更新日:2022/09/21
食物によるアレルギー疾患を持つ方は年々増加傾向にあり、それにともなってアレルゲン除去食なども注目を集めていますね。アレルギーを持つ方にとって、その食材以外から必要な栄養を摂ることが求められますが、どんな食材を使えばよいか迷ってしまうこともあるでしょう。このシリーズでは、アレルゲン除去による栄養対策として、どのような食材を使えばよいか、そしてその中から簡単に出来るレシピをご紹介します。
今回は、日本における食物アレルギー疾患の中でも発症率の高い乳製品にアレルギーを持つ方向けの、カルシウムを補えるレシピです。
食物アレルギーは、特定の食物を食べる(皮膚や粘膜に成分が付着・吸収され、起こる場合もあり)ことによって免疫システムが過敏に反応し、起こります。原因となるアレルゲンは食物に含まれるたんぱく質で、それが体内に入って消化吸収されると、血中でIgE抗体(免疫グロブリンE)というたんぱく質が作られます。その後、再び同じ食物が体内に入ると、IgE抗体が過敏に反応し、アレルギー症状が現れます。ひと口にたんぱく質といっても、食材によって構造が違うので、卵のたんぱく質に反応する方や、乳製品のたんぱく質に反応する方などさまざまです。
起こりやすい症状としては多い順に、
・皮膚症状(かゆみ・じんましん・紅斑など)・呼吸器症状(咳・ぜんそくの様なゼイゼイとした状態など)・粘膜症状(目の充血・くしゃみ・口の中や瞼・気道内の腫れなど)・消化器症状(腹痛・嘔吐・下痢など)
が挙げられます。反応がとても強く出ると、アナフィラキシーを起こし、アナフィラキシーショックなどの命に関わるショック症状を起こすこともあります。症状が出るまでの時間もさまざまで、ほとんどの場合は食べた直後~2時間くらいで発症しますが、摂取後6~8時間後や、1~2日経って症状が現れたりもします。また一見するとアレルギーとは無関係に見える、頭痛や血圧低下・不整脈の症状が出ることもありますので、自分や家族の様子がいつもと違うと感じたら、自己判断はせず、速やかに専門医に相談してください。とくに年齢の低い子どもは自分の状態をうまく伝えることが出来ないので、初めて食べる食材のほか、体調を崩しているときの食事後などはいつも以上に気にかけてあげましょう。
カルシウムは骨や歯の形成のほか、筋肉や神経の働きにも関わる大切な栄養素で、さまざまな食材に含まれるため、乳製品にこだわらなくても摂ることが出来ます。カルシウムは単体では吸収されにくいので、きのこ類や卵・魚介類などのビタミンDを含む食材と一緒に食べると効率よく摂取出来ます。また骨に適度な圧力(負荷)がかかると、カルシウムが骨にとどまりやすくなるため、体を動かすこともポイントになります。幼児など成長期の子どもは1日あたり700~1000mgのカルシウム摂取が望ましいとされています。多く含まれる食材は、小魚・納豆や豆腐などの大豆製品・小松菜、チンゲン菜、切り干し大根などの野菜類・海藻類です。
それではレシピのご紹介です。大豆製品の中でもカルシウムが多い厚揚げと、同じくカルシウムが多いチンゲン菜を合わせ、オイスター風味の炒め物にしました。カルシウムの吸収を高めるビタミンDが豊富なしいたけをプラスした、ごはんが進む一品です。
<材料(3~4人分)> 調理時間:20分厚揚げ(木綿タイプ)・・1枚(200g)塩・こしょう・・各少々片栗粉・・適量チンゲン菜・・2株人参・・1/2本しいたけ・・4枚しょうが(みじん切り)・・1/2かけ分(10g)にんにく(みじん切り)・・1かけ分(10g)Aオイスターソース・・小さじ2A酒・・大さじ1Aしょうゆ・・小さじ1A砂糖・・小さじ1A水・・小さじ1A片栗粉・・小さじ1/2サラダ油・・大さじ1ごま油・・小さじ1粗挽き黒こしょう・・お好みで
<作り方>1.厚揚げは縦半分に切ってから1cm厚に切り、ペーパータオルにのせて余分な水気を拭く。水気が取れたら、塩・こしょうを振り、片栗粉を薄くつける。2.チンゲン菜は葉と芯に分け、葉はざく切り、芯は縦4~6等分のくし切りにする。人参・しいたけは薄切りにする。3.フライパンに1/3量のサラダ油を熱し、(1)を入れて両面に焼き色をつけ、一度取り出す。
4.フライパンが汚れていたらサッと拭き、残りのサラダ油・しょうが・にんにくを入れて弱火で加熱する。5.香りがしてきたら、チンゲン菜の茎・人参・しいたけを入れて炒める。6.火が通ってきたら、(3)・チンゲン菜の葉を入れてサッと炒め、よく混ぜたAを入れて強火で一気に炒め合わせ、ごま油を回し入れる。
アツアツのごはんと一緒にどうぞ!お好みで黒こしょうをかけると味のアクセントになります。
いかがでしたか。カルシウムに限らず、栄養素はさまざまな食材に入っているのでお気に入りの食材を探してみてくださいね。
Text byさゆり/食育インストラクター
食物によるアレルギー疾患を持つ方は年々増加傾向にあり、それにともなってアレルゲン除去食なども注目を集めていますね。
アレルギーを持つ方にとって、その食材以外から必要な栄養を摂ることが求められますが、どんな食材を使えばよいか迷ってしまうこともあるでしょう。
このシリーズでは、アレルゲン除去による栄養対策として、どのような食材を使えばよいか、そしてその中から簡単に出来るレシピをご紹介します。
今回は、日本における食物アレルギー疾患の中でも発症率の高い乳製品にアレルギーを持つ方向けの、カルシウムを補えるレシピです。
【食物アレルギーとは】
食物アレルギーは、特定の食物を食べる(皮膚や粘膜に成分が付着・吸収され、起こる場合もあり)ことによって免疫システムが過敏に反応し、起こります。
原因となるアレルゲンは食物に含まれるたんぱく質で、それが体内に入って消化吸収されると、血中でIgE抗体(免疫グロブリンE)というたんぱく質が作られます。
その後、再び同じ食物が体内に入ると、IgE抗体が過敏に反応し、アレルギー症状が現れます。
ひと口にたんぱく質といっても、食材によって構造が違うので、卵のたんぱく質に反応する方や、乳製品のたんぱく質に反応する方などさまざまです。
【食物アレルギーかなと思ったら】
起こりやすい症状としては多い順に、
・皮膚症状(かゆみ・じんましん・紅斑など)
・呼吸器症状(咳・ぜんそくの様なゼイゼイとした状態など)
・粘膜症状(目の充血・くしゃみ・口の中や瞼・気道内の腫れなど)
・消化器症状(腹痛・嘔吐・下痢など)
が挙げられます。
反応がとても強く出ると、アナフィラキシーを起こし、アナフィラキシーショックなどの命に関わるショック症状を起こすこともあります。
症状が出るまでの時間もさまざまで、ほとんどの場合は食べた直後~2時間くらいで発症しますが、摂取後6~8時間後や、1~2日経って症状が現れたりもします。
また一見するとアレルギーとは無関係に見える、頭痛や血圧低下・不整脈の症状が出ることもありますので、自分や家族の様子がいつもと違うと感じたら、自己判断はせず、速やかに専門医に相談してください。
とくに年齢の低い子どもは自分の状態をうまく伝えることが出来ないので、初めて食べる食材のほか、体調を崩しているときの食事後などはいつも以上に気にかけてあげましょう。
【乳製品以外でカルシウムを多く含む食材】
カルシウムは骨や歯の形成のほか、筋肉や神経の働きにも関わる大切な栄養素で、さまざまな食材に含まれるため、乳製品にこだわらなくても摂ることが出来ます。
カルシウムは単体では吸収されにくいので、きのこ類や卵・魚介類などのビタミンDを含む食材と一緒に食べると効率よく摂取出来ます。
また骨に適度な圧力(負荷)がかかると、カルシウムが骨にとどまりやすくなるため、体を動かすこともポイントになります。
幼児など成長期の子どもは1日あたり700~1000mgのカルシウム摂取が望ましいとされています。
多く含まれる食材は、小魚・納豆や豆腐などの大豆製品・小松菜、チンゲン菜、切り干し大根などの野菜類・海藻類です。
それではレシピのご紹介です。
大豆製品の中でもカルシウムが多い厚揚げと、同じくカルシウムが多いチンゲン菜を合わせ、オイスター風味の炒め物にしました。
カルシウムの吸収を高めるビタミンDが豊富なしいたけをプラスした、ごはんが進む一品です。
【厚揚げとチンゲン菜のオイスター炒め】
<材料(3~4人分)> 調理時間:20分
厚揚げ(木綿タイプ)・・1枚(200g)
塩・こしょう・・各少々
片栗粉・・適量
チンゲン菜・・2株
人参・・1/2本
しいたけ・・4枚
しょうが(みじん切り)・・1/2かけ分(10g)
にんにく(みじん切り)・・1かけ分(10g)
Aオイスターソース・・小さじ2
A酒・・大さじ1
Aしょうゆ・・小さじ1
A砂糖・・小さじ1
A水・・小さじ1
A片栗粉・・小さじ1/2
サラダ油・・大さじ1
ごま油・・小さじ1
粗挽き黒こしょう・・お好みで
<作り方>
1.厚揚げは縦半分に切ってから1cm厚に切り、ペーパータオルにのせて余分な水気を拭く。水気が取れたら、塩・こしょうを振り、片栗粉を薄くつける。
2.チンゲン菜は葉と芯に分け、葉はざく切り、芯は縦4~6等分のくし切りにする。人参・しいたけは薄切りにする。
3.フライパンに1/3量のサラダ油を熱し、(1)を入れて両面に焼き色をつけ、一度取り出す。
4.フライパンが汚れていたらサッと拭き、残りのサラダ油・しょうが・にんにくを入れて弱火で加熱する。
5.香りがしてきたら、チンゲン菜の茎・人参・しいたけを入れて炒める。
6.火が通ってきたら、(3)・チンゲン菜の葉を入れてサッと炒め、よく混ぜたAを入れて強火で一気に炒め合わせ、ごま油を回し入れる。
アツアツのごはんと一緒にどうぞ!
お好みで黒こしょうをかけると味のアクセントになります。
いかがでしたか。
カルシウムに限らず、栄養素はさまざまな食材に入っているのでお気に入りの食材を探してみてくださいね。
Text byさゆり/食育インストラクター