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たべて元気♪「食だより」

食育

子どものころだけじゃない?大人の食育とは

更新日:2025/12/01

食育は幼児期や学童期に生活を通して学ぶもの。とイメージされることが多いかもしれません。
実際、大人になるとそれほど意識しなくなることも多いでしょう。
しかし、食育は大人になってこそが大切なものです。
今回は大人の食育についてのお話です。

【大人の食育と課題】

現代日本人の大人の食生活については、いくつかの課題があります。
具体的なものとしては、「朝食の欠食や栄養バランスがとれていない食生活」、「食への関心の低下」、「生産や製造の現場を知る機会の減少」などが挙げられます。
栄養バランスがとれていない食事は生活習慣病などのリスクを高め、長く健康に生活することができなくなってしまう可能性があります。
食への関心や生産・製造の現場についても、知っておくことで自分の体にとってよりよい食べ物を選ぶ選択肢が増えるので、体調に無理が効かなくなってくる成人期以降こそ、必要になってくるものです。
大人が食育について学び、生活の中で実践していくことは、自分の健康を守ることに繋がり、医療費の削減などにも役立つなど、メリットが多いものなのです。

【朝食の欠食と栄養バランス】

厚生労働省の調査によると、朝食の欠食は20代の男女のスコアが最も高くなっています
これは、単身世帯が増えることや、不定期な時間で食事をとることが多くなるなど、いくつか原因となる要素が挙げられます。
それまではきちんと朝食をとっていたけれど、進学や就職などで生活時間が大きく変わり、そのまま朝食をとらなくなってしまうといったケースもあります。
栄養バランスの整った朝食を1人で用意するのは、コストや時間を考えてもなかなか難しいものです。
まずは、ヨーグルトやシリアル・バナナなどの果物といった、手間がかからずにすぐに食べられるものを常備しておき、朝食をとる習慣をつけるのを最優先にしましょう。
朝に固形物を食べるのが難しい場合は、温かいお湯や飲み物を飲む時間をとることからスタートすると、食べ物に移行しやすくなります。
まずは「朝に何か口にする」ことを、習慣づけることが大切です。

【食の関心を高める】

食への関心の低下は、食品の安全性など、健康を維持していく上で重要な事柄にも無頓着になってしまう可能性があります。
体験型農業イベントや料理教室などに参加することは食の関心を高める大変よい試みですが、日々を忙しく過ごしていると、いきなりチャレンジするにはハードルが高く、続けていくにはあまり現実的な方法ではないかもしれません。
まずは物産展や道の駅などに出向いて、いろいろな食品を目で見てみることから始めてみるとよいでしょう。
また、現在はインターネットでも地域の特産となる食品をPRしている場合が多いので、ちょっと時間が空いたタイミングにチェックしておくだけでも、食べ物の旬や各地で獲れる食品のイメージが結びつきやすくなります。
そこから興味が湧いてきたら、次のステップとしてイベントなどに参加してみると、より深く内容が理解でき、満足感も高く、継続に繋がりやすいです。

便利な反面、何かと忙しい現代では、食への関心が疎かになってしまうのは仕方のないことかもしれません。
大人になってから食育を学ぼうとすると、何から始めてよいのかわからないこともありますが、食育は普段の生活に役立てるためにあるものなので、身近なところに学ぶ機会が溢れています。
気負わずに食の情報に触れてみることから始めてみてはいかがでしょう。

Text by はむこ/食育インストラクター