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たべて元気♪「食だより」

パパ・ママ

体調を崩したあとの離乳食

更新日:2024/09/11

抵抗力が弱い赤ちゃんは、体調を崩しやすく、離乳食が始まっても、進んだり戻ったりの繰り返しとなることが多いため、どのように進めていくのがよいか迷うこともありますね。
そこで今回は、体調不良時の離乳食について触れながら、回復期の離乳食の摂り方について、ご紹介していきます。

【体調不良時の食事】

赤ちゃんが体調を崩して病院を受診した際に、「胃腸に負担がかからず赤ちゃんが食べられるものなら、今は好きなものを与えて構わない」といわれた経験はありませんか。
体調が悪い時は機嫌も悪くなりがちなので、赤ちゃんが食べてくれるものなら何でもよいというのはとてもありがたい話ですね。
離乳食を与えるときは、現在のひとつ前の段階に戻し、様子を見ながら与えることを基本とし、あとは症状別に調整します。
離乳食を始めたばかりの赤ちゃんでしたら、思い切って離乳食を一度止めてみてもよいかもしれません。
食欲がないなかで無理に食べさせようとすると、嫌がってそのあと離乳食などを食べてくれなくなることもあります。
しかし、子どもは大人よりも脱水症状を起こしやすいので、水分補給も出来るフルーツや汁気の多いうどん・おかゆなど、食べられるもののなかで欲しがるものを試してみてください。
通常よりもやわらかな食事にし、1回に食べる量は通常よりも少なめにします。
食欲があるなら、水分補給も兼ねて回数を増やしてあたえると体に負担がかかりにくいです。

【病状別の注意ポイント】

●熱
体調不良のなかで一番頻度が高いのが発熱でしょう。
発熱時は呼吸や汗によって体内から出ていく水分量が通常より増えるため、脱水症状を起こしやすいです。
食事は、吐き気などがなければ、食べられるもので構いません。
体への負担を考慮し、1回の量は少なめに、回数を増やして与えましょう
飲み物は母乳や育児用ミルク・湯冷まし、麦茶など日常的に飲んでいるものを中心に与えます。
通常、育児用ミルクは1回の量や授乳間隔が決められていますが、医師に確認して問題なければ量を少なめにし、間隔を短くしていつもより回数を多くしてみてください。

●嘔吐
嘔吐の場合、食べた反動で吐く可能性が高いので、吐き気が落ち着くまで食事は控えましょう
またヨーグルトやかんきつ類のように酸味やにおいがきついものは、吐き気を誘発する場合があるので、回復するまでは与えない方が無難です。
嘔吐も水分が取れないと、脱水状態になりやすいため、こまめな水分補給が必要です。
しかし、食事同様に水分の摂り過ぎも吐き気を誘発させるので、スプーンで少しずつ飲ませるなど様子を見ながら与えていきます。

●下痢
離乳食期の赤ちゃんは食べた食材などによってウンチが緩くなることもあります。
多少緩くても、回数が通常にプラス1~2回程度で、そのほかの体調不良が見られないような場合は、少し様子を見てもよいかもしれません。
ですが、明らかな下痢症状がある場合は、脱水する危険性もあるので、嘔吐の時と同様に飲み物を少量ずつこまめに与えましょう
下痢をしているときは、ミネラルバランスが崩れていることもあるので、赤ちゃん用のイオン飲料を使用してもよいでしょう。
冷たいものは腹痛の原因になるので、常温以上のものを与えてください。

●咳・喉の痛み
咳や喉の痛みは、気管の炎症などが起こっているときに出るので、刺激のあるものやパサパサとした飲み込みにくいものは避けます
喉ごしのよいものを中心に与えますが、ゼリーなどは塊のままだと勢いあまって喉に詰まる場合があるので、クラッシュして少量ずつ与えましょう。
飲むタイプゼリーも、念のため容器の上からもんで細かくしてあげると安心ですね。

【回復期の食事】

病中は少しでもエネルギーになるもので食べられるものや好きなものを与えて、しっかりと体を休めるのが大切ですが、回復期は体調不良のピークを過ぎ、もとの状態に戻っていくときなので、好きなものを優先するのではなく、栄養バランスを考えた食事を与えましょう。
体調不良によって胃腸も疲弊している場合が多いので、離乳食は引き続き現在の段階のひとつ前のかたさや形状・味つけを心掛け、数日かけてもとの段階まで戻していくとよいです。
回復期は油っぽいものや食物繊維の多いものを食べるとかえって胃腸の疲れを悪化させてしまうこともあるので、体調がしっかり戻ってくるまではそういった食材やメニューは避けましょう。
食事の量も、すぐにもとに戻すのではなく、少しずつ増やしていきましょう。
また、たんぱく質の多い食材も胃腸に負担をかけやすいので、回復期の後半のメニューにプラスしていくのがおすすめです。
離乳食期は初めての食材も多いので、回復したら新しい食材を試す場合もあると思います。
そのときは、アレルギーの出にくい食材から始めましょう。

まだまだ自分の意思を上手く伝えることが出来ない時期ですので、体調不良のときは、いつも以上にお子さんの変化に気を配ってあげて下さいね。
体調を崩して離乳食の進みが止まってしまっても、一時のことですのであまり心配せず、まずは体調の回復を優先させてあげてください。
そして、看病している大人も休めるときは一緒に休みましょう。

Text by さゆり/食育インストラクター