更新日:2024/10/23
給食レシピは地域差が大きいものです。特に、県を代表する特産食材がある場合は、他県では見られない独自性の高い給食が食べられていることがあります。今回はそんなメニューのひとつ、北海道のジンギスカンについてのお話です。
給食と言えば、一度に喫食する人数が数百人と大規模であること・家庭の給食費の負担が少なくなるように、などの理由から、調理しやすく、比較的安価で揃えられる食品を中心に栄養バランスを考えて作られていることが多いものです。牧羊がそれほど盛んではない日本では、ラム肉の流通は鶏・豚などと比べると少なく、価格が高くなりがちです。給食で使うには少し難易度の高い食材といえるのですが…北海道では、ラム肉料理を給食に取り入れることがあります。
北海道はその広さから(※単純な面積の比較でも九州の2倍以上)、明治時代以降に大規模な開拓を行い、西洋式の農業や畜産・酪農に取り組んできた歴史があります。現在も、都道府県別農業産出額(令和4年 農林水産省発表)では全国1位をキープし、牧場の数も全国トップです。北海道の開拓が進み、大正時代に入ると、それまで日本では一般的ではなかった羊の飼育が推奨されるようになりました。羊の飼育は冷涼な気候が望ましく、北海道は本州よりも牧羊に適した環境だったので、定着しやすかったのだそうです。この当時は毛皮を目的としており、食肉として全国で広く食べられるようになるにはまだ時間がかかりますが、北海道では羊を食べる機会が増えていったようです。そんな北海道の羊肉料理で最も有名なのがジンギスカン。元祖となった場所がどこなのかは諸説ありますが、タレに肉を漬け込んで焼くスタイルが確立したのは北海道から。そして、戦後の国内観光の発展などを起点とし、「北海道のうまいもの」のひとつとして、ジンギスカンが全国的に知られるようになりました。こうして北海道の郷土料理となったジンギスカンは、多くの専門店があるのはもちろん、北海道ならではのご当地給食として食べられる機会も多いのだそうです。
<材料> 調理時間:35分
ラム肉(薄切り)・・200gAりんご(おろし)・・1/4個分Aにんにく(おろし)・・小さじ1/2Aしょうが(おろし)・・小さじ1/2Aみりん・・大さじ1Aしょうゆ・・小さじ2Aごま油・・小さじ1たまねぎ・・1/4個もやし・・50gにんじん・・1/4本ピーマン・・1個Bトマトケチャップ・・大さじ1Bウスターソース・・大さじ1B酒・・大さじ1サラダ油・・大さじ1
<作り方>
1.ボウルにラム肉とAを入れて混ぜて15分ほどおき、下味をつける。
2.玉ねぎは1cm幅のくし切りにする。にんじん・ピーマンは2~3mm幅の千切りにする。
3.フライパンを熱し、余分な水気を拭きとった(1)を入れて炒める。肉の色が変わったら取り出す。
4.同じフライパンにサラダ油を熱し、(2)・もやしを入れてさっと炒める。
5.(3)を戻し入れ、Bを入れて強火で炒め合わせる。
<ポイント>
・野菜はにらなどを入れてもおいしく召し上がれます。・加熱しすぎるとラム肉がかたくなりやすいので、仕上げは手早く行いましょう。・Aのたれに玉ねぎのすりおろしを加えるとより風味が増します。
ジンギスカンは中央に盛り上がる専用の鍋を使い、調理しながら囲んで食べる鍋物のイメージが一般的です。給食の場合は調理し終えたものを提供するので、炒め煮のような仕上がりになるのが特徴です。肉と野菜の一体感があり、ご飯が進みやすいので、ぜひご飯と一緒に召し上がってみてください。
Text by はむこ/食育インストラクター
給食レシピは地域差が大きいものです。
特に、県を代表する特産食材がある場合は、他県では見られない独自性の高い給食が食べられていることがあります。
今回はそんなメニューのひとつ、北海道のジンギスカンについてのお話です。
【給食でラム肉…!?】
給食と言えば、一度に喫食する人数が数百人と大規模であること・家庭の給食費の負担が少なくなるように、などの理由から、調理しやすく、比較的安価で揃えられる食品を中心に栄養バランスを考えて作られていることが多いものです。
牧羊がそれほど盛んではない日本では、ラム肉の流通は鶏・豚などと比べると少なく、価格が高くなりがちです。
給食で使うには少し難易度の高い食材といえるのですが…
北海道では、ラム肉料理を給食に取り入れることがあります。
【北海道と羊】
北海道はその広さから(※単純な面積の比較でも九州の2倍以上)、明治時代以降に大規模な開拓を行い、西洋式の農業や畜産・酪農に取り組んできた歴史があります。
現在も、都道府県別農業産出額(令和4年 農林水産省発表)では全国1位をキープし、牧場の数も全国トップです。
北海道の開拓が進み、大正時代に入ると、それまで日本では一般的ではなかった羊の飼育が推奨されるようになりました。
羊の飼育は冷涼な気候が望ましく、北海道は本州よりも牧羊に適した環境だったので、定着しやすかったのだそうです。
この当時は毛皮を目的としており、食肉として全国で広く食べられるようになるにはまだ時間がかかりますが、北海道では羊を食べる機会が増えていったようです。
そんな北海道の羊肉料理で最も有名なのがジンギスカン。
元祖となった場所がどこなのかは諸説ありますが、タレに肉を漬け込んで焼くスタイルが確立したのは北海道から。
そして、戦後の国内観光の発展などを起点とし、「北海道のうまいもの」のひとつとして、ジンギスカンが全国的に知られるようになりました。
こうして北海道の郷土料理となったジンギスカンは、多くの専門店があるのはもちろん、北海道ならではのご当地給食として食べられる機会も多いのだそうです。
【給食風ジンギスカン】
<材料> 調理時間:35分
ラム肉(薄切り)・・200g
Aりんご(おろし)・・1/4個分
Aにんにく(おろし)・・小さじ1/2
Aしょうが(おろし)・・小さじ1/2
Aみりん・・大さじ1
Aしょうゆ・・小さじ2
Aごま油・・小さじ1
たまねぎ・・1/4個
もやし・・50g
にんじん・・1/4本
ピーマン・・1個
Bトマトケチャップ・・大さじ1
Bウスターソース・・大さじ1
B酒・・大さじ1
サラダ油・・大さじ1
<作り方>
1.ボウルにラム肉とAを入れて混ぜて15分ほどおき、下味をつける。
2.玉ねぎは1cm幅のくし切りにする。
にんじん・ピーマンは2~3mm幅の千切りにする。
3.フライパンを熱し、余分な水気を拭きとった(1)を入れて炒める。
肉の色が変わったら取り出す。
4.同じフライパンにサラダ油を熱し、(2)・もやしを入れてさっと炒める。
5.(3)を戻し入れ、Bを入れて強火で炒め合わせる。
<ポイント>
・野菜はにらなどを入れてもおいしく召し上がれます。
・加熱しすぎるとラム肉がかたくなりやすいので、仕上げは手早く行いましょう。
・Aのたれに玉ねぎのすりおろしを加えるとより風味が増します。
ジンギスカンは中央に盛り上がる専用の鍋を使い、調理しながら囲んで食べる鍋物のイメージが一般的です。
給食の場合は調理し終えたものを提供するので、炒め煮のような仕上がりになるのが特徴です。
肉と野菜の一体感があり、ご飯が進みやすいので、ぜひご飯と一緒に召し上がってみてください。
Text by はむこ/食育インストラクター