更新日:2025/11/24
日本料理には欠かせない「かつお節」。出汁に使うのはもちろん、おにぎりや豆腐、和え物など、さまざまなものに大活躍。今回はかつお節についてのお話です。
かつお節は、製造段階によって呼び名も味わいも異なります。かつお節がどのように作られ、どんな種類があるのかご存知ですか?
➀生切り(身切り)原料となるカツオの頭と内臓を取り除き、かつお節用に切り分けます。
②かご立て生切りしたカツオを金属製の煮かごの上に形よく並べます。
③煮熟(しゃじゅく)かご立てしたカツオを釜に入れ、80~90℃の湯で1~2時間煮ます。長時間煮熟すると肉が締まった臭みのないかつお節に仕上がります。(⇒なまり節の完成)
④骨抜き(かご離し)釜からカツオを取り出し、冷ましてから皮、うろこ、汚れなどを取り除き、丁寧に骨を抜きます。
⑤培乾(ばいかん)骨抜きを終えたカツオを蒸しかごに並べ、燻して乾燥(培乾)させます。何回も繰り返し、水分を抜くことでかつお節の特徴的なかたさにしていきます。(⇒荒節の完成)
⑥カビつけ培乾後、数日干したかつお節にカビ菌をつけ、室(むろ)で貯蔵します。カビつけのあと天日に干し、カビつけ…。これを繰り返して仕上げます。(⇒枯れ節、本枯れ節の完成)
かつお節は、大きく「荒節」と「枯れ節」に分けられます。荒節は適度な酸味があり、色も味も濃い出汁がとれるのが特徴です。また、枯れ節は上品でまろやかな味わいの出汁がとれます。商品パッケージの原材料欄に「かつおのふし(荒節のこと)」、「かつおのかれぶし」の表記がありますので、用途によって使い分けるのもよいですね。
日本では昔から、かつお以外の魚でも「節」が作られてきました。今回は代表的な4つの節とその特徴をご紹介します。
●まぐろ節キハダマグロを原料とした節です。出汁は色が薄く、淡白で上品な味わいのため、日本料理でよく使われます。
●宗田節ソウダガツオを原料とした節です。やや渋みがありますが、濃厚な味わいが特徴で、ほかの出汁と合わせ、そばやうどんの出汁としてよく使われます。
●さば節主にゴマサバを原料とした節です。出汁にコクと甘みがあるのが特徴で、うどんの出汁としてよく使われます。
●いわし節一般的にカタクチイワシを原料とした節です。いわし特有のにおいと、味わいが特徴です。主に関西で使用され、みそ汁や煮物、うどんの出汁など、幅広く用いられています。
かつお節は、削るとすぐに酸化がはじまり、風味が失われやすい食品です。そのため、市販されているかつお節(削り節)は、削ったらすぐに袋に入れ、酸素を抜いて窒素(不活性化ガス)を充填することで、長期間鮮度が保たれています。購入後、開封したらすぐに使い切るのがベストですが、使い切れない場合には、しっかりと空気を抜いて密封し、冷蔵庫に入れて保存してください。とはいえ、どんどん風味は落ちていきます。2~3日のうちに使い切るようにしましょう。
<材料>昆布・・15gかつお節・・30g水・・1リットル
<作り方>
1.鍋に汚れを拭き取った昆布と水を入れ、10分程度弱火にかける。(火にかける2~3時間前に昆布を水につけておくと、よりうま味が出ます)
2.昆布に爪を立て、爪あとが残ればうま味が出たサイン。少し火を強め、鍋のまわりが沸々してきたら昆布を取り出す。
3.(2)が沸騰したら弱火にし、かつお節を一気に入れてすぐに火を止める。アクが出てきたら取り除き、かつお節が沈んだらキッチンペーパーをしいたザルで静かにこす。
とった出汁はしっかり冷まし、清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫で保存することもできます。日持ちはしないので1~2日で使い切るようにしてください。また、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍庫で保存することも可能です。その場合は、2~3週間程度持ちます。
11月24日は、「11(いい)・2(ふ)・4(し)」の語呂合わせから、「鰹節の日」に制定されました。出汁として使うだけでなく、和え物や炒め物など、さまざまな料理と相性のよいかつお節。ひと振りするだけで、いつもとひと味違う料理が楽しめますよ。
Text by まち/食育インストラクター
日本料理には欠かせない「かつお節」。
出汁に使うのはもちろん、おにぎりや豆腐、和え物など、さまざまなものに大活躍。
今回はかつお節についてのお話です。
【かつお節ができるまで】
かつお節は、製造段階によって呼び名も味わいも異なります。
かつお節がどのように作られ、どんな種類があるのかご存知ですか?
➀生切り(身切り)
原料となるカツオの頭と内臓を取り除き、かつお節用に切り分けます。
②かご立て
生切りしたカツオを金属製の煮かごの上に形よく並べます。
③煮熟(しゃじゅく)
かご立てしたカツオを釜に入れ、80~90℃の湯で1~2時間煮ます。
長時間煮熟すると肉が締まった臭みのないかつお節に仕上がります。(⇒なまり節の完成)
④骨抜き(かご離し)
釜からカツオを取り出し、冷ましてから皮、うろこ、汚れなどを取り除き、丁寧に骨を抜きます。
⑤培乾(ばいかん)
骨抜きを終えたカツオを蒸しかごに並べ、燻して乾燥(培乾)させます。
何回も繰り返し、水分を抜くことでかつお節の特徴的なかたさにしていきます。(⇒荒節の完成)
⑥カビつけ
培乾後、数日干したかつお節にカビ菌をつけ、室(むろ)で貯蔵します。
カビつけのあと天日に干し、カビつけ…。これを繰り返して仕上げます。(⇒枯れ節、本枯れ節の完成)
かつお節は、大きく「荒節」と「枯れ節」に分けられます。
荒節は適度な酸味があり、色も味も濃い出汁がとれるのが特徴です。
また、枯れ節は上品でまろやかな味わいの出汁がとれます。
商品パッケージの原材料欄に「かつおのふし(荒節のこと)」、「かつおのかれぶし」の表記がありますので、用途によって使い分けるのもよいですね。
【かつお節以外の節】
日本では昔から、かつお以外の魚でも「節」が作られてきました。
今回は代表的な4つの節とその特徴をご紹介します。
●まぐろ節
キハダマグロを原料とした節です。
出汁は色が薄く、淡白で上品な味わいのため、日本料理でよく使われます。
●宗田節
ソウダガツオを原料とした節です。
やや渋みがありますが、濃厚な味わいが特徴で、ほかの出汁と合わせ、そばやうどんの出汁としてよく使われます。
●さば節
主にゴマサバを原料とした節です。
出汁にコクと甘みがあるのが特徴で、うどんの出汁としてよく使われます。
●いわし節
一般的にカタクチイワシを原料とした節です。
いわし特有のにおいと、味わいが特徴です。
主に関西で使用され、みそ汁や煮物、うどんの出汁など、幅広く用いられています。
【「かつお節」の保存方法】
かつお節は、削るとすぐに酸化がはじまり、風味が失われやすい食品です。
そのため、市販されているかつお節(削り節)は、削ったらすぐに袋に入れ、酸素を抜いて窒素(不活性化ガス)を充填することで、長期間鮮度が保たれています。
購入後、開封したらすぐに使い切るのがベストですが、使い切れない場合には、しっかりと空気を抜いて密封し、冷蔵庫に入れて保存してください。
とはいえ、どんどん風味は落ちていきます。
2~3日のうちに使い切るようにしましょう。
【かつお節と昆布で「出汁」をとってみよう!】
<材料>
昆布・・15g
かつお節・・30g
水・・1リットル
<作り方>
1.鍋に汚れを拭き取った昆布と水を入れ、10分程度弱火にかける。
(火にかける2~3時間前に昆布を水につけておくと、よりうま味が出ます)
2.昆布に爪を立て、爪あとが残ればうま味が出たサイン。
少し火を強め、鍋のまわりが沸々してきたら昆布を取り出す。
3.(2)が沸騰したら弱火にし、かつお節を一気に入れてすぐに火を止める。
アクが出てきたら取り除き、かつお節が沈んだらキッチンペーパーをしいたザルで静かにこす。
とった出汁はしっかり冷まし、清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫で保存することもできます。
日持ちはしないので1~2日で使い切るようにしてください。
また、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍庫で保存することも可能です。
その場合は、2~3週間程度持ちます。
11月24日は、「11(いい)・2(ふ)・4(し)」の語呂合わせから、「鰹節の日」に制定されました。
出汁として使うだけでなく、和え物や炒め物など、さまざまな料理と相性のよいかつお節。
ひと振りするだけで、いつもとひと味違う料理が楽しめますよ。
Text by まち/食育インストラクター