更新日:2024/07/12
ゼラチン(Gelatin)は、ラテン語の「かたい、凍った」を意味するGelatus(ゲラトゥス)に由来しています。ゼリーなどをかためる性質だけではなく、保水性や起泡性、コク出しなど、さまざまな機能を持っており、ゼリーやプリン、ムースなどのお菓子のほか、肉料理や汁物、ごはんにも活用できます。今回は、ゼラチンの種類と使い方、そして簡単にできるゼリーのレシピをご紹介します。
ゼラチンは、牛や豚の骨や皮を原料とした「コラーゲン」と呼ばれるたんぱく質が主成分で、「粒状」、「粉状」、「板状」に分けられます。
■板ゼラチン板状にかためて乾燥させたゼラチンです。氷水(または冷水)につけて戻し、よく水気をしぼってから温めた材料に加えます。(水がぬるいとゼラチンが戻る前に水に溶け出すおそれがあるので注意してください)
■粉ゼラチン乾燥させたゼラチンを粉砕したものです。5~6倍の水にふり入れ、15~30分程度ふやかしてから使います。ふやかしたゼラチンは、温めた液体に加えたり、湯せんや電子レンジで溶かしてから材料に加えて使います。
■顆粒ゼラチン水でふやかす必要がなく、そのまま溶かして使えるゼラチンです。80℃くらいに温めた材料に直接ふり入れ、よく混ぜれば、ムラなく溶かすことができます。スーパーなどで売られているのは、この顆粒タイプが多いです。
ゼラチンを使ってゼリーを作ったのに、冷蔵庫で冷やしても全然かたまらない…。そんな経験はありませんか?これには、いくつかの原因が挙げられます。
①ゼラチンの量が少なすぎたゼラチンの使用量はほかの材料の水分量に対して2~3%が目安です。ふるふるのゼリーが食べたいからと極端にゼラチンを減らし過ぎるといくら冷やしてもかたまりません。板ゼラチンを使う場合、先ほど紹介した通り、冷たい水で戻さないとゼラチンが溶けてしまい、必要量に足りなくなってしまっている可能性も考えられます。
②溶かす温度が高すぎたゼラチンは、50~60℃で溶解し、80℃以上で加熱すると凝固が弱まり、臭みも出てきます。液体にゼラチンを加えるときは、沸騰させないよう注意しましょう。鍋で液体を温めるときは、鍋のまわりが沸々してきたら火を止め、ゼラチンを加えると失敗しにくいです。
③パインやキウイなどをそのまま使用したパインやキウイ、メロンなどのたんぱく質分解酵素を含む果物は、その酵素の働きによってゼラチンがかたまりにくくなるので、注意が必要です。これらを使うときは、加熱するか、缶詰を使用してください。
④そもそも冷やし時間が足りていないゼラチンがかたまる温度は、15~20℃です。寒天やアガーは常温でもかたまりますが、ゼラチンは冷蔵庫に入れて冷やさないとかたまりません。ゼラチンの濃度やどの程度粗熱が取れているかにもよりますが、しっかりかためるには冷蔵庫に3~4時間入れておく必要があります。
ヨーグルトでさっぱりと食べられる、夏にぴったりのひんやりスイーツです。冷凍マンゴーを使った甘酸っぱいソースをかけていただきます。
<材料(4人分)> 調理時間:30分(冷やしかためる時間は除く)
プレーンヨーグルト・・300g牛乳・・150gグラニュー糖・・50g顆粒ゼラチン・・5g
冷凍マンゴー・・200gグラニュー糖・・大さじ2レモン汁・・小さじ2
ミント・・お好みで
<作り方>
1.鍋に牛乳・グラニュー糖を入れて火にかける。砂糖が溶け、軽くひと煮立ちしたら火を止め、顆粒ゼラチンをふり入れ、よく溶かす。※溶けにくい場合には、弱火にかけてよく溶かしてください。
2.ボウルにヨーグルトを入れ、泡立て器でなめらかになるまで混ぜる。粗熱をとった(1)を加え、混ぜ合わせる。
3.グラスなどに流し入れ、冷蔵庫で冷やしかためる。
4.耐熱容器に冷凍マンゴーを入れ、グラニュー糖をまぶしてしばらくおく。砂糖が溶けたらラップをかけずに600Wの電子レンジで2分加熱し、フォークでお好みの大きさにつぶす。さらに2分加熱し、レモン汁を加え、氷水にあてて冷やす。
5.(3)の上にマンゴーソースをかけ、お好みでミントを添える。
顆粒ゼラチン1袋(5g)を使い切るレシピにしたので、しっかりとした食感のゼリーです。やわらかい食感にしたいときは、ゼラチンを4gに減らしてください。
ゼラチンは一度に使う量が少なく、なかなか使い切らないこともありますよね。そんなときは、スープにプラスするのがおすすめ!1人分に小さじ1杯程度を目安に顆粒ゼラチンを加えてください。コクとうま味がアップし、よりおいしく仕上がりますよ。
7月14日は、「ゼラチンの日」と「ゼリーの日」です。ぜひこの機会に、料理にゼラチンを活用してみてはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター
ゼラチン(Gelatin)は、ラテン語の「かたい、凍った」を意味するGelatus(ゲラトゥス)に由来しています。
ゼリーなどをかためる性質だけではなく、保水性や起泡性、コク出しなど、さまざまな機能を持っており、ゼリーやプリン、ムースなどのお菓子のほか、肉料理や汁物、ごはんにも活用できます。
今回は、ゼラチンの種類と使い方、そして簡単にできるゼリーのレシピをご紹介します。
【ゼラチンの種類と使い方】
ゼラチンは、牛や豚の骨や皮を原料とした「コラーゲン」と呼ばれるたんぱく質が主成分で、「粒状」、「粉状」、「板状」に分けられます。
■板ゼラチン
板状にかためて乾燥させたゼラチンです。
氷水(または冷水)につけて戻し、よく水気をしぼってから温めた材料に加えます。
(水がぬるいとゼラチンが戻る前に水に溶け出すおそれがあるので注意してください)
■粉ゼラチン
乾燥させたゼラチンを粉砕したものです。
5~6倍の水にふり入れ、15~30分程度ふやかしてから使います。
ふやかしたゼラチンは、温めた液体に加えたり、湯せんや電子レンジで溶かしてから材料に加えて使います。
■顆粒ゼラチン
水でふやかす必要がなく、そのまま溶かして使えるゼラチンです。
80℃くらいに温めた材料に直接ふり入れ、よく混ぜれば、ムラなく溶かすことができます。
スーパーなどで売られているのは、この顆粒タイプが多いです。
【ゼラチンがかたまらない‥。その原因は?】
ゼラチンを使ってゼリーを作ったのに、冷蔵庫で冷やしても全然かたまらない…。そんな経験はありませんか?
これには、いくつかの原因が挙げられます。
①ゼラチンの量が少なすぎた
ゼラチンの使用量はほかの材料の水分量に対して2~3%が目安です。
ふるふるのゼリーが食べたいからと極端にゼラチンを減らし過ぎるといくら冷やしてもかたまりません。
板ゼラチンを使う場合、先ほど紹介した通り、冷たい水で戻さないとゼラチンが溶けてしまい、必要量に足りなくなってしまっている可能性も考えられます。
②溶かす温度が高すぎた
ゼラチンは、50~60℃で溶解し、80℃以上で加熱すると凝固が弱まり、臭みも出てきます。
液体にゼラチンを加えるときは、沸騰させないよう注意しましょう。
鍋で液体を温めるときは、鍋のまわりが沸々してきたら火を止め、ゼラチンを加えると失敗しにくいです。
③パインやキウイなどをそのまま使用した
パインやキウイ、メロンなどのたんぱく質分解酵素を含む果物は、その酵素の働きによってゼラチンがかたまりにくくなるので、注意が必要です。
これらを使うときは、加熱するか、缶詰を使用してください。
④そもそも冷やし時間が足りていない
ゼラチンがかたまる温度は、15~20℃です。
寒天やアガーは常温でもかたまりますが、ゼラチンは冷蔵庫に入れて冷やさないとかたまりません。
ゼラチンの濃度やどの程度粗熱が取れているかにもよりますが、しっかりかためるには冷蔵庫に3~4時間入れておく必要があります。
【ヨーグルトのゼリー】
ヨーグルトでさっぱりと食べられる、夏にぴったりのひんやりスイーツです。
冷凍マンゴーを使った甘酸っぱいソースをかけていただきます。
<材料(4人分)> 調理時間:30分(冷やしかためる時間は除く)
プレーンヨーグルト・・300g
牛乳・・150g
グラニュー糖・・50g
顆粒ゼラチン・・5g
冷凍マンゴー・・200g
グラニュー糖・・大さじ2
レモン汁・・小さじ2
ミント・・お好みで
<作り方>
1.鍋に牛乳・グラニュー糖を入れて火にかける。
砂糖が溶け、軽くひと煮立ちしたら火を止め、顆粒ゼラチンをふり入れ、よく溶かす。
※溶けにくい場合には、弱火にかけてよく溶かしてください。
2.ボウルにヨーグルトを入れ、泡立て器でなめらかになるまで混ぜる。
粗熱をとった(1)を加え、混ぜ合わせる。
3.グラスなどに流し入れ、冷蔵庫で冷やしかためる。
4.耐熱容器に冷凍マンゴーを入れ、グラニュー糖をまぶしてしばらくおく。
砂糖が溶けたらラップをかけずに600Wの電子レンジで2分加熱し、フォークでお好みの大きさにつぶす。さらに2分加熱し、レモン汁を加え、氷水にあてて冷やす。
5.(3)の上にマンゴーソースをかけ、お好みでミントを添える。
顆粒ゼラチン1袋(5g)を使い切るレシピにしたので、しっかりとした食感のゼリーです。
やわらかい食感にしたいときは、ゼラチンを4gに減らしてください。
ゼラチンは一度に使う量が少なく、なかなか使い切らないこともありますよね。
そんなときは、スープにプラスするのがおすすめ!
1人分に小さじ1杯程度を目安に顆粒ゼラチンを加えてください。
コクとうま味がアップし、よりおいしく仕上がりますよ。
7月14日は、「ゼラチンの日」と「ゼリーの日」です。
ぜひこの機会に、料理にゼラチンを活用してみてはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター