更新日:2025/03/14
熱中症対策で水分補給を意識する方は多いと思いますが、夏に比べて汗をかきにくいこの時期でも体の中の水分は失われていきます。特に赤ちゃんの場合、喉の渇きを感じにくかったり、脱水状態でもうまく言葉で伝えることができないので大人が注意して見守ってあげましょう。そこで今回は、赤ちゃんの水分補給についてご紹介します。
大人の全身に占める水分の割合は60%に対し、赤ちゃんは70~80%で、体の水分を維持するために、多くの水分が必要になります。赤ちゃんは新陳代謝が激しいうえ、体温調整が未熟で汗腺の数は大人と同じなので、たくさん汗をかきます。また、成長するために体内のいらなくなった老廃物を外に出さなくてはならないので、たくさんおしっこをしたり、体内の環境を一定に保つ(恒常性の維持)のに必要な体液を調整する腎臓機能も未熟です。さらに、赤ちゃんは体重あたりの表面積が広い分、外気温の影響を受けやすくなります。大人にとっては少ない水分の喪失でも、赤ちゃんにとっては体格が小さいので大きな影響を受けます。そのため大人より脱水症状を起こしやすく、水分補給がとても大切なのです。離乳食が始まるころまでは、母乳やミルクがしっかり飲めていれば、基本的には水分補給も十分です。離乳食が始まって母乳やミルクの回数が減ってきたら、食事のときや外出時、入浴後に水分補給をしてあげるとよいでしょう。
以下の症状があるときは注意しましょう。
・排尿の量や回数が少ない・高熱が続く・ぐったりとしている・肌や唇がカサカサと乾燥している・泣いているのに涙が出ない・普段と比べて体重が減少気味
1日に必要な赤ちゃんの水分量は、体重1kgあたり150mlです。これは母乳やミルク、水やお茶などの飲み物、離乳食も含めた水分全体量なので、当然個人差があります。あくまでも目安ですので参考にしてみてください。大量に汗をかく夏場は失われた分、水分補給が必要です。赤ちゃんが欲しがるたびに母乳やミルクをあげるようにしましょう。
●水水道水には塩素や雑菌が混じる可能性があるので、1才を過ぎるまでは煮沸してから冷ます「湯冷まし」を与えるようにしましょう。ミネラルウォーターの場合は、軟水を選びましょう。ミネラルの多い硬水は、赤ちゃんの胃腸に負担をかけるので注意が必要です。
●麦茶ノンカフェインのため、赤ちゃんに与える飲み物としておすすめです。水出しではなく煮出して作るタイプを使い、薄めて与えましょう。市販の赤ちゃん用の麦茶も成分は同じですが、赤ちゃんが飲みやすいように薄めて作られており、大人用より苦味が少なくなっているのが特徴です。
●紅茶・ウーロン茶・ブレンド茶・ハーブティーカフェインが含まれ、神経を興奮させる作用があるため、赤ちゃんは避けた方がよいでしょう。また、渋み成分のタンニンも含むので離乳食のうちはあえて与える必要はありません。
●ほうじ茶・番茶カフェインは少なめですがゼロではありません。また番茶に渋み成分タンニンが含まれているので積極的に与える必要はありませんが、どうしても飲ませたい場合は市販の赤ちゃん用ほうじ茶を与えるとよいでしょう。
●ジュース類糖分が多いので、水分補給として与えるのはNGです。ベビー用が基本ですが、大人用を与える場合は1才を過ぎてからにしましょう。
そのほか、経口補水液は下痢や嘔吐、発熱時には有効ですが、イオン飲料は糖分を多く含んでいるので、積極的に与える必要はありません。近年、イオン飲料の多量摂取による乳幼児のビタミンB1欠乏が問題視されているので、摂りすぎには注意しましょう。
●こまめに少しずつ補給する水分補給の際は、一度にたくさん水やお茶を飲むと赤ちゃんの体に負担がかかるため、できるだけこまめに摂取させましょう。
●キンキンに冷えたものは避け、ほどよく冷えたもの冷たい飲み物はおいしいですが、冷えすぎたものは消化管への刺激が胃腸の働きを低下させ、食欲が落ちてしまう場合があるので注意しましょう。
●麦茶や水などエネルギー量が少ないもの糖分の多い飲み物はできるだけ避けましょう。日常的な水分補給は水や麦茶がベストです。
いかがでしたか?赤ちゃんは話すことができないので、水分が足りているかどうか心配になりがちですよね。赤ちゃんの機嫌や表情などこまめに観察しながら、体調管理をしっかりしてあげてください。
Text by くまこ/食育インストラクター
熱中症対策で水分補給を意識する方は多いと思いますが、夏に比べて汗をかきにくいこの時期でも体の中の水分は失われていきます。
特に赤ちゃんの場合、喉の渇きを感じにくかったり、脱水状態でもうまく言葉で伝えることができないので大人が注意して見守ってあげましょう。
そこで今回は、赤ちゃんの水分補給についてご紹介します。
【水分補給の必要性】
大人の全身に占める水分の割合は60%に対し、赤ちゃんは70~80%で、体の水分を維持するために、多くの水分が必要になります。
赤ちゃんは新陳代謝が激しいうえ、体温調整が未熟で汗腺の数は大人と同じなので、たくさん汗をかきます。
また、成長するために体内のいらなくなった老廃物を外に出さなくてはならないので、たくさんおしっこをしたり、体内の環境を一定に保つ(恒常性の維持)のに必要な体液を調整する腎臓機能も未熟です。
さらに、赤ちゃんは体重あたりの表面積が広い分、外気温の影響を受けやすくなります。
大人にとっては少ない水分の喪失でも、赤ちゃんにとっては体格が小さいので大きな影響を受けます。
そのため大人より脱水症状を起こしやすく、水分補給がとても大切なのです。
離乳食が始まるころまでは、母乳やミルクがしっかり飲めていれば、基本的には水分補給も十分です。
離乳食が始まって母乳やミルクの回数が減ってきたら、食事のときや外出時、入浴後に水分補給をしてあげるとよいでしょう。
【赤ちゃんの水分不足のサインは?】
以下の症状があるときは注意しましょう。
・排尿の量や回数が少ない
・高熱が続く
・ぐったりとしている
・肌や唇がカサカサと乾燥している
・泣いているのに涙が出ない
・普段と比べて体重が減少気味
【赤ちゃんに必要な水分量は?】
1日に必要な赤ちゃんの水分量は、体重1kgあたり150mlです。
これは母乳やミルク、水やお茶などの飲み物、離乳食も含めた水分全体量なので、当然個人差があります。
あくまでも目安ですので参考にしてみてください。
大量に汗をかく夏場は失われた分、水分補給が必要です。
赤ちゃんが欲しがるたびに母乳やミルクをあげるようにしましょう。
【どんなもの飲み物ならOK?】
●水
水道水には塩素や雑菌が混じる可能性があるので、1才を過ぎるまでは煮沸してから冷ます「湯冷まし」を与えるようにしましょう。
ミネラルウォーターの場合は、軟水を選びましょう。
ミネラルの多い硬水は、赤ちゃんの胃腸に負担をかけるので注意が必要です。
●麦茶
ノンカフェインのため、赤ちゃんに与える飲み物としておすすめです。
水出しではなく煮出して作るタイプを使い、薄めて与えましょう。
市販の赤ちゃん用の麦茶も成分は同じですが、赤ちゃんが飲みやすいように薄めて作られており、大人用より苦味が少なくなっているのが特徴です。
●紅茶・ウーロン茶・ブレンド茶・ハーブティー
カフェインが含まれ、神経を興奮させる作用があるため、赤ちゃんは避けた方がよいでしょう。
また、渋み成分のタンニンも含むので離乳食のうちはあえて与える必要はありません。
●ほうじ茶・番茶
カフェインは少なめですがゼロではありません。
また番茶に渋み成分タンニンが含まれているので積極的に与える必要はありませんが、どうしても飲ませたい場合は市販の赤ちゃん用ほうじ茶を与えるとよいでしょう。
●ジュース類
糖分が多いので、水分補給として与えるのはNGです。
ベビー用が基本ですが、大人用を与える場合は1才を過ぎてからにしましょう。
そのほか、経口補水液は下痢や嘔吐、発熱時には有効ですが、イオン飲料は糖分を多く含んでいるので、積極的に与える必要はありません。
近年、イオン飲料の多量摂取による乳幼児のビタミンB1欠乏が問題視されているので、摂りすぎには注意しましょう。
【水分補給のポイント】
●こまめに少しずつ補給する
水分補給の際は、一度にたくさん水やお茶を飲むと赤ちゃんの体に負担がかかるため、できるだけこまめに摂取させましょう。
●キンキンに冷えたものは避け、ほどよく冷えたもの
冷たい飲み物はおいしいですが、冷えすぎたものは消化管への刺激が胃腸の働きを低下させ、食欲が落ちてしまう場合があるので注意しましょう。
●麦茶や水などエネルギー量が少ないもの
糖分の多い飲み物はできるだけ避けましょう。
日常的な水分補給は水や麦茶がベストです。
いかがでしたか?
赤ちゃんは話すことができないので、水分が足りているかどうか心配になりがちですよね。
赤ちゃんの機嫌や表情などこまめに観察しながら、体調管理をしっかりしてあげてください。
Text by くまこ/食育インストラクター