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たべて元気♪「食だより」

SDGs

野菜くずから堆肥をつくろう!

更新日:2024/11/01

日々の暮らしで料理をしていると、どうしても出てしまうのが生ごみ。
家庭で出る燃えるごみの4割ほどが生ごみによるものとも言われています。
資源の枯渇への危機感が大きく取り上げられるようになった昨今、家庭でも再利用できる方法を知っておくと、より実践的な環境への取り組みになりますよ!
今回は野菜くずを利用した堆肥作りをご紹介します。

【野菜くずを畑に撒く…?】

野菜の皮や種など、普段は捨ててしまっている部分は多くあります。
もちろん、食べられる部分であれば別途調理して食べることは可能です。
でも、すべての野菜を毎日無駄なく食べるのは難しいでしょう。
そんなときに、野菜くずを庭の土に混ぜ込むと、ごみを減らして栄養ある土にすることができます
野菜くずはそのまま土に混ぜ込むだけでも、土の中に住む微生物が分解を始めてくれます。
つまり、時間さえあれば何もせずに土の栄養になってくれるのです。
しかし、土に埋めただけでは分解が遅く、においが出やすいことや、虫がわく・ネズミなどの野生生物に掘り起こされる可能性もあるので、必ずしもメリットばかりではありません。

【コンポストを使って堆肥化する】

容器に生ごみと土・発酵促進剤などを入れて分解・発酵を行う方法で、密閉可能なタイプであれば発酵時のにおいも少なく、手軽に始められます。
発酵するためには一定の温度が必要なため、気温が低い冬場は堆肥化に時間がかかります。
雪のよく降る地域であれば、冬の間はお休みするのもよいでしょう。
コンポスト容器にさまざまな素材がありますが、使わない時期に縮小して置けるタイプのバッグ型か、丈夫なプラスチック製のものが取り扱いやすく、おすすめです。
コンポストの素材や作りによってはにおいなどが漏れ出す可能性もあるので、通販などで容器を購入する場合は入念に確認した方が安心です。
容器と野菜くず・土などの準備が完了したら、堆肥化を進めていきましょう。

1.容器の中に土を敷く

2.土と混ぜ合わせた野菜くず(水気はしっかり切っておくとよい)を入れる

3.さらに上から土をかける(発酵促進剤があればそれも入れる)

4.水をかけて湿らせたらしっかり密閉する

当日の準備はこれだけです。
以後は2~3日に一回かき混ぜ、表面が乾いていたら水分を足す作業を繰り返し、2カ月程度置けばもとの野菜くずは無くなっています。
そして、中身を取り出し、プランターや庭の花壇などで土と混ぜ込み、さらに1カ月程度熟成させれば、栄養豊富な堆肥が出来上がります。
コンポスト容器に余裕があれば発酵途中で追加の野菜くずと土を入れてもよいのですが、野菜くずの量が多くなるほど発酵に時間がかかります。
最初の一回目はあまり多くの野菜くずをつぎ足さない方が失敗しにくくなります。

【失敗しないためには】

野菜の堆肥化に失敗しやすい原因は、たんぱく質の多い肉・魚・乳製品などのごみと一緒に入れることです。
たんぱく質の多い生ごみは発酵しやすいのですが、密閉タイプの容器であっても腐敗する可能性が高く、悪臭の原因になったり、虫がわきやすくなります。
また、調味料などが混ざっていたり味のついた料理を堆肥化するのはNGです。
味つけされているものは塩分を含むので、土に混ぜ込むと塩害の原因になります。
栄養豊富でエコな土で庭造りを…と思ったのに、植物を枯らせる不毛の地(!)になってしまうかも?
そのほか、家庭で堆肥化をするときは、あくまで野菜や果物の皮だけを使うことを前提とするのがよいでしょう。
なお、密閉コンポストを使用していても、発酵がうまくいかない場合などはにおいが出る場合があります。
集合住宅などではトラブルの原因にもなるので、今回の内容は個人宅を前提とした内容としてご留意くださいませ。

生ごみの処理は憂鬱なものですが、野菜くずだけでも堆肥化するとごみの量が減るのが実感できます。
注意するポイントはいくつかありますが、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう☆

Text by はむこ/食育インストラクター