更新日:2025/07/11
「家族の食事のあれこれは大人がするもの。」と思っていませんか。子どもと一緒に食事の準備などを行うことは、きっと将来の「やっててよかった!」に繋がります。
お手伝いは、子ども自身が主体となってやるものではなく、だれかと一緒にしていくことで五感を刺激したり、経験値を積ませ、自分で何かをやっていく「自立」のきっかけとなります。それと同時に、食に関するさまざまな知識も得られるため、食育にも繋がります。食事のお手伝いは漠然としたものですが、大きく食事前と食事後に分けられます。
●食事前食事前のお手伝いで思い浮かべるのは、「料理を作る」ことや出来上がった料理を「テーブルに並べる」・「はしやスプーンなどを用意する」・「飲み物の準備」などではないでしょうか。これらはすべて料理を作って食べる直前のお手伝いですが、上記以外にも、一緒に「メニューを考える」・買い物前に「家にあるもの(在庫)を確認する」・「食材の買い出しをする」・「買ってきた物をしまう」なども食事前に出来るお手伝いです。
●食事後食べたら終わり!ではなく、食べた食器を「テーブルから下げる」・「テーブルを拭く」・「食器・調理道具を洗う」・「拭いて元の場所に戻す」などの後片付けのお手伝いがあります。
お手伝いは自分でいろいろなことを出来るようになるだけでなく、食べ物の好き・嫌いの改善が期待出来るかもしれません。子どもに限らず人は、自分がイチから作り上げたものに対して興味や愛着が沸きます。家庭菜園や、保育園・小学校などで誰かと協力して育てた食材を使った料理だと食べられたという話はいい例です。もちろん単発で行っても効果はありますが、継続することで、自分で作ったものでなくても食べられるようになるかもしれません。継続は力なり・・・出来る範囲で続けてみましょう。
上記のように、「こういうときは〇〇する」など内容を具体的に示すことで、大人側も食事に関わるお手伝いのイメージがつきやすくなります。そして、その中から自分の子に「何をやってもらうか」・「出来るのか」を考え、興味を持ったものに挑戦させましょう。一回やったら毎日やって欲しいものですが、無理強いするとやりたくなくなってしまいますので、まずは「〇〇やるけど一緒にやってみない?」・「〇〇をやっているのだけれど、ちょっと手を貸してもらえるかな?」などの声掛けを大人側からしてみてください。そのときに「NO!」という返事が来ても怒らず、慌てず少しずつ進めていきましょう。
お手伝いは、出来れば小さいときから習慣をつけた方がすんなり受け入れることができ、それがいつしか当たり前のこととなります。1歳後半から3歳・4歳くらいの子は、自分で何かをやりたいお年頃です。その子ども心をうまく活用して、出来ることからやってもらいましょう。
●買い物買おうと思っているものを「売り場から取ってくる」・「カゴに入れる」といった作業は小さい子のやりたい心をくすぐります。乾物や加工食品のような、どれをとってもあまり影響のないようなものなら気兼ねなくお願い出来ます。野菜など、鮮度を見極めてから買いたいものは、「この野菜は〇〇だとおいしいんだよ。」のように食材の特徴や購入ポイントを教えてあげ、一緒に選んでカゴに入れてもらうと、知識もつきおすすめです。買い物から帰ってきたら、「食材をしまう」・「エコバックを片付ける」などもやってもらいましょう。
●調理料理のお手伝いは、危険な作業も多いので、年齢ごとに出来る範囲が変わってくると思います。最初はもやしのひげ根取りやミニトマトのヘタ取り・レタスをちぎるといった簡単な作業から始め、包丁を扱う作業・火を扱う作業へと徐々にステップアップしていきます。包丁や火を使う作業は危ないからと敬遠しがちですが、大人がしっかりと見てサポートしてあげられる環境があれば、やわらかい食材を切るなどから挑戦させてみるとよいでしょう。また、餃子を包む・野菜を肉で巻くような作業は出来上がったときに自分が作ったものがわかるので喜びます。生の肉や魚を扱うときは、触った手でほかの食材を触らない・口に入れない・手や器具をしっかり洗うなどを伝えてください。触る・口に入れるとどうなってしまうのかを説明してあげると、理解度がグッと上がります。
●食卓食卓の準備・後片付けも食事の大切なお手伝いです。盛り付け用の器や取り皿を一緒に選んでみてはいかがでしょう。また、はしやフォーク・スプーンなどのカトラリー類もその日の料理に合わせて用意するのをお願いすると、何が必要なのかを考える力が身につきます。そして、「お皿を流しにもっていく」・「食卓を拭く」こともしっかりと覚えてもらってください。
手伝ってもらったら、大人も必ず「ありがとう」の気持ちを伝えてあげてください。そうすることで、子どもも自然と「ありがとう」を言えるようになりますし、誰かの役に立てたという喜びが、また次のステップに繋がります。
お手伝いと聞くと、「めんどくさい」と感じる子どもも多いですが、小さいうちからの習慣にしてしまえば、それはいつしか当たり前のことになります。お手伝いを通して家族の会話も増えますので、ぜひ一緒にやってもらってください。
Text by さゆり/食育インストラクター
「家族の食事のあれこれは大人がするもの。」と思っていませんか。
子どもと一緒に食事の準備などを行うことは、きっと将来の「やっててよかった!」に繋がります。
【食事のお手伝いとは】
お手伝いは、子ども自身が主体となってやるものではなく、だれかと一緒にしていくことで五感を刺激したり、経験値を積ませ、自分で何かをやっていく「自立」のきっかけとなります。
それと同時に、食に関するさまざまな知識も得られるため、食育にも繋がります。
食事のお手伝いは漠然としたものですが、大きく食事前と食事後に分けられます。
●食事前
食事前のお手伝いで思い浮かべるのは、「料理を作る」ことや出来上がった料理を「テーブルに並べる」・「はしやスプーンなどを用意する」・「飲み物の準備」などではないでしょうか。
これらはすべて料理を作って食べる直前のお手伝いですが、上記以外にも、一緒に「メニューを考える」・買い物前に「家にあるもの(在庫)を確認する」・「食材の買い出しをする」・「買ってきた物をしまう」なども食事前に出来るお手伝いです。
●食事後
食べたら終わり!ではなく、食べた食器を「テーブルから下げる」・「テーブルを拭く」・「食器・調理道具を洗う」・「拭いて元の場所に戻す」などの後片付けのお手伝いがあります。
【お手伝いは好き嫌いもなくせる?】
お手伝いは自分でいろいろなことを出来るようになるだけでなく、食べ物の好き・嫌いの改善が期待出来るかもしれません。
子どもに限らず人は、自分がイチから作り上げたものに対して興味や愛着が沸きます。
家庭菜園や、保育園・小学校などで誰かと協力して育てた食材を使った料理だと食べられたという話はいい例です。
もちろん単発で行っても効果はありますが、継続することで、自分で作ったものでなくても食べられるようになるかもしれません。
継続は力なり・・・出来る範囲で続けてみましょう。
【子どもにやってもらうには】
上記のように、「こういうときは〇〇する」など内容を具体的に示すことで、大人側も食事に関わるお手伝いのイメージがつきやすくなります。
そして、その中から自分の子に「何をやってもらうか」・「出来るのか」を考え、興味を持ったものに挑戦させましょう。
一回やったら毎日やって欲しいものですが、無理強いするとやりたくなくなってしまいますので、まずは「〇〇やるけど一緒にやってみない?」・「〇〇をやっているのだけれど、ちょっと手を貸してもらえるかな?」などの声掛けを大人側からしてみてください。
そのときに「NO!」という返事が来ても怒らず、慌てず少しずつ進めていきましょう。
【小さな子におすすめのお手伝い】
お手伝いは、出来れば小さいときから習慣をつけた方がすんなり受け入れることができ、それがいつしか当たり前のこととなります。
1歳後半から3歳・4歳くらいの子は、自分で何かをやりたいお年頃です。
その子ども心をうまく活用して、出来ることからやってもらいましょう。
●買い物
買おうと思っているものを「売り場から取ってくる」・「カゴに入れる」といった作業は小さい子のやりたい心をくすぐります。
乾物や加工食品のような、どれをとってもあまり影響のないようなものなら気兼ねなくお願い出来ます。
野菜など、鮮度を見極めてから買いたいものは、「この野菜は〇〇だとおいしいんだよ。」のように食材の特徴や購入ポイントを教えてあげ、一緒に選んでカゴに入れてもらうと、知識もつきおすすめです。
買い物から帰ってきたら、「食材をしまう」・「エコバックを片付ける」などもやってもらいましょう。
●調理
料理のお手伝いは、危険な作業も多いので、年齢ごとに出来る範囲が変わってくると思います。
最初はもやしのひげ根取りやミニトマトのヘタ取り・レタスをちぎるといった簡単な作業から始め、包丁を扱う作業・火を扱う作業へと徐々にステップアップしていきます。
包丁や火を使う作業は危ないからと敬遠しがちですが、大人がしっかりと見てサポートしてあげられる環境があれば、やわらかい食材を切るなどから挑戦させてみるとよいでしょう。
また、餃子を包む・野菜を肉で巻くような作業は出来上がったときに自分が作ったものがわかるので喜びます。
生の肉や魚を扱うときは、触った手でほかの食材を触らない・口に入れない・手や器具をしっかり洗うなどを伝えてください。
触る・口に入れるとどうなってしまうのかを説明してあげると、理解度がグッと上がります。
●食卓
食卓の準備・後片付けも食事の大切なお手伝いです。
盛り付け用の器や取り皿を一緒に選んでみてはいかがでしょう。
また、はしやフォーク・スプーンなどのカトラリー類もその日の料理に合わせて用意するのをお願いすると、何が必要なのかを考える力が身につきます。
そして、「お皿を流しにもっていく」・「食卓を拭く」こともしっかりと覚えてもらってください。
【感謝の気持ちを伝えよう】
手伝ってもらったら、大人も必ず「ありがとう」の気持ちを伝えてあげてください。
そうすることで、子どもも自然と「ありがとう」を言えるようになりますし、誰かの役に立てたという喜びが、また次のステップに繋がります。
お手伝いと聞くと、「めんどくさい」と感じる子どもも多いですが、小さいうちからの習慣にしてしまえば、それはいつしか当たり前のことになります。
お手伝いを通して家族の会話も増えますので、ぜひ一緒にやってもらってください。
Text by さゆり/食育インストラクター