更新日:2022/10/28
栄養素についてゆる~くお伝えするシリーズ、今回のテーマは亜鉛。味覚に関係があるのは有名ですが、それ以外にも重要な役割があるのです。
亜鉛がどうして重要なのかというと、新しい細胞をつくる新陳代謝に必要だからです。髪や肌・筋肉や爪などの健康を保つ大切な存在なのですね。亜鉛が味覚と関係があると言われるのも、そのためです。味覚を感じる味蕾細胞は新陳代謝のサイクルがとても早く、亜鉛が不足していると、うまく新しい細胞がつくられないので、味覚が鈍ってしまいます。ほかにも、亜鉛は体内のさまざまなホルモンの合成を手助けしています。発育や疲労回復などにも影響するので、なくてはならない存在といえるでしょう。しかも、亜鉛は体内では合成できず、食事からでないと補給できません。体内で亜鉛が必要になる場面はたくさんあるので、不足の無いようにしてください。
これほど大切な役割のある亜鉛ですが、不足しやすい要素が多いのが困ったところです。日本人の亜鉛の摂取に関する推奨量は、成人男性で1日11㎎、女性で8㎎(※厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020より)とされていますが、平均摂取量は下回っています。基本的に不足しがちなミネラルのひとつです。加えて、亜鉛は吸収されにくいうえ、食物繊維(フィチン酸)や加工食品に多いポリリン酸と一緒に摂ると吸収が阻害されやすい面もあります。例えば、ダイエットを目的にした過度な食事制限をかけ、主食や主菜を抜いて食物繊維の多いものばかりを食べていると不足に陥りやすいです。反対に、ジャンクフードなどを頻繁に食べている状態でも不足が懸念されます。また、亜鉛はミネラルの仲間なので、発汗のときに失われているのも注意したいポイントです。スポーツをしたあとはもちろん、無意識に汗をかいていることの多い真夏は、とくに摂取を心がけたいですね。そのほか、アルコールの分解をするときにも亜鉛が使われるので、飲酒の習慣がある方も注意が必要です。
さっそく今日から亜鉛を摂ろう!と思っても、カルシウム=乳製品!のようにぱっとイメージできる食品が出てこないかもしれません。亜鉛を特に多く含む食品は、牡蠣やレバー・牛肉などですが、入手が難しかったり、コストがかかるので、毎日食べるにはハードルが高いですよね。亜鉛はさまざまな食品に含まれているので、これ!と決まった一つの食品を食べ続けるよりも、いろいろな食品から少しずつ摂ることを心がけると、全体的な栄養バランスも整えられるのでおすすめです。
例えば、牛肉ほどではなくても、豚肉や鶏肉は比較的多く亜鉛を含んでいます。そのほか、調理しやすい食品のなかでは卵やプロセスチーズにも多く、とくに卵は亜鉛以外の栄養素もバランスよく含むのが魅力的です。植物性の食品ではナッツ類や豆腐・納豆などの大豆製品に多いので、これらの食品も上手に組み合わせてみてください。ちなみに、日本人の主食・白米にも亜鉛は含まれています。茶碗一杯(150g)あたりの白飯で0.9mgなので、三食すべてご飯にした場合、女性の摂取推奨量の3割近くを主食だけで摂れる計算になります。なお、白米よりも胚芽米や玄米の方が亜鉛の含有量が多いので、気になる方はこれらをとり入れてみるのもよいですね。
今回は亜鉛の主な役割と、不足しやすい点について重点的にお話ししました。体のあちこちで使われているだけに、亜鉛が不足すると体全体で不調を起こしかねません。毎日の食事で、きちんと摂取したいですね!
Text byはむこ/食育インストラクター
栄養素についてゆる~くお伝えするシリーズ、今回のテーマは亜鉛。
味覚に関係があるのは有名ですが、それ以外にも重要な役割があるのです。
【体中で大活躍!】
亜鉛がどうして重要なのかというと、新しい細胞をつくる新陳代謝に必要だからです。
髪や肌・筋肉や爪などの健康を保つ大切な存在なのですね。
亜鉛が味覚と関係があると言われるのも、そのためです。
味覚を感じる味蕾細胞は新陳代謝のサイクルがとても早く、亜鉛が不足していると、うまく新しい細胞がつくられないので、味覚が鈍ってしまいます。
ほかにも、亜鉛は体内のさまざまなホルモンの合成を手助けしています。
発育や疲労回復などにも影響するので、なくてはならない存在といえるでしょう。
しかも、亜鉛は体内では合成できず、食事からでないと補給できません。
体内で亜鉛が必要になる場面はたくさんあるので、不足の無いようにしてください。
【大事なのに不足しやすい】
これほど大切な役割のある亜鉛ですが、不足しやすい要素が多いのが困ったところです。
日本人の亜鉛の摂取に関する推奨量は、成人男性で1日11㎎、女性で8㎎(※厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020より)とされていますが、平均摂取量は下回っています。
基本的に不足しがちなミネラルのひとつです。
加えて、亜鉛は吸収されにくいうえ、食物繊維(フィチン酸)や加工食品に多いポリリン酸と一緒に摂ると吸収が阻害されやすい面もあります。
例えば、ダイエットを目的にした過度な食事制限をかけ、主食や主菜を抜いて食物繊維の多いものばかりを食べていると不足に陥りやすいです。
反対に、ジャンクフードなどを頻繁に食べている状態でも不足が懸念されます。
また、亜鉛はミネラルの仲間なので、発汗のときに失われているのも注意したいポイントです。
スポーツをしたあとはもちろん、無意識に汗をかいていることの多い真夏は、とくに摂取を心がけたいですね。
そのほか、アルコールの分解をするときにも亜鉛が使われるので、飲酒の習慣がある方も注意が必要です。
【亜鉛補給、何を食べるべき?】
さっそく今日から亜鉛を摂ろう!と思っても、カルシウム=乳製品!のようにぱっとイメージできる食品が出てこないかもしれません。
亜鉛を特に多く含む食品は、牡蠣やレバー・牛肉などですが、入手が難しかったり、コストがかかるので、毎日食べるにはハードルが高いですよね。
亜鉛はさまざまな食品に含まれているので、これ!と決まった一つの食品を食べ続けるよりも、いろいろな食品から少しずつ摂ることを心がけると、全体的な栄養バランスも整えられるのでおすすめです。
例えば、牛肉ほどではなくても、豚肉や鶏肉は比較的多く亜鉛を含んでいます。
そのほか、調理しやすい食品のなかでは卵やプロセスチーズにも多く、とくに卵は亜鉛以外の栄養素もバランスよく含むのが魅力的です。
植物性の食品ではナッツ類や豆腐・納豆などの大豆製品に多いので、これらの食品も上手に組み合わせてみてください。
ちなみに、日本人の主食・白米にも亜鉛は含まれています。
茶碗一杯(150g)あたりの白飯で0.9mgなので、三食すべてご飯にした場合、女性の摂取推奨量の3割近くを主食だけで摂れる計算になります。
なお、白米よりも胚芽米や玄米の方が亜鉛の含有量が多いので、気になる方はこれらをとり入れてみるのもよいですね。
今回は亜鉛の主な役割と、不足しやすい点について重点的にお話ししました。
体のあちこちで使われているだけに、亜鉛が不足すると体全体で不調を起こしかねません。
毎日の食事で、きちんと摂取したいですね!
Text byはむこ/食育インストラクター