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たべて元気♪「食だより」

健康づくり

食べた栄養素は体の中でどうなるの?葉酸編

更新日:2023/05/24

栄養素の基本についてゆる~くお伝えするシリーズ、今回のテーマは葉酸。
妊活中や妊娠中に欠かせないことで知られていますが、それ以外の私たちの健康にも重要な働きをする栄養素です。

【「葉っぱの酸」にはどんな働きがある?】

栄養素の中でも少し変わったネーミングの葉酸。
これはほうれん草の抽出物から発見されたことから、この名前がつきました。
葉酸はビタミンB群の仲間で、ビタミンB12とともに赤血球をつくるので「造血のビタミン」と言われます。
さらに、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の合成を促進させるので、細胞の産生や再生、代謝するための酵素を助けたりします
葉酸でよく言われるのは造血のビタミンの効果による貧血の予防・改善です。
しかし、細胞の産生や代謝をサポートする面から考えると、美肌はもちろん美髪や疲労回復などにも重要な役割を果たします。
また、動脈硬化の予防・心疾患のリスク低下につながるのではと研究が進められています。

【妊娠期に必要な理由とは?】

葉酸について、最もよく知られているのが、「妊娠初期の葉酸の必要性」ではないでしょうか。
厚生労働省では「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」をだしています。
では、なぜ妊娠前から始めなくてはならないのでしょうか?
それは、お母さんのお腹で赤ちゃんの芽ができたときから、赤ちゃんの体になるために細胞分裂が始まります。
葉酸にはその細胞分裂を促進して、染色体異常を防止してくれる働きがあるのです。
そして、神経管閉鎖障害などのリスクを抑えることができるように、妊娠する1カ月くらい前から、充分な葉酸を摂っておくことが推奨されているので、妊活中の方に対しての普及を目指しています。
しかも、妊娠中の葉酸を摂る量は通常の2倍です。
これは胎児のときから、普通の大人と同じだけの量の葉酸が必要だといえます。
葉酸はそれだけ、細胞の形成に重要なのですね。
妊娠中の貧血予防にもつながるので、過不足なく摂るようにしましょう。
とはいえ、妊娠中は体の変化が激しいときです。
普段通りの食事ができないことも珍しくありません。
医師・管理栄養士とよく相談しながら、無理のない食事をとってください。

【葉酸を食べよう】

葉酸は葉っぱの酸と書くので、葉物野菜を食べていればいいの?というと、それだけではありません。
意外にも、鶏・豚・牛のレバーや、ウナギの肝に多く含まれます。
お好きな方は食べ過ぎに注意しつつ召し上がってください。
もちろん、野菜類、特にほうれん草や枝豆・モロヘイヤなど、濃い緑色をした緑黄色野菜には比較的多く含まれます。
そのほか、焼きのりなどにも多いので、朝の忙しいときなどにはうまく取り入れてみてください。
でも、葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群のひとつ。
加熱に弱く、水に溶ける性質があります。
生食ができればいちばんですが、短時間加熱で水を使わない調理でも、かなり残すことができます。
たとえば、レンジ調理やさっと炒めるなどがおすすめです。
また、水溶性なのでスープなどの汁ごといただくものなら、無駄なく食べられます。
フルーツではいちごやアボカド・マンゴーなどに多いので、こちらでも補給できます。

葉酸は私たちにとって、とても身近で重要な栄養素であることを知っていただけると嬉しいです☆

Text byはむこ/食育インストラクター