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たべて元気♪「食だより」

食材・料理

凝縮されたうま味のかたまり…ホタテを取り巻く環境のお話

更新日:2026/03/06

私たちがよく食べている身近な貝の名前を順に挙げてみてください。
そんなふうに聞かれたら、多くの方がすぐ思いつくのがホタテです。
スーパーなどで手軽に手に入れられる貝の一種です。
しかし、そんなホタテを取り巻く環境は、年々厳しくなっている状態。
今回はホタテの魅力と、ホタテが立たされている苦境についてのお話です。

【ホタテが食べられなくなる…かも?】

ホタテは低い海水温を好み、日本では青森県や北海道が産地のほとんどを占めています。
また、日本はホタテの養殖が盛んで、輸出食品の一角を担うほどの重要な食品なのです。
しかし、2025年のホタテは歴史的な不漁の状態にあるとの報告が出ています。
そのため、ホタテの需要に対して供給が追いつかず、ホタテの価格は昨年の倍近くにまで高騰しています。
原因のひとつとして考えられるのが、夏の猛暑です。
海水温は気温と比べると比較的変化が緩やかなのですが、夏の記録的な猛暑が大きな影響を与えています。
稚貝の生育には高すぎる水温にさらされた2025年のホタテは、身が痩せて小ぶりになってしまい、漁獲量が減ってしまったのです。
対策が急務とはいえ、これは環境そのものの変化による問題でもあるため、漁獲量をもとに戻していくのに人間一人ひとりの力でできることは限られているのも事実です。
いつでも食べられる身近な存在だったホタテが、憧れの高級貝になってしまう日が来てしまうかも…?
ホタテの歴史的な不漁は、海の資源を継続させていくための環境づくりについて考えさせられるニュースですね。

【ホタテの歴史と旬の話】

ホタテと日本人の付き合いは古く、縄文時代の貝塚からホタテの痕跡がみつかるなど、ずっと昔から食べられていた貝の一種です。
江戸時代には中国へ輸出していた記録もあり、単純な食品としてだけではなく、貿易にも関わる重要な存在だったようです。
また、ホタテの貝殻は裾が広がった形に見え、縁起がよいとも考えられてきました。
戦後になってからは養殖技術が確立され、身近な貝としてずっと私たちの生活を支えてくれています。
そんなホタテの旬は年に2回、初夏から夏にかけて(5~8月)と、真冬から初春にかけて(12~3月)があります。
夏のホタテは海のプランクトンをたっぷり食べて貝柱を大きく成長させる時期なので、プリっと肉厚な食感と甘みの強い味わいが特徴です。
冬のホタテは身がやわらかく、小ぶりなベビーホタテが多く出回ります
大人のホタテの貝柱は、春以降のものよりも小ぶりですが、卵や白子など、この時期ならではのおいしい部位を楽しめるのが魅力です。

【ダイエットの強い味方】

ホタテは良質なたんぱく質を多く含んでいながら、脂肪が非常に少ないヘルシーな食品です。
脂肪が少ないため、消化の負担も少なく、ダイエットやトレーニングはもちろん、体調の悪いときなどでも食べやすいというメリットがあります。
また、ホタテはアサリなどの貝と比べてうま味成分であるグルタミン酸・グリシン・コハク酸などが多いのも特徴です。
うま味は塩味を引き立たせるので、より少ない塩分でもおいしさを感じます。
高血圧などの生活習慣病が気になる方にとっても、嬉しい食品なのです。

ホタテは日本人にとって、おいしい貝というだけではなく、歴史的にも重要な存在です。
それだけに環境の変化による不漁の影響は不安視されています。
今後のホタテをめぐる情勢については、細かくチェックしておきたいですね。

Text by はむこ/食育インストラクター