更新日:2023/09/06
黒酢を使った飲用向けの食酢などの魅力を多くの人に知ってもらうことを目的に、「9(く)・6(ろ)」の語呂合わせから、9月6日を黒酢の日と制定しました。
今回は黒酢をはじめとする酢の種類や効能、そして黒酢で作る簡単ドリンクをご紹介します。
酢は穀類や果実、野菜を原料とし、これをアルコール(酒)発酵させたのち、酢酸菌で発酵させた調味料です。その数はとても多く、世界に4000種類もの酢があると言われています。今回はその中でも日本でよく使われているものをいくつかご紹介します。
①米酢主に米を原料としたもの。コクのあるまろやかな味が特徴で、すし飯や酢の物など和食によく合います。米だけを原料としたものは「純米酢」と呼ばれています。
②穀物酢米酢以外のものをさし、1種類または2種類以上の穀物を原料とした酢のこと。米、酒粕、麦、トウモロコシ、豆、サトウキビなどが原料で、すっきりとした酸味が特徴です。
③米黒酢主に玄米を原料としたもの。長時間発酵、熟成させることで、濃い黒褐色に仕上がります。奥行きのある風味が特徴で、料理のほか、薄めて飲料としても親しまれています。
④ワインビネガーフランスやイタリア、スペインなどワインの産地で作られるヨーロッパを代表する酢です。原材料はぶどう果汁で、ワインと同様に赤と白があります。赤はコクがあり、白はすっきりとした味が楽しめます。
⑤バルサミコ酢北イタリアのモデナ地方に伝わる伝統的な酢。主原料はぶどう果汁で、木の樽で長時間熟成させることによって深い味わいになります。バルサミコとは「芳香性の」という意味をもち、香り高くまろやかな味が特徴です。
⑥りんご酢りんごの果汁を発酵させたものを酢酸発酵、熟成させたもの。アメリカでは最も一般的な酢で、甘い香りと爽やかな味が特徴です。ドレッシングやマリネなどによく使われます。
●減塩効果健康のために料理の塩分を控えようとすると、味がぼんやりとし、なんだか物足りない味になってしまうことも。そんなとき、料理に少量の酢を加えると、塩の味が引き立ち、塩味を感じやすくなります。
●色づけ作用、色止め効果酢の主成分である酢酸は、食材の成分や色素と化学反応を起こし、色づけ、色止め効果を発揮します。ごぼうやれんこんは切ったあとに酢水につけることで、変色を防ぎ白さを保てます。また、しょうがやみょうがは、酢につけると鮮やかな紅色に変わります。
●肉や魚、骨をやわらかくする効果酢は長時間加熱すると食材のたんぱく質を分解し、やわらかくする効果があります。そのため、肉や魚を煮込む料理に酢を加えると、やわらかく仕上げることが出来ます。またカルシウムを溶かす性質もあるので、小魚の骨もやわらかくなり、骨までおいしくいただけます。
●抗菌、防腐効果酢に含まれる酢酸には、抗菌、防腐作用があり、食材の保存に役立ちます。この効果を利用したのが、「ピクルス」やしめさばのような「魚の酢じめ」などです。そのほか、ごはんを炊くときにほんの少し酢を加えると、ごはんが腐りにくくなります。
●食欲増進爽やかな酸味が嗅覚と味覚を刺激し、唾液や胃液の分泌を促して食欲増進の手伝いをしてくれます。また、唾液の分泌が増えることで、消化吸収もよくなります。
●便秘改善胃や腸を刺激し、ぜん動運動が活発になるほか、腸の中の善玉菌を増やし、悪玉菌を抑えます。このことにより腸内環境が整い、便秘が改善されます。
●生活習慣病予防酢には血糖値の上昇を緩やかにする効果や内臓脂肪の減少を助ける効果、そして高めの血圧を下げる効果が期待できます。
ただし、これらの効果を期待したいからといって一度にたくさん摂り過ぎるのはNG。胃痛などを引き起こすおそれがあるので、1日大さじ1~2杯を目安にしましょう。飲料にする場合は、必ずボトルに記載されたとおりに希釈し、空腹時を避けるようにしてください。
<材料(作りやすい分量)> 調理時間:20分
しょうが(皮つき)・・100gレモンの皮(無農薬のもの)・・1/2個分シナモンスティック(あれば)・・1/2本ザラメ・・100g水・・100ml黒酢・・50g
<作り方>
1.しょうがはよく洗い、皮つきのまま薄切りにする。
2.小鍋にザラメ・水を入れて火にかけ、沸いたら(1)・レモンの皮・シナモンスティックを入れて中火弱で2~3分煮る。
3.黒酢を加えてさらに2~3分煮、火を止める。
4.粗熱がとれたら清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫に入れて1日寝かせて完成です。
炭酸水150mlに対し、ジンジャーエールシロップを大さじ2~3で薄めてください。紅茶に入れてもおいしいですよ。
おいしいだけでなく、体にもよいお酢。今ではさまざまな種類が出回っており、料理によって使う酢を変えたり、普段の食事にほんの少し酢をプラスすることで、料理の幅が広がります。ぜひ、自分好みのお酢を見つけ、活用してはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター
黒酢を使った飲用向けの食酢などの魅力を多くの人に知ってもらうことを目的に、「9(く)・6(ろ)」の語呂合わせから、9月6日を黒酢の日と制定しました。
今回は黒酢をはじめとする酢の種類や効能、そして黒酢で作る簡単ドリンクをご紹介します。
【酢の種類】
酢は穀類や果実、野菜を原料とし、これをアルコール(酒)発酵させたのち、酢酸菌で発酵させた調味料です。
その数はとても多く、世界に4000種類もの酢があると言われています。
今回はその中でも日本でよく使われているものをいくつかご紹介します。
①米酢
主に米を原料としたもの。
コクのあるまろやかな味が特徴で、すし飯や酢の物など和食によく合います。
米だけを原料としたものは「純米酢」と呼ばれています。
②穀物酢
米酢以外のものをさし、1種類または2種類以上の穀物を原料とした酢のこと。
米、酒粕、麦、トウモロコシ、豆、サトウキビなどが原料で、すっきりとした酸味が特徴です。
③米黒酢
主に玄米を原料としたもの。
長時間発酵、熟成させることで、濃い黒褐色に仕上がります。
奥行きのある風味が特徴で、料理のほか、薄めて飲料としても親しまれています。
④ワインビネガー
フランスやイタリア、スペインなどワインの産地で作られるヨーロッパを代表する酢です。
原材料はぶどう果汁で、ワインと同様に赤と白があります。
赤はコクがあり、白はすっきりとした味が楽しめます。
⑤バルサミコ酢
北イタリアのモデナ地方に伝わる伝統的な酢。
主原料はぶどう果汁で、木の樽で長時間熟成させることによって深い味わいになります。
バルサミコとは「芳香性の」という意味をもち、香り高くまろやかな味が特徴です。
⑥りんご酢
りんごの果汁を発酵させたものを酢酸発酵、熟成させたもの。
アメリカでは最も一般的な酢で、甘い香りと爽やかな味が特徴です。
ドレッシングやマリネなどによく使われます。
【料理するときに覚えておきたい!「酢」の効果】
●減塩効果
健康のために料理の塩分を控えようとすると、味がぼんやりとし、なんだか物足りない味になってしまうことも。
そんなとき、料理に少量の酢を加えると、塩の味が引き立ち、塩味を感じやすくなります。
●色づけ作用、色止め効果
酢の主成分である酢酸は、食材の成分や色素と化学反応を起こし、色づけ、色止め効果を発揮します。
ごぼうやれんこんは切ったあとに酢水につけることで、変色を防ぎ白さを保てます。
また、しょうがやみょうがは、酢につけると鮮やかな紅色に変わります。
●肉や魚、骨をやわらかくする効果
酢は長時間加熱すると食材のたんぱく質を分解し、やわらかくする効果があります。
そのため、肉や魚を煮込む料理に酢を加えると、やわらかく仕上げることが出来ます。
またカルシウムを溶かす性質もあるので、小魚の骨もやわらかくなり、骨までおいしくいただけます。
●抗菌、防腐効果
酢に含まれる酢酸には、抗菌、防腐作用があり、食材の保存に役立ちます。
この効果を利用したのが、「ピクルス」やしめさばのような「魚の酢じめ」などです。
そのほか、ごはんを炊くときにほんの少し酢を加えると、ごはんが腐りにくくなります。
【体に嬉しい!「酢」の効果】
●食欲増進
爽やかな酸味が嗅覚と味覚を刺激し、唾液や胃液の分泌を促して食欲増進の手伝いをしてくれます。
また、唾液の分泌が増えることで、消化吸収もよくなります。
●便秘改善
胃や腸を刺激し、ぜん動運動が活発になるほか、腸の中の善玉菌を増やし、悪玉菌を抑えます。
このことにより腸内環境が整い、便秘が改善されます。
●生活習慣病予防
酢には血糖値の上昇を緩やかにする効果や内臓脂肪の減少を助ける効果、そして高めの血圧を下げる効果が期待できます。
ただし、これらの効果を期待したいからといって一度にたくさん摂り過ぎるのはNG。
胃痛などを引き起こすおそれがあるので、1日大さじ1~2杯を目安にしましょう。
飲料にする場合は、必ずボトルに記載されたとおりに希釈し、空腹時を避けるようにしてください。
【黒酢ジンジャーエールシロップ】
<材料(作りやすい分量)> 調理時間:20分
しょうが(皮つき)・・100g
レモンの皮(無農薬のもの)・・1/2個分
シナモンスティック(あれば)・・1/2本
ザラメ・・100g
水・・100ml
黒酢・・50g
<作り方>
1.しょうがはよく洗い、皮つきのまま薄切りにする。
2.小鍋にザラメ・水を入れて火にかけ、沸いたら(1)・レモンの皮・シナモンスティックを入れて中火弱で2~3分煮る。
3.黒酢を加えてさらに2~3分煮、火を止める。
4.粗熱がとれたら清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫に入れて1日寝かせて完成です。
炭酸水150mlに対し、ジンジャーエールシロップを大さじ2~3で薄めてください。
紅茶に入れてもおいしいですよ。
おいしいだけでなく、体にもよいお酢。
今ではさまざまな種類が出回っており、料理によって使う酢を変えたり、普段の食事にほんの少し酢をプラスすることで、料理の幅が広がります。
ぜひ、自分好みのお酢を見つけ、活用してはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター