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たべて元気♪「食だより」

食育

お彼岸にはどんなものを食べるの?

更新日:2026/03/16

もうすぐお彼岸ですね。
お彼岸は、ご先祖様を供養し感謝を伝える期間とされています。
このときのお供え物としてよく知られているのが、「ぼたもち」や「おはぎ」ですが、そのほかに何があるのでしょうか?

【お彼岸とは?】

春の彼岸は「春分の日」、秋の彼岸は「秋分の日」を中心とした前後3日を含む7日間です。
お彼岸は日本独自の文化で、仏教の教えである「六波羅蜜(ろくはらみつ)」が由来とされています。
その教えのもと、前後3日は修行を行い、中日(春分の日、秋分の日)はご先祖様を偲びます。
仏教では、私たちが生きている世界(この世)は東側の「此岸(しがん)」、仏様たちが住む西側の世界(あの世)を「彼岸(ひがん)」と呼びます。
太陽が真東からのぼり、真西にしずむ春分と秋分の日は、此岸と彼岸がもっとも近くなり、通じやすいとされてきたことから、この日にご先祖様を供養するようになりました
また、教えに従って修行を行うことで、煩悩などに満ちた世界を脱し、悟りの境地(彼岸)に近づくことができるとも考えられています。

【「ぼたもち」と「おはぎ」、何が違うの?】

お彼岸のお供え物として有名なのが、「ぼたもち」と「おはぎ」です。
どちらも炊いたもち米やうるち米を潰して丸め、あんこで包んだものですが、もとは形状が異なっていました。
「ぼたもち」はぼたん(牡丹)の花のように大きな丸い形、「おはぎ」ははぎ(萩)の花のように細長い俵型で作られていたようです。
また、外側を覆うあんこも、ぼたもちは「こしあん」、おはぎは「粒あん」という違いがありました。
これは昔の小豆の収穫時期に関係しています。
秋に収穫したばかりの小豆は皮がやわらかいのでおはぎには粒あんが、収穫時期から時間が経った春には、小豆の皮がかたくなっているため、皮を除いたこしあんが使われていました。
ただ、それぞれの地域で定義が異なるほか、現在では呼び名を区別することも少なくなってきています。

【ぼたもち、おはぎ以外の食べ物】

ご先祖様にお供えする「ぼたもち」や「おはぎ」のほか、その日の家庭での食事や来客に対するおもてなしとして、お彼岸ならではの食べ物を用意することもあります。

■精進料理
仏教の教えのもと、一般的に肉や魚などの動物性食品は使わず、豆や野菜、海藻、果物などを用いて作られた料理のことです。
動物性食品のほか、五辛・五葷(ごくん)も使わずに作ります。
五辛は辛味のある野菜、五葷はにおいの強い野菜のことです。
「にら・ねぎ・玉ねぎ・にんにく・らっきょう」などを指し、これらを食べると煩悩を刺激するため、控えたほうがよいと言われるようになりました。

■お赤飯
小豆の赤い色が邪気や災厄を払うと考えられており、小豆を使ったお赤飯は、魔除けの食べ物としてお彼岸で食べられることが多いです。

■そば・うどん
「彼岸そば」、「彼岸うどん」とも呼ばれ、精進料理として食べられます。
具材には、油揚げやわかめ、きのこ、山菜などの植物性食材が基本で、つゆに入れるほか、天ぷら(精進揚げ)にしてそばやうどんと一緒にいただきます。

このほか、東北地方では「けの汁(青森県)」や「おくずかけ(宮城県)」九州地方では「がめ煮(福岡県)」など、その地域ならではの郷土料理をお彼岸にいただく風習もあります。

【「小豆」の魅力】

小豆は「古事記」の五穀のひとつとして登場するほど、食用としての歴史が古い穀物です。
豆の赤い色は邪気や災厄を払うだけでなく、福をもたらすとも考えられていました。
その小豆を使った「ぼたもち」や「おはぎ」をご先祖様にお供えすることで感謝を伝えるとともに、それを食べることで、ご先祖様や神様の力を自分の体の中にとり込むという意味があったようです。
さらに、小豆には食べて嬉しい栄養効果もたくさんあります。
赤い色はポリフェノールによるもので、赤ワインの約2倍とも言われるほど豊富に含まれています。
野菜などに含まれるポリフェノールは、調理の際にほとんどが流れ出てしまうのに対し、小豆のポリフェノールは流出が少ないのが特徴です。
ポリフェノールは強い抗酸化作用があり、生活習慣病予防に役立つだけでなく、新陳代謝をアップさせ、冷えの改善や美肌などが期待できます。
このほか、腸の動きを活発にし、便秘解消に働く「食物繊維」や、血流をよくしたり、脂肪の吸収に働く「サポニン」、体内の余分な塩分を排出し、むくみの予防・改善に効果のある「カリウム」などが含まれています。

今年の春分の日は、3月20日。
その前後3日の3月17日から3月23日がお彼岸です。
お供え物や食べ物を用意し、家族と一緒にご先祖様に感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。

Text by まち/食育インストラクター