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たべて元気♪「食だより」

食材・料理

上手に使って料理をおいしく、健康に!料理に欠かせない調味料「塩」の話。

更新日:2023/01/09

塩は料理に味をつけるだけではなく、私たちの健康を維持するためにも欠かせないものです。
今回は、塩の歴史や種類、そして覚えておくと役に立つ塩の調理効果などについてのお話です。

【塩の歴史】

日本でいつから採るようになり、利用されていたのかは定かではありませんが、出土された土器によって、縄文時代の終わりごろには塩が利用されていたのではないかと考えられています。
このときはまだ現在の作り方とは異なり、海藻を燃やしたときの灰を塩として使っていたようです。
現在の塩作りと近い製法が行われはじめたのは、弥生時代
海藻に塩水をかけて濃い塩水を集め、煮詰めて作る「藻塩焼き」が登場しました。
その後、江戸時代には瀬戸内に塩田が発達し、全国の約80%の塩が生産され、塩作りが広まって行きました。

【塩の種類】

塩は世界中で生産されており、その種類は1000種類以上とも言われています。
原材料によって「海塩」「岩塩」「湖塩」の3つに大きく分けられ、このうち最も多く使われているのは岩塩で、塩全体の約60%を占めています。
日本では岩塩、湖塩がとれないため、昔から海水を使って塩が作られてきました。
世界で作られる海塩のほとんどが、塩田で海水を蒸発させて作る「天日塩」ですが、それには広い土地と乾燥した風土が必要です。
土地が狭く、湿度が高い日本ではこの方法が不向きのため、天日塩のほとんどが輸入品です。
そのため、日本で作られる塩の多くは、釜で海水を煮詰めて塩を取り出す「せんごう塩」という方法が用いられています。

【覚えておきたい塩の調理効果】

塩は、食材のおいしさを引き出したり、色よく仕上げたりといった効果も期待できます。
今回は、お家でも実践しやすい4つの調理効果をご紹介します。

●脱水効果
食材に塩を振ると、内部の水分を外に出し、代わりに塩分をしみ込ませる効果があります。
これは、浸透圧の働きによるもので、漬物や魚の下ごしらえなどに利用されます。

●たんぱく質の弾力を増す効果
挽き肉やすり身などに塩を入れて混ぜると互いの結着力が高まり、弾力のある仕上がりになります。
この性質を使って作られているのが、ハムやウインナー、かまぼこなどです。
また、小麦粉を捏ねるときに塩水を加えることで粘りが増し、強いグルテンが形成されます。
これにより、パンが膨らみ、うどんにコシが生まれます。

●たんぱく質をかためる効果
たんぱく質は加熱するとかたまる性質を持っていますが、塩にはこの作用を促す働きがあります。
そのため、卵をゆでるときに塩を加えると、殻が割れても白身がはみ出しにくくなります。
さらに、肉や魚に塩を振ってから焼くと、たんぱく質が早くかたまり、うま味をとじ込めることが出来ます。

●変色防止効果
塩分濃度1%程度の塩水には、りんごやじゃがいもなどの変色を抑えてくれる効果があります。
これは、食材に含まれる酵素が酸化するのを塩が防止するからです。
青菜をゆでるときに塩を加えると同様の効果が得られ、色よく仕上がります。

【とり過ぎに注意!】

塩分は体の機能を正常に保つ役割を担うとても大切なものですが、とり過ぎると健康に影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
塩分(ナトリウム)をとり過ぎると、体は塩分濃度を一定に保つために水分をため込もうとします。
その結果、血液量が増え、心臓や血管内の一定量を超えてしまい、血管を押し広げて強い圧力をかけながら全身をめぐるため、血圧が上昇してしまうのです。
血圧が高い状態が続くと、血液を体に循環させるために心臓に負担がかかり、動脈硬化や心疾患、脳血管疾患を引き起こすおそれがあります。
また、塩分を排出してくれる腎臓の機能も低下し、腎不全のリスクも高まります。

「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」の1日あたり食塩摂取量の目標値は、男性7.5g未満、女性6.5g未満
さらに、日本高血圧学会では1日6g未満、WHO(世界保健機関)では1日5g未満としています。
これに対し、成人における1日の平均食塩摂取量は、男女平均10.1g
目標値より多く食塩を摂取していることが分かりますね。

1569年の1月11日に武田信玄が上杉謙信から塩を受け取ったことから、1月11日は「塩の日」と言われています。
この機会に身近な調味料「塩」について調べてみるのも楽しいですね。

Text byまち/食育インストラクター