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たべて元気♪「食だより」

食育

この部分は食べちゃダメ!?身近な食べ物に潜むリスク

更新日:2024/05/20

季節外れの野菜や魚…スーパーに行けばさまざまな食品がいつでも手に入る現在。
実はそんな身近な食品の中には、健康のためには食べない方がよい部位ごと売られているものがあります。
便利になった一方、食材そのものについて無頓着になりがちな現代。
改めて見直してみましょう!

【食べない部位 野菜編】

野菜のなかには味や食感がよくないので取り除かれる部位があります(※主に皮や種など)。
しかし、それとは別に食べるのには適さないので取り除いている部位があります。
そんな部位を持つ野菜のひとつが、じゃがいもです。
じゃがいもの芽はソラニンやチャコニンという有毒物質があるので取り除くことが知られています。
でも、芽が出ていなくても注意が必要です。
じゃがいもの皮をむいた時に可食部の色が緑色になっていたら、ソラニンやチャコニンが多く含まれているからです。
緑色が見えなくなるまで厚めに皮をむけば食べられますが、それでも食べたときに苦みやえぐみを感じるようであればやめた方がよいでしょう。
なお、ソラニン・チャコニンはどちらも光にあてると生成が促されるので、じゃがいもを保存するときは日のあたらない場所にすることも大切です。

もうひとつ気を付けたいのがトマトです。
トマトには茎や葉などの部分に毒性を持つトマチンを含みます。
大量に食べなければ中毒を起こすことはありませんが、ヘタの部分は取り除いて調理しましょう。
ちなみに、トマトと同じナス科の植物であるナスのへたは、食べても問題のない部位です。
かたい部分なのでそのまま食べるのには向きませんが、野菜くずを煮出してつくる出汁のベジブロスなどで利用するとよいでしょう

【食べない部位 魚介類編】

魚とひとつにまとめて言っても、その種類は数多く、それぞれに特徴が違います。
たとえば、魚はアンコウのキモやカツオの酒盗など、珍味として内臓を食べられているものがある一方、フグのように内臓に致死毒を持つものもあります。
ただし、一般に販売されている切り身などは有毒の部位を除いた状態で提供されているので、自分で釣った魚を食べるなどの状況でなければ、それほど有毒部位に対して神経質になる必要はありません。
購入時に注意する点としては、鮮度を確認することが挙げられます。
魚介類は寄生虫のアニサキスが内臓に潜んでいる場合があるので、多くの魚では内臓を取り除いてから調理することがほとんどです。
しかし、宿主である魚が死んでから時間が経つと、アニサキスが内臓から筋肉中に移動している場合があります。
アニサキスはきちんと加熱すれば死滅するものですが、万が一のリスクを考えれば、鮮度のよいものを購入するに越したことはないでしょう。

貝類で注意が必要な部位は、中腸線があります。
ホタテなどでは特にわかりやすく、殻つきのまま購入したときに、貝柱の周りについている黒い部位です。
この部位は貝がプランクトンなどを食べたときに、一緒に食べた毒素やウイルスなどをため込んでいる部分です。
当然、人間にも有害な成分が含まれる可能性があるので、食べずに取り除いた方がよいでしょう。
中腸線はほとんどの二枚貝にある部位ですが、ホタテのように取り除きやすいものもあれば、カキやアサリのように身の中に隠れている場合もあります。(カキを食べたときに、身の断面にくすんだ色の部位が見える場合がありますが、これが中腸線です)
中腸線にはノロウイルスなどが潜んでいる場合もあるので、取り除くことが難しい場合は、中心の温度が85~90℃で90秒以上の加熱をするか、生食する場合は必ず生食用に処理をされたものを購入して食べるようにしましょう。

自分の目で見て確かめたり、調理時に取り除いたりする必要のある食べ物は意外と身近にあるものです。
売っているものだから大丈夫と思わず、食品そのものへの関心を持っておくと、リスクを避けながらおいしく食べることができますよ☆

Text by はむこ/食育インストラクター