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たべて元気♪「食だより」

食材・料理

ねばねば野菜のひとつ、モロヘイヤのおいしいお話

更新日:2025/08/13

食べられる食品のなかには、特有の粘りを持つ食品がたくさんあります。
そんな数々のねばねば食品のなかで、この時期に旬を迎えておいしくなる野菜のひとつが、モロヘイヤです。

【歴史は古くから】

モロヘイヤの原産はエジプトから東地中海にかけての地域と言われています。
古代から食べられていたという説もありますが、詳細な年代は明らかになっていません。
日本では戦後から輸入され始めましたが、普及したのは80年代から90年代にかけてで、まだ歴史の浅い野菜です。
そのため、あまりなじみがない方もいるかもしれません。
刻むと特有の粘り気が出るのでやや食感にクセのある野菜ですが、苦みや臭みが少ないので、食べやすいという特徴があります。
粘りでのど越しがよいので、酢の物やおひたし・冷たい麺類などともよく合います。
ちょうど7~10月初旬くらいまでの暑い時期に旬を迎えるので、夏にうってつけの野菜です。
葉物野菜は冬に旬を迎えるものが多いので、夏に旬を迎えるモロヘイヤは貴重な存在かもしれません。
なお、モロヘイヤは種子やさや・発芽して間もない時期の若葉などの部分が有毒の野菜です。
市販されているモロヘイヤなら特に問題なく食べられますが、家庭菜園など、自分で育てる場合は覚えておいた方がよい知識ですね。
また、食べられる葉や茎のやわらかい部分もアクの強い野菜なので、生食するのではなく、一度下ゆでし、アク抜きをしてから使いましょう。
ちなみに原産地域であるエジプトではモロヘイヤスープにして食べられることが多いそう。
生のモロヘイヤが手に入らない時期には乾燥モロヘイヤを使うことも多く、一年を通して食べられている、いわゆる「おふくろの味」なのだとか。
日本でいうところの味噌汁のような存在なのでしょう。
味や香りにクセが少ないモロヘイヤだからこそ、毎日食べても飽きないのかもしれません。

【夏野菜ならではの栄養素】

モロヘイヤは緑黄色野菜なので、たくさんのビタミンやミネラルを含んでいます。
注目するべきなのはビタミンA・C・Eの抗酸化ビタミン
これらのビタミンは一緒に摂ることで相乗効果が得られるので、これらをすべて摂れるモロヘイヤは効率的です。
また、日差しの強い季節の野菜なので、自分の身を紫外線から守るためにポリフェノールもたっぷり含まれています。
特に多く含まれるケルセチンは強い抗酸化作用を持ちます。
夏は強い紫外線にさらされることにより、体内の活性酸素が増えたり、日焼けなどの肌トラブルが心配になる時期です。
モロヘイヤはまさに夏のお助け野菜と言っても過言ではありません。
ちなみに、モロヘイヤを刻むと出てくる特有の粘りには、ペクチンやマンナンなどの食物繊維が豊富に含まれています。
これらをはじめ、モロヘイヤには水溶性食物繊維・不溶性食物繊維のどちらも含まれているので、腸内環境の改善に役立ちます。
便秘などに悩む方はもちろん、血糖値の急上昇を抑える働きがあるので、生活習慣病が気になる方は積極的に召し上がってみてはいかがでしょう。

夏を元気に過ごすために役立つ栄養素がいっぱい詰まったモロヘイヤ。
この時期ならではの野菜として、うまく食事に取り入れてみて下さいませ!

Text by はむこ/食育インストラクター