紹介します。
■板こんにゃく製造時に板で成形し、かためたものです。用途に合わせていろいろなサイズに切ったり、ちぎったり出来るので、煮物や炒め物など幅広く活用されています。
■玉こんにゃく成形せず、丸めてゆでて作ったものです。白、黒こんにゃくのほか、唐辛子やのりなどを加えたものもあります。
■つきこんにゃく板こんにゃくをところてんのように押し出したものです。味がなじみやすく、ほかの食材とも合わせやすいので炒め物におすすめです。
■糸こんにゃく(しらたき)こんにゃくがかたまる前の糊状のときに、細い穴に通しながらゆでて細いひも状にしたものです。白糸の滝のようなので「しらたき」とも呼ばれています。短時間で味がなじむので、煮物だけでなく和え物にも向いています。
■刺身こんにゃくほかのこんにゃくよりも水分が多く、生でそのまま食べられるものです。わさびじょうゆや酢みそで刺身のように食べたり、サラダや和え物などにしたりします。
■粒こんにゃく小さな粒状に加工したこんにゃくです。ごはんと同じくらいの大きさで、米と一緒に炊くことでカサが増え、ダイエット食品としてもよく活用されています。
精粉で作られたこんにゃくは、もともと白いものですが、昔ながらの黒いこんにゃくが好まれることもあり、粉末の海藻を加えて黒く仕上げているものもあります。
「こんにゃくに味が入らない…」、「特有の臭みが苦手…」という方も多いですよね。こんにゃくをおいしく食べるためには、アク抜きをはじめとする下ごしらえがとても大切です。最近ではアク抜き不要のこんにゃくも売られていますが、それでも特有の臭みは残っているもの。ちょっとしたひと手間で味が格段に変わりますので、ぜひ、試してみてください。
①塩をもみ込むちぎったり、カットしたこんにゃくに塩をふって全体にもみ込み、5分程度おいてから水で洗い流します。こうすることで余分な水分が抜け、特有の臭みが軽減されます(こんにゃく1枚に対し、塩小さじ1/2程度が目安です)
②熱湯でゆでる熱湯でゆでることで、こんにゃくの臭みが抜け、食感や味の含みもよくなります。ただ、ゆですぎるとかたくなってしまうので、こんにゃくを入れ再び沸いてから1~2分程度でザルに上げてください。
③乾煎りする乾煎りすることで余分な水分が抜け、中まで味がしみ込み、食感もよく仕上がります。このとき、ゆでてから乾煎りすると、より味の含みがよくなります。
100gあたり7kcalと低エネルギーで、満腹感が得られやすいことからダイエット中の食事にもよく用いられている、こんにゃく。こんにゃくに含まれる栄養素で特に注目したいのが、食物繊維です。こんにゃくには、水溶性食物繊維である「グルコマンナン」が多く含まれています。グルコマンナンは水を含むとゼリー状になって膨らむ性質があり、これにより満腹感が得られ、食べ過ぎを抑えることができます。また、腸内環境を改善して便秘予防に、さらには、糖質などの消化・吸収を低下させる働きがあるため、糖尿病や脂質異常症の予防にも期待できます。
おいしいだけでなく、体に嬉しい効果もたくさんある、こんにゃく。ぜひ、普段の食事にとり入れてみてはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター
寒い季節に食べたくなる、おでんの具材として人気の「こんにゃく」。
低カロリー、低糖質でもあることから、ごはんや麺類などの代替品としてもよく利用されています。よく食べるけれど、意外とどうやって作られているのか知らない、こんにゃくについてのお話です。
【こんにゃくはどのようにして作られるの?】
こんにゃくは、「こんにゃく芋」というサトイモ科の植物の球茎から作られる食品です。
こんにゃく芋は、少しかじっただけでも口の中がピリピリするほどエグミが強く、生はもちろん、ほかの芋のようにそのままゆでたり、焼くだけでは食べられません。
この強いえぐみを中和させるために必要なのが、こんにゃくをかためる働きもする消石灰(水酸化カルシウム)や炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)などの凝固剤です。
凝固剤とこんにゃく芋を合わせてかため、1時間ほど煮てから十分に水にさらし、アクを抜くことで、プリプリとした食感のこんにゃくに仕上がります。
【こんにゃくの種類】
こんにゃくは、こんにゃく芋を生のまま、またはゆでたり蒸したりしたものから作られる「生芋こんにゃく」と、こんにゃく芋を乾燥させて粉にしたものから作る「精粉こんにゃく」があります。
さらに、さまざまな形のこんにゃくがあり、それぞれ呼び名が異なります。
今回はスーパーでもよく見かける6種類をご紹介します。
■板こんにゃく
製造時に板で成形し、かためたものです。
用途に合わせていろいろなサイズに切ったり、ちぎったり出来るので、煮物や炒め物など幅広く活用されています。
■玉こんにゃく
成形せず、丸めてゆでて作ったものです。
白、黒こんにゃくのほか、唐辛子やのりなどを加えたものもあります。
■つきこんにゃく
板こんにゃくをところてんのように押し出したものです。
味がなじみやすく、ほかの食材とも合わせやすいので炒め物におすすめです。
■糸こんにゃく(しらたき)
こんにゃくがかたまる前の糊状のときに、細い穴に通しながらゆでて細いひも状にしたものです。
白糸の滝のようなので「しらたき」とも呼ばれています。
短時間で味がなじむので、煮物だけでなく和え物にも向いています。
■刺身こんにゃく
ほかのこんにゃくよりも水分が多く、生でそのまま食べられるものです。
わさびじょうゆや酢みそで刺身のように食べたり、サラダや和え物などにしたりします。
■粒こんにゃく
小さな粒状に加工したこんにゃくです。
ごはんと同じくらいの大きさで、米と一緒に炊くことでカサが増え、ダイエット食品としてもよく活用されています。
精粉で作られたこんにゃくは、もともと白いものですが、昔ながらの黒いこんにゃくが好まれることもあり、粉末の海藻を加えて黒く仕上げているものもあります。
【こんにゃくの下ごしらえ方法】
「こんにゃくに味が入らない…」、「特有の臭みが苦手…」という方も多いですよね。
こんにゃくをおいしく食べるためには、アク抜きをはじめとする下ごしらえがとても大切です。
最近ではアク抜き不要のこんにゃくも売られていますが、それでも特有の臭みは残っているもの。
ちょっとしたひと手間で味が格段に変わりますので、ぜひ、試してみてください。
①塩をもみ込む
ちぎったり、カットしたこんにゃくに塩をふって全体にもみ込み、5分程度おいてから水で洗い流します。
こうすることで余分な水分が抜け、特有の臭みが軽減されます(こんにゃく1枚に対し、塩小さじ1/2程度が目安です)
②熱湯でゆでる
熱湯でゆでることで、こんにゃくの臭みが抜け、食感や味の含みもよくなります。
ただ、ゆですぎるとかたくなってしまうので、こんにゃくを入れ再び沸いてから1~2分程度でザルに上げてください。
③乾煎りする
乾煎りすることで余分な水分が抜け、中まで味がしみ込み、食感もよく仕上がります。
このとき、ゆでてから乾煎りすると、より味の含みがよくなります。
【こんにゃくのうれしい効能】
100gあたり7kcalと低エネルギーで、満腹感が得られやすいことからダイエット中の食事にもよく用いられている、こんにゃく。
こんにゃくに含まれる栄養素で特に注目したいのが、食物繊維です。
こんにゃくには、水溶性食物繊維である「グルコマンナン」が多く含まれています。
グルコマンナンは水を含むとゼリー状になって膨らむ性質があり、これにより満腹感が得られ、食べ過ぎを抑えることができます。
また、腸内環境を改善して便秘予防に、さらには、糖質などの消化・吸収を低下させる働きがあるため、糖尿病や脂質異常症の予防にも期待できます。
おいしいだけでなく、体に嬉しい効果もたくさんある、こんにゃく。
ぜひ、普段の食事にとり入れてみてはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター