更新日:2024/10/07
秋といえば読書や紅葉などがありますが、やっぱり食欲の秋ですよね。10月はスーパーなどできのこがたくさん並ぶ月。今回はそんなきのこについてのお話です。
10月はきのこが最も多く取り扱われる月であり、マツタケなどの天然のきのこも多く採れる月でもあります。また、15日は一般的に月の中日で慌ただしくなく、消費者に対してきのこのよさをアピールするのに適しているため、1995年に10月15日を「きのこ日」と制定しました。
気軽に手に入り、比較的安価で販売されているきのこ。野菜と一緒に売られているので植物なのでは?と思ったことはありませんか?でも実は、きのこは植物ではありません。きのこは「菌類」というグループに属する生物です。菌類の体は、葉・茎・根といった種子植物のような器官はなく、胞子から成長した「菌糸」という糸からできています。ほとんどの菌類は糸のような形をしたまま一生を過ごします。しかし、菌類といってもたくさんの種類があり、そのなかでもある特定の器官が目で見えるほど大きくなる種類を特別に「きのこ」に分類しています。
1983年、青森県で発見された約4000年前の縄文時代後期の遺跡から、きのこの形の土器がたくさん発見されました。これにより古くからきのこは日本人にとって身近な食物だったと考えられます。平安時代になると、書物の中にきのこが登場します。平安時代の辞書である、「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」にはきのこの記載があります。また、万葉集にもマツタケの香りのよさを詠ったものが収録されています。
国内には4000~5000種類のきのこが存在しているといわれています。食用はそのうち約100種類です。また、一般的に手に入りやすいものは、そのうちの約20種類です。きのこ狩りは秋の楽しみのひとつですが、野生のきのこは自己判断をすると危険なので、食用か分からない場合は専門家や専門機関などの判断を仰ぎましょう。
きのこは低カロリーで栄養価が高い食材として知られており、しっかりとりたい食材のひとつです。どんな栄養素と効果があるのでしょうか?今回は、スーパーなどで手に入りやすい3種類をご紹介します。
●しいたけしいたけには、がん抑制効果があるβ-グルカンや、コレステロール値を下げるエリタデニンなどが豊富に含まれています。また、ビタミンDが含まれるほか、日光があたることでビタミンDに変化するエルゴステロールも含まれます。ビタミンDはカルシウムの吸収をアップし、骨粗しょう症の緩和と予防効果があります。
●えのきたけえのきたけは、ビタミンB1の含有量がきのこ類のなかでもトップクラスです。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるときに使われたり、脳の中枢神経や手足の末梢神経を正常に保つ働きがあります。ほかにもリラックス効果のある「ギャバ」という成分が豊富に含まれています。精神の興奮を鎮め、肝臓や腎臓の働きを活発にする効果が期待できます。
●しめじしめじとして出回っている多くは、「ぶなしめじ」や「ひらたけ」で、ほんじめじとは別物です。ぶなしめじは、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、疲労回復効果のあるビタミンB1などが含まれています。また、口内炎や二日酔いを防ぐナイアシンも豊富に含まれています。
きのこ類に含まれる栄養価やうま味成分は天日干しすることで、ぐんとアップします。食べる前に2~3時間干すだけでも効果があるので、ぜひお試しあれ♪一方で、水洗いすると栄養価もうま味も一緒に流れてしまうので、水洗いせず濡らしたキッチンペーパーなどで汚れを拭きとってから使いましょう。
いかがでしたか?きのこについて知っていただけたかと思います。皆さんもきのこを食べて秋を感じてみてはいかがでしょうか?
Text by あお/食育インストラクター
秋といえば読書や紅葉などがありますが、やっぱり食欲の秋ですよね。
10月はスーパーなどできのこがたくさん並ぶ月。
今回はそんなきのこについてのお話です。
【きのこの日とは?】
10月はきのこが最も多く取り扱われる月であり、マツタケなどの天然のきのこも多く採れる月でもあります。
また、15日は一般的に月の中日で慌ただしくなく、消費者に対してきのこのよさをアピールするのに適しているため、1995年に10月15日を「きのこ日」と制定しました。
【きのこってなに?】
気軽に手に入り、比較的安価で販売されているきのこ。
野菜と一緒に売られているので植物なのでは?と思ったことはありませんか?
でも実は、きのこは植物ではありません。
きのこは「菌類」というグループに属する生物です。
菌類の体は、葉・茎・根といった種子植物のような器官はなく、胞子から成長した「菌糸」という糸からできています。
ほとんどの菌類は糸のような形をしたまま一生を過ごします。
しかし、菌類といってもたくさんの種類があり、そのなかでもある特定の器官が目で見えるほど大きくなる種類を特別に「きのこ」に分類しています。
【縄文時代から愛されてきた】
1983年、青森県で発見された約4000年前の縄文時代後期の遺跡から、きのこの形の土器がたくさん発見されました。
これにより古くからきのこは日本人にとって身近な食物だったと考えられます。
平安時代になると、書物の中にきのこが登場します。
平安時代の辞書である、「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」にはきのこの記載があります。
また、万葉集にもマツタケの香りのよさを詠ったものが収録されています。
【きのこは5000種類!?】
国内には4000~5000種類のきのこが存在しているといわれています。
食用はそのうち約100種類です。また、一般的に手に入りやすいものは、そのうちの約20種類です。
きのこ狩りは秋の楽しみのひとつですが、野生のきのこは自己判断をすると危険なので、食用か分からない場合は専門家や専門機関などの判断を仰ぎましょう。
【きのこの健康効果とは?】
きのこは低カロリーで栄養価が高い食材として知られており、しっかりとりたい食材のひとつです。
どんな栄養素と効果があるのでしょうか?
今回は、スーパーなどで手に入りやすい3種類をご紹介します。
●しいたけ
しいたけには、がん抑制効果があるβ-グルカンや、コレステロール値を下げるエリタデニンなどが豊富に含まれています。
また、ビタミンDが含まれるほか、日光があたることでビタミンDに変化するエルゴステロールも含まれます。
ビタミンDはカルシウムの吸収をアップし、骨粗しょう症の緩和と予防効果があります。
●えのきたけ
えのきたけは、ビタミンB1の含有量がきのこ類のなかでもトップクラスです。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるときに使われたり、脳の中枢神経や手足の末梢神経を正常に保つ働きがあります。
ほかにもリラックス効果のある「ギャバ」という成分が豊富に含まれています。
精神の興奮を鎮め、肝臓や腎臓の働きを活発にする効果が期待できます。
●しめじ
しめじとして出回っている多くは、「ぶなしめじ」や「ひらたけ」で、ほんじめじとは別物です。
ぶなしめじは、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、疲労回復効果のあるビタミンB1などが含まれています。
また、口内炎や二日酔いを防ぐナイアシンも豊富に含まれています。
【天日干しで有効成分アップ】
きのこ類に含まれる栄養価やうま味成分は天日干しすることで、ぐんとアップします。
食べる前に2~3時間干すだけでも効果があるので、ぜひお試しあれ♪
一方で、水洗いすると栄養価もうま味も一緒に流れてしまうので、水洗いせず濡らしたキッチンペーパーなどで汚れを拭きとってから使いましょう。
いかがでしたか?
きのこについて知っていただけたかと思います。
皆さんもきのこを食べて秋を感じてみてはいかがでしょうか?
Text by あお/食育インストラクター