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たべて元気♪「食だより」

パパ・ママ

家族で子育て~食を通して考える~

更新日:2025/12/05

核家族化や夫婦共働き世帯が増えた現代。
今を生きる私たちの生活スタイルにあった子育てを考えてみませんか。
今回は、食を通した子育てについてです。

【核家族化による食の変化】

少し前の世代では、自分の親や兄弟のほか、祖父母や親の兄弟である叔父や叔母が一緒に暮らす拡大家族が多くありましたが、現在は親と子だけの核家族が増えています。
核家族化が進む背景は、地方からの人の流出にともなう都市への人口増加や、自由なライフスタイルの構築などさまざまです。
いろいろな世代が一緒に住んでいたころは、家に帰ると必ずといってよいほど誰かいるという場合が多く、一人で食事を取るということはほとんどありませんでした。
しかし核家族が増えた現代は、子どもが成長すると、家族の時間よりも習い事や仕事など、それぞれの時間が優先される家庭が多くなり、その結果、みんなが揃って食事をとる機会が減って、一人で食事をする「孤食」が増加しています。

【食べるということ】

私たちにとっての食事は、ただ単に体を維持するための栄養補給手段というだけでなく、肉体的にも精神的にも安定した状態を維持する目的があります。
子どもに限らず、大人も誰かと会話をしながら食事をする「団らん」は、食べた料理のおいしさやその空間の楽しい思い出によって、気持ちが温かくなり、精神的な安らぎが得られ、明日への活力となります。
先ほど一人で食べる「孤食」が増加しているとお話ししましたが、実は孤食以外にも同じ食卓にいながら別々の内容の料理を食べる「個食」や、誰からも指摘されることがないために、自分の好きなものだけを食べる「固食」・大人が不在で子どもだけで食事をする「子食」・食欲がわかず、食事量が少ない「小食」など、さまざまな「こ食」が存在しています。
そして食育の観点からもこれらを改善していこうという取り組みが、政府や各自治体などを通して発信されています。

【子どもとの共食を意識して】

誰かと食事をするメリットは、先ほど挙げた味や精神的な安らぎだけでなく、「他者とのコミュニケーションの取り方を学ぶ」・「食事のマナーを知る」など、子どもが社会に出たときに困らないような知識を身につけることにも繋がります。
すべての「こ食」をなくすのはハードルの高い目標となるので、気持ちに余裕がもてなくなる可能性があります。
まずは、1日3回の食事のうち、「1回は子どもと食卓を囲む」ということを意識してみてはいかがでしょうか。
毎日・・・であればより理想的ですが、最初は一週間に1~2回でもよいと思います。
お互いが家族との食事を意識することで、その時間が待ち遠しくなったり、会話も弾みます
こうした時間を共有することは、子どものためでもありますが、実はストレスを抱えた大人にとっても大切なのです。
大人がイライラしていたりすると、それは子どもやほかの家族にも影響します。
特に子どもは、家族が自分に関心を持ってくれているかどうかということを、とても敏感に感じ取っています。
親としては愛情表現をしているつもりでも、受け取る子ども側に伝わっていないこともありますので、一緒の空間で料理を食べて、食事中にたわいもない話をしてみましょう。

【一緒にやってみる】

共食を意識してといわれても、『「仕事が忙しい」・「時間がない」から、子どもとの時間なんて取れない・・・.』と感じる働く世代は多いはずです。
では、その忙しさや時間のなさは何のためでしょう。
もちろん、自身の仕事がとても楽しいという場合もあると思いますが、家族と生活するために一生懸命働いている方がほとんどだと思います。
もしそうであれば、家族との時間を持てたときには、短い時間だったとしても、一緒に何かをやってみてください。
「朝ごはん用のトーストを一緒に焼く・バターを塗ってお皿に盛る」でも、「食後のお皿洗い・洗った食器を拭く・しまう」でもよいでしょう。
子どもを交えて家族で分担してやることで、誰かと何かをやることの大切さなども学べるはずです。
日ごろあまり育児に関われなかったとしても、「この作業は一緒に出来る」というものが1つ、2つあれば、日ごろ育児を担っている家族にとっても、子どもにとっても、頼れる存在として記憶に残ります。
その積み重ねが、子どもが大きくなったときに次へ受け継がれていく大切な家族の伝統になるのではないでしょうか。

いろいろなことを一気に変えていくということは難しいです。
まずは何かひとつ、家族とともに出来ることを見つけ、継続してみてください。
きっと小さなことでも共有出来る楽しさを感じることが出来るはずです。

Text by さゆり/食育インストラクター