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たべて元気♪「食だより」

食育レシピ

今年は2回!「土用の丑の日」とは?

更新日:2025/07/16

土用とは、「立春」、「立夏」、「立秋」、「立冬」の前の18日間のことです。
この前にやってくる丑の日のことを「土用の丑の日」といいます。
土用の丑の日は、春夏秋冬それぞれにありますが、有名なのが夏の土用です。
今回は、夏の土用の丑の日についてのお話です。

【「土用」とは?】

もともとは「土旺(どおう)用事」と言い、これが略され土用と呼ばれるようになりました。
土旺用事とは、「土が最も旺(さかん)に用事(働く)する」という意味です。
この期間中は、陰陽道において土を司る神様である土公神(どくじん)が土の中にいらっしゃり、土を動かしてはいけないとされています。
このことから「土いじり(草むしりやガーデニング、畑などの穴掘り)」、「新しいことをはじめる(就職や転職、結婚など)」、「旅行(知らない土地への移動)」は避けたほうがよいと言われています。

【土用の丑の日には何を食べる?】

●うなぎ
土用の丑の日に食べるものと言われ、一番に思いつくのは「うなぎ」ではありませんか?
この日にうなぎを食べるようになったのは、江戸時代までさかのぼります。
当時、天然うなぎの旬は秋から冬にかけてで、夏場はうなぎが売れていませんでした。
困ったうなぎ屋が蘭学者の平賀源内に相談しました。
平賀源内は、店先に張り紙をして宣伝するアイディアを考え、みごと大盛況。
そこからほかのうなぎ屋も真似をし、全国に広まっていきました。
そのほか、「う」のつく食べ物を食べると縁起がよいとされることから、「梅干し」、「うどん」、「瓜」などを食べる風習もあります。

●土用もち
土用もちとは、もちを小豆あんで包んだ、いわゆる「あんころもち」と呼ばれる和菓子です。
小豆は古くから邪気を払うとされ、無病息災の願いを込め食べられています。
その昔、宮中では疲労効果のあるガガイモの葉を煮出した汁で練ったもちを、みそ汁に入れて飲んでいたそうですが、江戸時代に現在の形に変わりました。

【うなぎの栄養】

「夏バテにきく」、「スタミナがつく」と言われる「うなぎ」。
一体どんな栄養素が含まれているのでしょうか?
うなぎには、たんぱく質、ビタミンA、D、E、B群などのビタミン、カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルが多く含まれ、以下のような働きがあります。

●たんぱく質
筋肉や内臓、骨、皮膚など、体をつくるのに欠かせない栄養素です。

●ビタミンA
目や粘膜、肌の健康維持に役立つほか、免疫力を高め、風邪予防にも効果があります。

●ビタミンD
丈夫な骨や歯をつくるほか、筋肉の増強に期待できます。
また、カルシウムの吸収を促進する働きもあります。

●ビタミンE
強い抗酸化作用をもち、肌や血管を若々しく保ってくれます。

●ビタミンB群
ビタミンB1は疲労回復に、ビタミンB2は肌や髪の健康に、ビタミンB12は葉酸と協力してヘモグロビンの生成を助け、貧血予防に効果が期待できます。

●ミネラル
カルシウムは丈夫な骨や歯を作るのに欠かせない栄養素です。
鉄は貧血予防に、亜鉛は傷の治りを早くしたり、味覚を正常に保つ働きがあります。

そのほか、うなぎにはDHAやIPA(EPA)といった不飽和脂肪酸が多く、血流をよくしたり、コレステロールの減少に役立ち、生活習慣病予防に効果があります。

【うなぎの蒲焼きをよりおいしくするには?】

買ってきたうなぎの蒲焼きは、時間をおいてしまうとふっくら感がない、ということも。
そこで、うなぎの蒲焼きをふっくらに仕上げる方法をご紹介します。

① うなぎの蒲焼きに湯をかけて余分についたタレを洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取る。

② フライパンを中火で温め、①を皮目を下にして重ならないように並べる。
(フライパン用のアルミホイルを敷くとくっつかず、汚れないのでおすすめです)

③ ②に酒(大さじ1~2程度)をフライパンの淵から回しかけ、ふたをして3~4分蒸し焼きにする。(蒸し時間はうなぎの蒲焼きの大きさによって異なります。中心まで温まるまで加熱してください)

あとは、かば焼きのタレをかけて(もしくは絡める)完成です。
ちょっとしたひと手間でうなぎの蒲焼きがふっくらと仕上がります。
ぜひ、お試しください。

夏の土用の丑の日は、日本の蒸し暑い夏を元気に乗り切るために考えられた風習です。
今年(2025年)の夏の土用の丑の日は、7月19日と7月31日の2回
うなぎのほか、土用の丑の日に食べるとよいとされるものは、地域によってさまざまです。
ぜひ、その地域ならではの食べ物をいただき、今年の夏も健康に過ごしましょう。

Text by まち/食育インストラクター