更新日:2022/02/11
おにぎりや焼き魚・味噌汁など、日本の食事は塩分を摂りがちなメニューが多いといわれていますね。特に外食ではお客さんに「美味しい!!」と思ってもらうために、家よりも味付けが濃くなる傾向があります。塩分の高い食事は確かに美味しいですし、満足度も高いですが、摂り続ける事で、体に負担をかけてしまう場合もあります。今回は、そんな塩分と上手に付き合う方法をご紹介します。
「塩分の摂り過ぎに気を付けて」という言葉をよく耳にしますが、「塩分」とは何なのでしょう。食塩の事だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「食塩=塩分」ではありません。塩分とは、ナトリウムイオンと塩素イオンが結合して出来た食塩の主成分「塩化ナトリウム」の事で、食塩のほか、味噌や醤油・ドレッシングやソース・加工品など様々な食材・食品に含まれます。そして、ナトリウムは私たち人間や動物・魚などの体内に存在するミネラルのひとつです。
ナトリウムは生命を維持するうえでとても重要なミネラルで、カリウムと共に体細胞内外の浸透圧の調整や筋肉や神経の興奮を抑える働きがあります。不足すると倦怠感や食欲不振といった症状を引き起こしますが、現代社会において通常の食事をしている分にはほとんど不足する事はありません。(大汗をかく・下痢が続くといった場合には不足する事があります。)逆に摂り過ぎの状態が続くと高血圧や脳卒中・心筋梗塞・腎不全などを引き起こす要因となり、命の危険を伴う場合もあるので、注意が必要です。
体にとって大切な成分ですが、知らず知らずのうちにたくさん摂ってしまうのが塩分です。そして現代社会では、子どもの頃から味の濃い食事を摂りがちです。薄味は慣れると美味しく感じられますが、それまでは意識して味付けしていく事が必要です。ちょっとした工夫で、減塩したり、摂り過ぎてしまった塩分を身体から出しやすくする事が出来ますので、ご自身だけでなく、子ども達のためにも覚えておくと良いですね。
汁物は、出汁をしっかりと取る事で旨味が効き、味噌や塩・醤油などを減らす事が出来ます。和食ならカツオと昆布の混合出汁や煮干出汁を使いましょう。洋食や中華の場合、鶏の骨などを使って毎回出汁を取るのが理想ですが、現実的ではないので、スープに旨味の出る挽き肉や薄切り肉などを使うと具としても使えて経済的です。顆粒調味料はお手軽ですが、旨味以外に塩分も多く含まれるので、出来れば使用量や回数を減らすよう心がけましょう。刺身をいただく時も、醤油に出汁や柑橘の絞り汁などを少し加えて割り醬油にすると醤油の使用量を減らす事が出来ます。その他、にんにく・しょうが・みょうが・しそ・ねぎなどの香味野菜や香辛料・フレッシュハーブなど香りのあるものを使うと、少ない塩分でも美味しく感じる事が出来ます。また炒め物をする時に、隠し味程度に酢などの酸味を加えると塩分が引き立ち、減塩効果があります。
摂り過ぎた時は、カリウムの多い食品を摂る事で、余分なナトリウムを体から出しやすくなります。カリウムは果物や野菜・海藻・豆類・芋類など植物性の食品に多く含まれます。また、鮮度が良い方がカリウム含有量が多いので、新鮮なものを選び、買ってきたら早めに頂きましょう。カリウムは加熱による損失が大きいミネラルなので、生食出来る野菜や果物などはそのままいただきましょう。多く含まれる食材はバナナ・いちご・ほうれん草・さといもなどです。
商品パッケージには栄養成分が載っていて、その中にナトリウムという表記があります。親切な場合はカッコで食塩相当量〇〇gと記載がありますが、そうでないものも多いので、下記の計算式を覚えておくと商品の大体の塩分量が分かります。
ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量※ナトリウムを(g)で計算する場合はナトリウム(g)×2.54で大丈夫です。例)ナトリウム600mgの場合 600×2.54÷1000=1.524小数点第二位以下は四捨五入するので、この場合食塩相当量は1.5gとなります。ちなみに1.5gは小さじ1/4の食塩量に相当します。小さじ1/4だったら少なそうと思うかもしれませんが、実際に量ってみると意外と多い事に驚かれると思います。「日本人の食事摂取基準2020年度版」の塩分摂取目標値(成人)が男性・・・7.5g未満女性・・・6g未満※高血圧や腎臓病などがある場合は疾患別の摂取目標値が定められています。となっており、WHOでは5g未満を目標としています。しかし、日本人の平均摂取量は男性平均11g、女性平均9.3gとまだまだ多いのが現状です。外食などでラーメンなど汁がある物を食べる時は汁を飲まない、定食などをいただく時も、漬物・味噌汁などを食べた日はそのあとの食事で調整するなどしましょう。いかがでしたか。以前と比べれば「減塩」という言葉は日本全国に浸透していますが、世界と比べるとまだまだ塩分の高い食事をとる傾向にあります。気になる方はぜひ意識してみてください。
おにぎりや焼き魚・味噌汁など、日本の食事は塩分を摂りがちなメニューが多いといわれていますね。特に外食ではお客さんに「美味しい!!」と思ってもらうために、家よりも味付けが濃くなる傾向があります。塩分の高い食事は確かに美味しいですし、満足度も高いですが、摂り続ける事で、体に負担をかけてしまう場合もあります。
今回は、そんな塩分と上手に付き合う方法をご紹介します。
【塩分とは】
「塩分の摂り過ぎに気を付けて」という言葉をよく耳にしますが、「塩分」とは何なのでしょう。食塩の事だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「食塩=塩分」ではありません。
塩分とは、ナトリウムイオンと塩素イオンが結合して出来た食塩の主成分「塩化ナトリウム」の事で、食塩のほか、味噌や醤油・ドレッシングやソース・加工品など様々な食材・食品に含まれます。そして、ナトリウムは私たち人間や動物・魚などの体内に存在するミネラルのひとつです。
【ナトリウムの働き】
ナトリウムは生命を維持するうえでとても重要なミネラルで、カリウムと共に体細胞内外の浸透圧の調整や筋肉や神経の興奮を抑える働きがあります。
不足すると倦怠感や食欲不振といった症状を引き起こしますが、現代社会において通常の食事をしている分にはほとんど不足する事はありません。(大汗をかく・下痢が続くといった場合には不足する事があります。)
逆に摂り過ぎの状態が続くと高血圧や脳卒中・心筋梗塞・腎不全などを引き起こす要因となり、命の危険を伴う場合もあるので、注意が必要です。
【塩分を減らす調理のポイント&摂り過ぎた時のポイント】
体にとって大切な成分ですが、知らず知らずのうちにたくさん摂ってしまうのが塩分です。そして現代社会では、子どもの頃から味の濃い食事を摂りがちです。薄味は慣れると美味しく感じられますが、それまでは意識して味付けしていく事が必要です。ちょっとした工夫で、減塩したり、摂り過ぎてしまった塩分を身体から出しやすくする事が出来ますので、ご自身だけでなく、子ども達のためにも覚えておくと良いですね。
〇調理ポイント
汁物は、出汁をしっかりと取る事で旨味が効き、味噌や塩・醤油などを減らす事が出来ます。和食ならカツオと昆布の混合出汁や煮干出汁を使いましょう。洋食や中華の場合、鶏の骨などを使って毎回出汁を取るのが理想ですが、現実的ではないので、スープに旨味の出る挽き肉や薄切り肉などを使うと具としても使えて経済的です。
顆粒調味料はお手軽ですが、旨味以外に塩分も多く含まれるので、出来れば使用量や回数を減らすよう心がけましょう。
刺身をいただく時も、醤油に出汁や柑橘の絞り汁などを少し加えて割り醬油にすると醤油の使用量を減らす事が出来ます。
その他、にんにく・しょうが・みょうが・しそ・ねぎなどの香味野菜や香辛料・フレッシュハーブなど香りのあるものを使うと、少ない塩分でも美味しく感じる事が出来ます。
また炒め物をする時に、隠し味程度に酢などの酸味を加えると塩分が引き立ち、減塩効果があります。
〇摂り過ぎてしまった時は
摂り過ぎた時は、カリウムの多い食品を摂る事で、余分なナトリウムを体から出しやすくなります。カリウムは果物や野菜・海藻・豆類・芋類など植物性の食品に多く含まれます。また、鮮度が良い方がカリウム含有量が多いので、新鮮なものを選び、買ってきたら早めに頂きましょう。カリウムは加熱による損失が大きいミネラルなので、生食出来る野菜や果物などはそのままいただきましょう。
多く含まれる食材はバナナ・いちご・ほうれん草・さといもなどです。
【覚えておくと便利!食塩相当量の計算】
商品パッケージには栄養成分が載っていて、その中にナトリウムという表記があります。親切な場合はカッコで食塩相当量〇〇gと記載がありますが、そうでないものも多いので、下記の計算式を覚えておくと商品の大体の塩分量が分かります。
☆食塩相当量算出式☆
ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量
※ナトリウムを(g)で計算する場合はナトリウム(g)×2.54で大丈夫です。
例)ナトリウム600mgの場合 600×2.54÷1000=1.524
小数点第二位以下は四捨五入するので、この場合食塩相当量は1.5gとなります。
ちなみに1.5gは小さじ1/4の食塩量に相当します。小さじ1/4だったら少なそうと思うかもしれませんが、実際に量ってみると意外と多い事に驚かれると思います。
「日本人の食事摂取基準2020年度版」の塩分摂取目標値(成人)が
男性・・・7.5g未満
女性・・・6g未満
※高血圧や腎臓病などがある場合は疾患別の摂取目標値が定められています。
となっており、WHOでは5g未満を目標としています。
しかし、日本人の平均摂取量は男性平均11g、女性平均9.3gとまだまだ多いのが現状です。外食などでラーメンなど汁がある物を食べる時は汁を飲まない、定食などをいただく時も、漬物・味噌汁などを食べた日はそのあとの食事で調整するなどしましょう。
いかがでしたか。
以前と比べれば「減塩」という言葉は日本全国に浸透していますが、世界と比べるとまだまだ塩分の高い食事をとる傾向にあります。気になる方はぜひ意識してみてください。