更新日:2025/09/03
皆さんは魚、食べていますか。現代の日本は、昔と比べて魚が食卓にのぼる機会がぐっと減っています。そこで、水産庁は2022年11月より毎月3~7日を「さかなの日」に制定しました。今回は子どもでも食べやすい、サーモンを使った香草パン粉焼きのご紹介です。
サーモンや鮭は、「サケ・マス類」に属する魚で、淡水と海水の両方で生活する性質をもっています。日本では、川で過ごすものを鱒(マス)・海に出て生活する天然物を鮭・養殖されたものをサーモンということが多いです。見た目も大きく変わるので、とても同じ魚とは思えませんが、川魚として有名なヤマメは、海で獲れるサクラマスと同種ですし、同じく川魚のヒメマスは、海に出ると紅鮭と呼ばれます。日本でサーモンと呼ばれるものは管理された人工エサを食べている養殖魚がほとんどなので、刺身などの生食が可能ですが、天然物の鮭は食べているエサの関係でアニサキスなどの食中毒になる危険があることから、生食をしないのが基本です。しかし、サーモンや鮭などの呼び名はあいまいな部分も多いので、購入するときは、用途に合わせて生食用・加熱用などのラベルを確認して購入すると安全です。また北海道の郷土食に、鮭や鱒を凍らせ、そのまま薄切りにして生食する「ルイベ」という料理があります。この料理は、-20℃以下の場所で凍らせて作ります。そのため、-18℃くらいまでしか下がらない一般家庭の冷凍庫で凍らせても、ルイベとして安全に食べることは出来ません。市販の鮭や鱒は加熱が基本の商品で、衛生面も生食用の基準を満たしていないので、ルイベは自作せず、きちんとした手法で作られた商品を買ったり、お店に行って楽しんでください。
それではレシピのご紹介です。
<材料(3~4人分)> 調理時間:40分サーモン(刺身用のサク)・・300g ※形が整ったものだと切り分けやすいです。塩・こしょう・・各少々Aにんにく(おろし)・・適量Aオリーブオイル・・小さじ1Aドライパン粉・・20gAパセリ(みじん切り)・・大さじ2Aタイム(葉だけ摘んだもの)・・小さじ1/4A塩・・少々Aこしょう・・少々フレンチマスタード・・適量※小さなお子さんの場合はマヨネーズや小麦粉を水で溶いたものにおき換えても構いません。
サラダ油・・適量お好みのサラダ野菜など・・適量レモン(くし切り)・・1/2個分ミニトマト・・1人1個
<作り方>1.サーモンは3~4等分にし、塩を振って10分ほどおき、出てきた水分を拭き取ってこしょうを振る2.フードプロセッサーなどにAを入れ、細かくなるまで回す3.フライパンにサラダ油を熱し、(1)を入れて表面だけ焼き色をつけ、取り出す4.手早く冷まして粗熱を取り、盛り付けで上にしたい面にマスタードを薄く塗って(2)をたっぷりつけ、オーブントースターや魚焼きグリルなどでパン粉がこうばしく焼けたら取り出す
5.器にサラダ野菜を盛り、(4)をのせてレモンやミニトマトを添える
パン粉をつけてオーブントースターや魚焼きグリルで焼くのが難しい場合は、香草パン粉をカリッとこうばしくなるまで炒り、焼いた魚の上からかけてもおいしくいただけます。お好みでフレッシュトマトを角切りにしてドレッシングと和えたものなどを添えると、よりサッパリとして食べやすいです。付け合わせは、マッシュポテトやグリル野菜にしてもおいしいです。
<ポイント>・今回は生食できる刺身用を使用していますので、中が少しレアな状態で仕上げています。 小さなお子さんなど、魚の生食が難しい場合は、フライパンで焼く工程を長くして火をしっかり 通しましょう。また、サーモンは脂がのっているものが多いので、生鮭で作っても構いません。 鮭は生食向きではないので、必ずしっかりと中まで加熱してください。・今回は香りを楽しむため、タイムを使用していますが、ローズマリーやディルなども相性が よいので、お好みで変更や追加をしてください。・小さなお子さんや香りが強い食材が苦手な方は、パセリだけにすると、香りを気にせず楽しめます。・Aはフードプロセッサーが回るように作りやすい分量で記載しています。 多い場合は冷凍庫で保存出来ますので、すぐに密閉出来るビニール袋などに入れて冷凍し、 早めに使 用してください。
サーモンや鮭は、良質なたんぱく質が豊富な食材です。たんぱく質は体を作るのに欠かせない栄養素なので、成長期のお子さんはもちろん、どの世代にもしっかりと食べていただきたいです。たんぱく質以外にも、体作りに関わる必須アミノ酸類や、女性ホルモンの代謝を助けたり、血液中のヘモグロビンの合成を助けるビタミンB6が含まれます。カルシウムの吸収や沈着に欠かせないビタミンDも豊富なので、乳・乳製品やカルシウムを多く含む青菜類のような食材と組み合わせて食べると、効果的です。魚の脂は記憶力や学習能力の向上に関わるDHAやIPA(EPA)という脂質がたくさん含まれます。酸化しやすい栄養素なので、ビタミンCやビタミンE・β-カロテンを含む野菜などと一緒に摂ると効率的です。サーモンや鮭はきれいなオレンジ色をしているので、赤身の魚だと思っている方も多いですが、分類上は白身魚です。なぜオレンジ色をしているかというと、エサであるエビやカニに含まれるアスタキサンチンというカロテノイドの一種の影響で身に色がついているのです。養殖のサーモンも、アスタキサンチンを含むエサを与えるため、天然同様に色がつきます。天然のなかでは、紅鮭が最も多くのアスタキサンチンを含むとされ、身の色もその名の通り、「紅色」です。アスタキサンチンは、強い抗酸化力を持ち、免疫力のアップや美肌・目の疲労回復などに効果的です。
今回のレシピは、タイのような白身魚や、ほたてなどでもおいしいです。自分の好みに合った魚を使って、ぜひ作ってみてください。
Text by さゆり/食育インストラクター
皆さんは魚、食べていますか。
現代の日本は、昔と比べて魚が食卓にのぼる機会がぐっと減っています。
そこで、水産庁は2022年11月より毎月3~7日を「さかなの日」に制定しました。
今回は子どもでも食べやすい、サーモンを使った香草パン粉焼きのご紹介です。
【サーモンと鮭】
サーモンや鮭は、「サケ・マス類」に属する魚で、淡水と海水の両方で生活する性質をもっています。
日本では、川で過ごすものを鱒(マス)・海に出て生活する天然物を鮭・養殖されたものをサーモンということが多いです。
見た目も大きく変わるので、とても同じ魚とは思えませんが、川魚として有名なヤマメは、海で獲れるサクラマスと同種ですし、同じく川魚のヒメマスは、海に出ると紅鮭と呼ばれます。
日本でサーモンと呼ばれるものは管理された人工エサを食べている養殖魚がほとんどなので、刺身などの生食が可能ですが、天然物の鮭は食べているエサの関係でアニサキスなどの食中毒になる危険があることから、生食をしないのが基本です。
しかし、サーモンや鮭などの呼び名はあいまいな部分も多いので、購入するときは、用途に合わせて生食用・加熱用などのラベルを確認して購入すると安全です。
また北海道の郷土食に、鮭や鱒を凍らせ、そのまま薄切りにして生食する「ルイベ」という料理があります。この料理は、-20℃以下の場所で凍らせて作ります。
そのため、-18℃くらいまでしか下がらない一般家庭の冷凍庫で凍らせても、ルイベとして安全に食べることは出来ません。
市販の鮭や鱒は加熱が基本の商品で、衛生面も生食用の基準を満たしていないので、ルイベは自作せず、きちんとした手法で作られた商品を買ったり、お店に行って楽しんでください。
それではレシピのご紹介です。
【サーモンの香草パン粉焼き】
<材料(3~4人分)> 調理時間:40分
サーモン(刺身用のサク)・・300g ※形が整ったものだと切り分けやすいです。
塩・こしょう・・各少々
Aにんにく(おろし)・・適量
Aオリーブオイル・・小さじ1
Aドライパン粉・・20g
Aパセリ(みじん切り)・・大さじ2
Aタイム(葉だけ摘んだもの)・・小さじ1/4
A塩・・少々
Aこしょう・・少々
フレンチマスタード・・適量
※小さなお子さんの場合はマヨネーズや小麦粉を水で溶いたものにおき換えても構いません。
サラダ油・・適量
お好みのサラダ野菜など・・適量
レモン(くし切り)・・1/2個分
ミニトマト・・1人1個
<作り方>
1.サーモンは3~4等分にし、塩を振って10分ほどおき、出てきた水分を拭き取ってこしょうを振る
2.フードプロセッサーなどにAを入れ、細かくなるまで回す
3.フライパンにサラダ油を熱し、(1)を入れて表面だけ焼き色をつけ、取り出す
4.手早く冷まして粗熱を取り、盛り付けで上にしたい面にマスタードを薄く塗って(2)をたっぷりつけ、オーブントースターや魚焼きグリルなどでパン粉がこうばしく焼けたら取り出す
5.器にサラダ野菜を盛り、(4)をのせてレモンやミニトマトを添える
パン粉をつけてオーブントースターや魚焼きグリルで焼くのが難しい場合は、香草パン粉をカリッとこうばしくなるまで炒り、焼いた魚の上からかけてもおいしくいただけます。
お好みでフレッシュトマトを角切りにしてドレッシングと和えたものなどを添えると、よりサッパリとして食べやすいです。付け合わせは、マッシュポテトやグリル野菜にしてもおいしいです。
<ポイント>
・今回は生食できる刺身用を使用していますので、中が少しレアな状態で仕上げています。
小さなお子さんなど、魚の生食が難しい場合は、フライパンで焼く工程を長くして火をしっかり
通しましょう。また、サーモンは脂がのっているものが多いので、生鮭で作っても構いません。
鮭は生食向きではないので、必ずしっかりと中まで加熱してください。
・今回は香りを楽しむため、タイムを使用していますが、ローズマリーやディルなども相性が
よいので、お好みで変更や追加をしてください。
・小さなお子さんや香りが強い食材が苦手な方は、パセリだけにすると、香りを気にせず楽しめます。
・Aはフードプロセッサーが回るように作りやすい分量で記載しています。
多い場合は冷凍庫で保存出来ますので、すぐに密閉出来るビニール袋などに入れて冷凍し、
早めに使 用してください。
【サーモン・鮭の栄養】
サーモンや鮭は、良質なたんぱく質が豊富な食材です。
たんぱく質は体を作るのに欠かせない栄養素なので、成長期のお子さんはもちろん、どの世代にもしっかりと食べていただきたいです。
たんぱく質以外にも、体作りに関わる必須アミノ酸類や、女性ホルモンの代謝を助けたり、血液中のヘモグロビンの合成を助けるビタミンB6が含まれます。
カルシウムの吸収や沈着に欠かせないビタミンDも豊富なので、乳・乳製品やカルシウムを多く含む青菜類のような食材と組み合わせて食べると、効果的です。
魚の脂は記憶力や学習能力の向上に関わるDHAやIPA(EPA)という脂質がたくさん含まれます。
酸化しやすい栄養素なので、ビタミンCやビタミンE・β-カロテンを含む野菜などと一緒に摂ると効率的です。
サーモンや鮭はきれいなオレンジ色をしているので、赤身の魚だと思っている方も多いですが、分類上は白身魚です。
なぜオレンジ色をしているかというと、エサであるエビやカニに含まれるアスタキサンチンというカロテノイドの一種の影響で身に色がついているのです。
養殖のサーモンも、アスタキサンチンを含むエサを与えるため、天然同様に色がつきます。
天然のなかでは、紅鮭が最も多くのアスタキサンチンを含むとされ、身の色もその名の通り、「紅色」です。アスタキサンチンは、強い抗酸化力を持ち、免疫力のアップや美肌・目の疲労回復などに効果的です。
今回のレシピは、タイのような白身魚や、ほたてなどでもおいしいです。
自分の好みに合った魚を使って、ぜひ作ってみてください。
Text by さゆり/食育インストラクター