更新日:2025/07/18
皆さんは『佐賀県の郷土料理』と言うと、何をイメージされますか?今回は、魚介類と野菜をバランスよく摂れる佐賀県の郷土料理のひとつ、「イカのかけ和え」をご紹介します!
佐賀県は九州の北西部に位置し、北に玄界灘、南に有明海、そして中央部には佐賀平野が広がる自然豊かな県です。有名なのは『呼子のイカ』です。名物である郷土料理の「イカの活き造り」は、県内外からも食べに来る方も多い1品です。現在はイカが有名ですが、かつては捕鯨の町として知られており、鯨の食文化が発達しました。その名残が今もあり、朝市の名物「鯨カツ」や、鯨の軟骨を粕漬けにした「松浦漬け」などは今でも食べられています。そして、南部に広がる有明海は玄界灘とは大きく異なり、日本最大の干潟がある栄養豊富な内海です。有明海の干潟にはムツゴロウやワラスボなどの珍しい魚が住んでおり、これらを使用した料理も佐賀県の郷土料理にはあります。
「かけ和え」は、「おろしなます」「かきあえ」「ぬたあえ」と呼ばれる、魚介類やわかめ、大根などを和えた料理です。『海のもの』の魚介類やわかめと、『山のもの』の野菜をかけ合わせて作られるので、この名が付いたと言われています。佐賀県では「かけ和え」「かけやぁ」と呼び、日常的なおかずのひとつとして通年食べられているほか、お祭りなどのハレの日や田植えや収穫などの人がたくさん集まるときにも欠かせない料理です。使う魚介類は、各家庭や季節、地域によって異なります。佐賀県の呼子では名産のイカを、有明海や玄界灘に近い地域ではイワシやサバ、アジ、堀や水路の多い場所ではフナを使うこともあります。特に脂がのったサバが水揚げされる季節は秋祭りころのため、秋祭りにはサバを使うことがよくありました。青魚を使う時は三枚おろしや手開きにして、軽く塩を振ってから酢洗いし、生のまま酢漬けにして使います。
<材料(4人分)> 調理時間:20分スルメイカ・・100g大根・・1/6本きゅうり・・1本人参・・1/4本塩・・適量白いりごま・・大さじ1信州味噌・・大さじ1・1/2砂糖・・大さじ2・1/2酢・・大さじ1・1/2
<作り方>
1.イカはワタを取り除いて皮をむき、熱湯で1分ほどゆでてザルに上げ、太めの短冊に切る。2.大根・きゅうり・人参は1cm幅の短冊切りにし、塩でもむ。ごまはフライパンで乾煎りする。3.あたり鉢に(2)のごまを入れてよくすり、味噌・砂糖・酢の順に加えてすり混ぜる。4.(3)に(1)・しっかり水気をしぼった(2)の野菜を入れてよく和える。
味噌のコクが効いた酢味噌は、あとを引くおいしさです。アクセントとして、酢味噌にしょうがや柚子胡椒を加えるのもおすすめですよ☆
●イカ高たんぱく、低脂質、低カロリーな食材です。たんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に関わるほか、正常な赤血球の生成にも関与するビタミンB12が豊富です。また、疲労回復効果が期待できるタウリンや、老化予防に働くビタミンEを含んでいます。
●大根私たちが普段食べている根の部分には、ジアスターゼやオキシターゼなどの酵素が含まれています。ジアスターゼはでんぷん分解酵素で、消化吸収を促す働きがあるので二日酔いや胃もたれ、胸やけの緩和に役立ちます。オキシターゼには発がん物質を解毒する作用があります。発がん物質は焼き魚などの焦げた部分に含まれているので、大根おろしを添えて食べることは味的にも栄養的にも◎!ただし、これらの酵素は熱に弱いという性質があるので、この効果を期待するのであれば生食しましょう。ちなみに、大根は部位によって味わいが異なります。葉に近い上部分は甘味が強く、生食に適しているので、今回のかけ和えを作る時は上部分を使うのがおすすめです。
●きゅうりきゅうりは90%以上が水分で、あまり栄養がないと思われがちですが、実はいろんな栄養素を含んでいます。カルシウムの沈着を促して骨の健康を保ち、骨粗しょう症予防に役立つビタミンKをはじめ、免疫力アップや美肌づくりに効果的なビタミンC、高血圧やむくみの予防・改善に働くカリウムを多く含んでいます。
いかがでしたか?さっぱりと食べられる「イカのかけ和え」、皆さんもぜひ作ってみてくださいね。
Text by ろい/食育インストラクター
皆さんは『佐賀県の郷土料理』と言うと、何をイメージされますか?
今回は、魚介類と野菜をバランスよく摂れる佐賀県の郷土料理のひとつ、「イカのかけ和え」をご紹介します!
【そもそも佐賀県ってどんな所?】
佐賀県は九州の北西部に位置し、北に玄界灘、南に有明海、そして中央部には佐賀平野が広がる自然豊かな県です。
有名なのは『呼子のイカ』です。
名物である郷土料理の「イカの活き造り」は、県内外からも食べに来る方も多い1品です。
現在はイカが有名ですが、かつては捕鯨の町として知られており、鯨の食文化が発達しました。
その名残が今もあり、朝市の名物「鯨カツ」や、鯨の軟骨を粕漬けにした「松浦漬け」などは今でも食べられています。
そして、南部に広がる有明海は玄界灘とは大きく異なり、日本最大の干潟がある栄養豊富な内海です。
有明海の干潟にはムツゴロウやワラスボなどの珍しい魚が住んでおり、これらを使用した料理も佐賀県の郷土料理にはあります。
【「イカのかけ和え」ってどんな料理?】
「かけ和え」は、「おろしなます」「かきあえ」「ぬたあえ」と呼ばれる、魚介類やわかめ、大根などを和えた料理です。
『海のもの』の魚介類やわかめと、『山のもの』の野菜をかけ合わせて作られるので、この名が付いたと言われています。
佐賀県では「かけ和え」「かけやぁ」と呼び、日常的なおかずのひとつとして通年食べられているほか、お祭りなどのハレの日や田植えや収穫などの人がたくさん集まるときにも欠かせない料理です。
使う魚介類は、各家庭や季節、地域によって異なります。
佐賀県の呼子では名産のイカを、有明海や玄界灘に近い地域ではイワシやサバ、アジ、堀や水路の多い場所ではフナを使うこともあります。
特に脂がのったサバが水揚げされる季節は秋祭りころのため、秋祭りにはサバを使うことがよくありました。
青魚を使う時は三枚おろしや手開きにして、軽く塩を振ってから酢洗いし、生のまま酢漬けにして使います。
【実際に「イカのかけ和え」を作ってみよう!】
<材料(4人分)> 調理時間:20分
スルメイカ・・100g
大根・・1/6本
きゅうり・・1本
人参・・1/4本
塩・・適量
白いりごま・・大さじ1
信州味噌・・大さじ1・1/2
砂糖・・大さじ2・1/2
酢・・大さじ1・1/2
<作り方>
1.イカはワタを取り除いて皮をむき、熱湯で1分ほどゆでてザルに上げ、太めの短冊に切る。
2.大根・きゅうり・人参は1cm幅の短冊切りにし、塩でもむ。
ごまはフライパンで乾煎りする。
3.あたり鉢に(2)のごまを入れてよくすり、味噌・砂糖・酢の順に加えてすり混ぜる。
4.(3)に(1)・しっかり水気をしぼった(2)の野菜を入れてよく和える。
味噌のコクが効いた酢味噌は、あとを引くおいしさです。
アクセントとして、酢味噌にしょうがや柚子胡椒を加えるのもおすすめですよ☆
【「イカのかけ和え」にはどんな栄養があるの?】
●イカ
高たんぱく、低脂質、低カロリーな食材です。
たんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に関わるほか、正常な赤血球の生成にも関与するビタミンB12が豊富です。
また、疲労回復効果が期待できるタウリンや、老化予防に働くビタミンEを含んでいます。
●大根
私たちが普段食べている根の部分には、ジアスターゼやオキシターゼなどの酵素が含まれています。
ジアスターゼはでんぷん分解酵素で、消化吸収を促す働きがあるので二日酔いや胃もたれ、胸やけの緩和に役立ちます。
オキシターゼには発がん物質を解毒する作用があります。
発がん物質は焼き魚などの焦げた部分に含まれているので、大根おろしを添えて食べることは味的にも栄養的にも◎!
ただし、これらの酵素は熱に弱いという性質があるので、この効果を期待するのであれば生食しましょう。
ちなみに、大根は部位によって味わいが異なります。
葉に近い上部分は甘味が強く、生食に適しているので、今回のかけ和えを作る時は上部分を使うのがおすすめです。
●きゅうり
きゅうりは90%以上が水分で、あまり栄養がないと思われがちですが、実はいろんな栄養素を含んでいます。
カルシウムの沈着を促して骨の健康を保ち、骨粗しょう症予防に役立つビタミンKをはじめ、免疫力アップや美肌づくりに効果的なビタミンC、高血圧やむくみの予防・改善に働くカリウムを多く含んでいます。
いかがでしたか?
さっぱりと食べられる「イカのかけ和え」、皆さんもぜひ作ってみてくださいね。
Text by ろい/食育インストラクター