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たべて元気♪「食だより」

食育

十五夜ってどんな日?お供え物の意味とは?

更新日:2025/09/26

十五夜と聞くと、秋の夜空に浮かぶきれいな月を眺めながら、お団子を食べるお月見を想像します。
しかし、改めて十五夜とは何なのか説明しようとすると難しいものです。
今回は、そんな十五夜についてお話したいと思います。

【十五夜と中秋の名月の違いは?】

十五夜とは、旧暦の毎月15日の夜のことを指す場合と、月見行事の十五夜を指す場合があります。
「旧暦の毎月15日の夜のこと」というのも、月の満ち欠けはおおよそ15日で新月から満月へ。
そしてさらに15日で満月から新月へというサイクルで繰り返されています。
旧暦では新月を毎月1日としているので、15日がほぼ満月になります。
この旧暦の15日の夜、またはそのときに見える月のことを「十五夜」といいます。
そのため、毎月十五夜が来るということです。
一方、月見行事の十五夜は、旧暦8月15日の月を指しています。
これは「中秋の名月」と同じです。
中秋の名月の「中秋」とは旧暦の呼び方に由来しています。
旧暦では、7月~9月が秋でした。
なかでも8月は秋の真ん中にあたることから「中秋」と呼ばれていました。
この「中秋」には、空気が澄んでいて、月が最も明るく美しく見えるので、「中秋の名月」と呼ぶようになりました。
そのため、旧暦の8月15日に月見行事をするようになりました。

【十五夜のお供え物と食べ物】

十五夜は秋の収穫の時期にもあたることから、新しい収穫物をお供えして豊作を祝い、感謝するようになりました。

●里芋
秋の収穫物の里芋をお供えすることが一般的だったことから、中秋の名月は「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれています。
また、皮のままゆでた里芋の子芋を、少しだけ皮をむいて塩や味噌をつけた料理の「きぬかつぎ」もお供えします。

●月見団子
お月見では、月見団子を供えて作物の収穫に感謝し、豊作を祈願します。
丸い月見団子は満月に見立てたものです。
お供えする際は、十五夜ということから15個。または、1年の月数の12個を盛ります。
関西では丸い団子ではなく、楕円形の団子をお供えするところもあります。
これは、里芋の形に似せて団子を作っていたためです。

●月餅
日本でお月見をするように、中国でもお祝いをする習慣があります。
そこで欠かせないのが、「月餅(げっぺい)」。
中国では満月に見立てた丸い月餅を食べて家庭円満と健康を祈ります。

●ススキ
ススキは古くから「神様の依り代」として考えられており、厄災から収穫物を守るためとの意味が込められて、十五夜でお供えされています。
また、ススキは実がついた稲穂に見た目が似ていることから、豊作を祈願し稲穂の代わりにお供えしていました。

【うさぎが月に住んでいるといわれているのはなぜ?】

「お月様にはうさぎが住んでいるんだよ」と教えられ、月を見ると杵を持ったうさぎが目に映った子どものころ。
日本に古くから伝わる「月うさぎ伝説」についてお話します。
月にうさぎ伝説にはいくつかの説がありますが、一番よく知られているのがインドの「ジャータカ神話」によるものです。
この物語では、うさぎが自分を犠牲にして他者に施しをしたため、可哀想に思った神様が、月にうさぎの姿を永遠に残したお話しです。(気になる方はぜひ調べてみてください)
これが日本にも伝わり「今昔物語集」や各地の民話になりました。
次に、うさぎの餅つきは中国の神話に由来しています。
古代中国では「月のうさぎは杵と臼で不老不死の薬を作っている」と考えられています。
これが、日本に伝わり餅をつくに変化したといわれています。
薬がなぜ餅になったかについては、満月を意味する「望月(もちづき)」からきている、うさぎが食べ物に困らないように餅をついているなどさまざまな説があります。

いかがでしたか?
十五夜について知っていただけたと思います。
秋の夜空に輝くきれいなお月様を見てみて下さい。

Text by あお/食育インストラクター