更新日:2025/07/28
小さな貝殻の中に、うま味と栄養がたっぷり詰まっているしじみ。今回はそんなしじみについてスポットをあてていきたいと思います。
縄文時代には食されていたという「しじみ」。あさりやはまぐりなどに見た目が似ていることから、海の生き物と思いがちですが、しじみは少し違うんです。しじみは淡水と海水が混じる汽水域という場所だけではなく、淡水だけでも生息できるんです。日本では「ヤマトシジミ」や「セタシジミ」「マシジミ」の3種類が主流で、なかでもヤマトシジミは日本で流通しているしじみの9割以上を占めています。国内では島根県の宍道湖が水揚げ量1位ですが、近年では国産のものばかりではなく、台湾・韓国・中国などからの輸入品が多く流通しています。
しじみが湖の水をきれいにしていることをご存知でしょうか?しじみは、水の濁りの原因となる植物プランクトンなどを水とともに、入水菅といわれる部分から湖の水を飲みこみます。そして、エラで不要なものを取り除いて栄養にし、きれいになった水を湖に戻します。湖をきれいにしてくれるなんてしじみってすごい貝なんです。
よく、二日酔いにはしじみ汁が効くと聞いたことがある方も多いと思います。本当に効果はあるのでしょうか?まず、アルコールを摂取すると、肝臓ではアルコールが「アセトアルデヒド」という物質に変えられます。それがさらに「酢酸」へと分解されますが、飲み過ぎてしまうと、酢酸に分解するスピードが追い付かず、アセトアルデヒドが体内に残り、頭痛や吐き気などの二日酔いの症状を引き起こす原因になります。ここで、決め手になっているのが「オルニチン」という成分です。しじみにはオルニチンが豊富に含まれています。オルニチンには、アセトアルデヒドを酢酸に分解する手助けをしてくれる働きがあり、しじみのエキスがたっぷり出たしじみ汁を飲むことによって、アセトアルデヒドが体内に残りにくくなり、二日酔いに効くといわれているんです。
しじみは魚介類の中でもカルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは骨や歯の形成だけではなく、筋肉の吸収や神経伝達にも重要な役割があります。また、体内への吸収率の高いヘム鉄や葉酸とともに赤血球の生成に必要不可欠なビタミン12なども含まれており、貧血予防や神経系の健康維持にも重要な役割を果たしています。
先ほど、しじみにはオルニチンという成分が豊富に含まれているとご説明しました。砂抜きしたものを食べても十分に健康をサポートしてくれますが、冷凍すると、さらにオルニチンの量が約8倍も増えます。活しじみは水から加熱していきますが、冷凍しじみは、沸騰したお湯に入れてから調理するようにしましょう。また、砂抜きしたしじみを冷凍すると1か月ほど保存できますが、あまり長く凍らせてしまうと殻が開かなくなることもあるので注意が必要です。
せっかくしじみを購入するなら、少しでもおいしいものを選びたいですよね。まず注目していただきたいのが、貝の色とツヤです。よいしじみは貝にツヤがあり、黒く光っています。次に見ていただきたいのが、貝が割れていたり、大きく口が開いたままになっていないかです。販売しているときから、貝が割れていたり大きく口が開いている状態のものは、水揚げから時間が経っていたり、鮮度が落ちている可能性が高いです。これらの点に気をつけて購入しても、なかには調理した際に口が開かないものが混ざっていることもあります。調理する際は取り除くようにしましょう。
いかがでしたか?小さくてもうま味や栄養がたっぷりなしじみ。日々の料理に活用したくなる優秀な食材です。ぜひ献立に取り入れてみて下さいね。
Text by あお/食育インストラクター
小さな貝殻の中に、うま味と栄養がたっぷり詰まっているしじみ。
今回はそんなしじみについてスポットをあてていきたいと思います。
【「じじみ」ってどんな生き物?】
縄文時代には食されていたという「しじみ」。
あさりやはまぐりなどに見た目が似ていることから、海の生き物と思いがちですが、しじみは少し違うんです。
しじみは淡水と海水が混じる汽水域という場所だけではなく、淡水だけでも生息できるんです。
日本では「ヤマトシジミ」や「セタシジミ」「マシジミ」の3種類が主流で、なかでもヤマトシジミは日本で流通しているしじみの9割以上を占めています。
国内では島根県の宍道湖が水揚げ量1位ですが、近年では国産のものばかりではなく、台湾・韓国・中国などからの輸入品が多く流通しています。
【しじみは湖をきれいにしている!?】
しじみが湖の水をきれいにしていることをご存知でしょうか?
しじみは、水の濁りの原因となる植物プランクトンなどを水とともに、入水菅といわれる部分から湖の水を飲みこみます。
そして、エラで不要なものを取り除いて栄養にし、きれいになった水を湖に戻します。
湖をきれいにしてくれるなんてしじみってすごい貝なんです。
【なぜしじみ汁が二日酔いに効果があるのか】
よく、二日酔いにはしじみ汁が効くと聞いたことがある方も多いと思います。
本当に効果はあるのでしょうか?
まず、アルコールを摂取すると、肝臓ではアルコールが「アセトアルデヒド」という物質に変えられます。
それがさらに「酢酸」へと分解されますが、飲み過ぎてしまうと、酢酸に分解するスピードが追い付かず、アセトアルデヒドが体内に残り、頭痛や吐き気などの二日酔いの症状を引き起こす原因になります。
ここで、決め手になっているのが「オルニチン」という成分です。
しじみにはオルニチンが豊富に含まれています。
オルニチンには、アセトアルデヒドを酢酸に分解する手助けをしてくれる働きがあり、しじみのエキスがたっぷり出たしじみ汁を飲むことによって、アセトアルデヒドが体内に残りにくくなり、二日酔いに効くといわれているんです。
【しじみには栄養がたっぷり】
しじみは魚介類の中でもカルシウムが豊富に含まれています。
カルシウムは骨や歯の形成だけではなく、筋肉の吸収や神経伝達にも重要な役割があります。
また、体内への吸収率の高いヘム鉄や葉酸とともに赤血球の生成に必要不可欠なビタミン12なども含まれており、貧血予防や神経系の健康維持にも重要な役割を果たしています。
【しじみは冷凍がおすすめ】
先ほど、しじみにはオルニチンという成分が豊富に含まれているとご説明しました。
砂抜きしたものを食べても十分に健康をサポートしてくれますが、冷凍すると、さらにオルニチンの量が約8倍も増えます。
活しじみは水から加熱していきますが、冷凍しじみは、沸騰したお湯に入れてから調理するようにしましょう。
また、砂抜きしたしじみを冷凍すると1か月ほど保存できますが、あまり長く凍らせてしまうと殻が開かなくなることもあるので注意が必要です。
【しじみの選び方】
せっかくしじみを購入するなら、少しでもおいしいものを選びたいですよね。
まず注目していただきたいのが、貝の色とツヤです。
よいしじみは貝にツヤがあり、黒く光っています。
次に見ていただきたいのが、貝が割れていたり、大きく口が開いたままになっていないかです。
販売しているときから、貝が割れていたり大きく口が開いている状態のものは、水揚げから時間が経っていたり、鮮度が落ちている可能性が高いです。
これらの点に気をつけて購入しても、なかには調理した際に口が開かないものが混ざっていることもあります。
調理する際は取り除くようにしましょう。
いかがでしたか?
小さくてもうま味や栄養がたっぷりなしじみ。
日々の料理に活用したくなる優秀な食材です。
ぜひ献立に取り入れてみて下さいね。
Text by あお/食育インストラクター