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たべて元気♪「食だより」

食材・料理

秋の味覚の代表する魚といえば… 「さんま」!

更新日:2024/09/16

手ごろな価格で親しまれてきたさんまですが、昨今は漁獲量の低下で価格も値上がり傾向です。
日本各地からアメリカ西海岸に及ぶ北太平洋に広く分布し、大群で回遊し、春から夏にかけて北上して秋ごろ産卵のために南下します。
漢字で「秋刀魚」と書くように、秋に旬を迎え、9~10月は脂がのっていてとても美味
塩焼きはもちろん、刺身や梅煮、かば焼き、炊き込みご飯など、いろいろな料理で楽しめます。
今回は「さんま」の栄養や選び方、保存法についてご紹介します。

【どんな栄養があるの?】

●たんぱく質
体内で合成することのできない必須アミノ酸をバランスよく含み、なかでも「BCAA(分岐差アミノ酸)」が豊富です。
「BCAA」は、バリン・ロイシン・イソロイシンの3種のアミノ酸の総称で、主に運動時のエネルギー源として利用され、長距離運動や激しい運動による筋肉の損傷・疲労感の軽減に役立ちます。
近年では、年を重ねるごとに筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下するサルコペニア対策としても注目されています。

●DHAやEPA
人間の体では作ることのできない必須脂肪酸。
血中の中性脂肪を減らし、動脈硬化などを予防する効果や血栓ができるのを防ぐ働きがあります。

●ビタミンB12
葉酸とともに赤血球を生成するときに働くため、「造血のビタミン」と呼ばれています。
神経の働きを正常に保つにも重要なビタミンで、眼精疲労や肩こり、神経痛の改善が期待できます。


全身の細胞や組織に酸素を運ぶ役割をし、貧血を予防する効果があります。
特に成長期の子どもや妊娠中の女性は、必要量が増加するため意識して摂るようにしましょう。

●カルシウム
骨や歯を強化し、骨粗しょう症予防に役立ちます。
カルシウムは体内での吸収率が低いため、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンKなどと一緒に摂るとよいでしょう。

【おいしいさんまの選び方と保存法は?】

さんまを購入するときは、以下をポイントに選びましょう。

・くちばしが黄色やオレンジ色のもの
・エラが鮮紅色のもの
・肩から背びれにかけて身がふっくら張りのあるもの
・目が透明で澄んでいるもの

冷蔵保存する場合は、内臓がついたままだと傷みやすいので、その日に食べきらない場合は内臓を取り除いて水できれいに洗い、キッチンペーパーなどで水気をしっかりふき取りましょう。
袋に入れてチルド室で保存します。
冷凍保存する場合は、冷蔵保存同様、内臓の処理をして頭を切り落とし、1尾ずつラップに包んで密閉袋に入れます。
2~4週間以内に使い切るようにしましょう。

【さんまの塩焼きに欠かせないものとは?】

大根おろしとすだち!
大根おろしには、でんぷんを分解する「アミラーゼ(ジアスターゼ)」、たんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」といった消化酵素が含まれています。
合わせて食べるごはん、たんぱく質や脂質を多く含むさんまなどの消化を助け、胃もたれや胸やけを防いでくれます。
さらに大根おろしには、焼き魚などの焦げた部分に生じる発がん物質を抑制する酵素「オキシターゼ」も含まれているので、まさにさんまの塩焼きにピッタリ。
ただ、これらの酵素は加熱に弱いため、大根おろしのように生で食べるのがおすすめです。
すだちには、クエン酸やビタミンCが豊富に含まれています。
クエン酸やビタミンCは、鉄の吸収を高め、さらにクエン酸はカルシウムの吸収も高めてくれるので、さんまと一緒に摂ると効率よく摂取できます。
さんまの塩焼きに大根おろしやすだちを添えるのは、おいしいだけでなく、栄養面でも理にかなった組み合わせだったのですね。

いかがでしたか?
旬のさんまは脂がのって最高の味わい!
新鮮なさんまが手に入ったら、ぜひ腸わたまで召し上がってください♪

Text by くまこ/食育インストラクター