更新日:2025/11/04
こうばしい風味が特徴的で、世界中で食べられている種子類のひとつ、ごま。日本でもよく食べられているので、私たちにとって最も身近な種子類のひとつです。そんなごまの日が、11月5日。今回はごまについてのお話です。
風味づけや和え物・焼きもの・炒め物、お菓子にも使われるごまは、どんな競技でも活躍する万能選手といった存在です。世界中で食べられているごまですが、ごまの日は日本だけの記念日です。2017年に全国胡麻加工組合が制定し、「いい(11)ごま(5)」から11月5日に決まったのだそうです。記念日としては新しく、ご存じない方もいるかもしれないごまの日。ぜひこの機会に、ごまを使った料理やお菓子を召し上がってみてはいかがでしょう。
ごまに含まれる栄養成分のなかで最も多いのが、脂質。次いで多い栄養素が、たんぱく質です。ごまは種なので、発芽のために必要なエネルギー源となる栄養素が多いのは頷けます。ごまの脂質は不飽和脂肪酸のリノール酸やオレイン酸が多く、動脈硬化や生活習慣病の予防に役立ちます。そのほかのビタミンやミネラルでは、代謝に必要なビタミンB群・骨や歯のもとになるカルシウムやマグネシウムなどの栄養素が含まれています。また、抗酸化作用のあるリグナンなども含み、さまざまな栄養素を持つ食品です。なお、白ごまと黒ごまの栄養素はそれほど変わりがありません。黒ごまの皮にはポリフェノールのアントシアニンが含まれているので、わずかながら黒ごまの方が栄養面で優れているといえますが、アントシアニンはベリー系の果物や紫キャベツなど、ほかにも多く含んでいる食品が多数あるので、無理に黒ごまから摂らなければならないものではありません。このように、さまざまな栄養素を含むごまですが、栄養素を摂るために注意するべきポイントがあります。それは、ごまはかたい繊維を持つ皮があるので、消化がよくないということです。つまり、ごまの粒をそのまま食べても、栄養素がうまく吸収されにくいのです。ごまの栄養素をしっかり無駄なく摂るためには、ごまをひねる・する・練るなどしたものを使用しましょう。粒の形を残したまま使用したい場合は、軽く手でひねってから使うだけでも吸収率がアップします。なお、脂質が多いごまは酸化しやすく、品質や風味の劣化が早くなることは覚えておくべきポイントです。すりごまや練りごまとして販売されている商品を使う場合、開封後は早めに使い切ることが大切です。
料理にお菓子に大活躍のごま。しかし、日本のごまの自給率は1%に満たない状況です。大きな理由として、ごまは収穫までの手間がかかることや、多湿な日本の気候に適した品種が無いことなどの要因があるようです。しかし、輸入品の価格は近年不安定な状態が続いています。主役になることは少ないものの、需要の高いごまの自給率を上げることは、日本の食糧生産の課題です。いち消費者の立場からできることは少ないですが、国産栽培のごまをみかけたら積極的に購入して、生産者を応援することが最も簡単にできる方法です。
ごまは私たちの郷土料理でもよく使われ、食品としてはもちろん、文化の面でも暮らしに欠かせない存在です。ごまの日には、ごまをめぐる情勢などにも目を向けてみてはいかがでしょう。
Text by はむこ/食育インストラクター
こうばしい風味が特徴的で、世界中で食べられている種子類のひとつ、ごま。
日本でもよく食べられているので、私たちにとって最も身近な種子類のひとつです。
そんなごまの日が、11月5日。
今回はごまについてのお話です。
【「いいごま」の日】
風味づけや和え物・焼きもの・炒め物、お菓子にも使われるごまは、どんな競技でも活躍する万能選手といった存在です。
世界中で食べられているごまですが、ごまの日は日本だけの記念日です。
2017年に全国胡麻加工組合が制定し、「いい(11)ごま(5)」から11月5日に決まったのだそうです。
記念日としては新しく、ご存じない方もいるかもしれないごまの日。
ぜひこの機会に、ごまを使った料理やお菓子を召し上がってみてはいかがでしょう。
【栄養たっぷり!だけど皮には注意?】
ごまに含まれる栄養成分のなかで最も多いのが、脂質。
次いで多い栄養素が、たんぱく質です。
ごまは種なので、発芽のために必要なエネルギー源となる栄養素が多いのは頷けます。
ごまの脂質は不飽和脂肪酸のリノール酸やオレイン酸が多く、動脈硬化や生活習慣病の予防に役立ちます。
そのほかのビタミンやミネラルでは、代謝に必要なビタミンB群・骨や歯のもとになるカルシウムやマグネシウムなどの栄養素が含まれています。
また、抗酸化作用のあるリグナンなども含み、さまざまな栄養素を持つ食品です。
なお、白ごまと黒ごまの栄養素はそれほど変わりがありません。
黒ごまの皮にはポリフェノールのアントシアニンが含まれているので、わずかながら黒ごまの方が栄養面で優れているといえますが、アントシアニンはベリー系の果物や紫キャベツなど、ほかにも多く含んでいる食品が多数あるので、無理に黒ごまから摂らなければならないものではありません。
このように、さまざまな栄養素を含むごまですが、栄養素を摂るために注意するべきポイントがあります。
それは、ごまはかたい繊維を持つ皮があるので、消化がよくないということです。
つまり、ごまの粒をそのまま食べても、栄養素がうまく吸収されにくいのです。
ごまの栄養素をしっかり無駄なく摂るためには、ごまをひねる・する・練るなどしたものを使用しましょう。
粒の形を残したまま使用したい場合は、軽く手でひねってから使うだけでも吸収率がアップします。
なお、脂質が多いごまは酸化しやすく、品質や風味の劣化が早くなることは覚えておくべきポイントです。
すりごまや練りごまとして販売されている商品を使う場合、開封後は早めに使い切ることが大切です。
【国産ごまを食べよう】
料理にお菓子に大活躍のごま。
しかし、日本のごまの自給率は1%に満たない状況です。
大きな理由として、ごまは収穫までの手間がかかることや、多湿な日本の気候に適した品種が無いことなどの要因があるようです。
しかし、輸入品の価格は近年不安定な状態が続いています。
主役になることは少ないものの、需要の高いごまの自給率を上げることは、日本の食糧生産の課題です。
いち消費者の立場からできることは少ないですが、国産栽培のごまをみかけたら積極的に購入して、生産者を応援することが最も簡単にできる方法です。
ごまは私たちの郷土料理でもよく使われ、食品としてはもちろん、文化の面でも暮らしに欠かせない存在です。
ごまの日には、ごまをめぐる情勢などにも目を向けてみてはいかがでしょう。
Text by はむこ/食育インストラクター