更新日:2023/01/23
お店のような本格的なレシピを作ってみたいけど、難しそうだなと感じる方は多いと思います。確かに、複雑な工程や特殊な材料を使うレシピは再現が難しいものもありますが、手に入りやすい材料を使い、本格的なレシピをご紹介します。今回は、パスタマシシンを使わなくても出来る生パスタ「オレキエッテ」です。
オレキエッテ(Orecchiette)は南イタリアに位置するプーリア州やバジリカータ州を代表するパスタのひとつで、イタリア語の「耳・耳たぶ(Orecchie)」を意味する言葉に由来します。卵は使わず、小麦粉・塩・水(オリーブオイルを加える場合も)で作ります。かわいいコロンとした形のショートパスタで、成形のときに表面につくザラツキやくぼみにソースがよく絡んでおいしいです。現地ではチーマ・ディ・ラーパという日本の菜の花のような野菜を使って作るソースと合わせることが多いようですが、トマトベースや魚介系・クリーム系・チーズなどさまざまなソースと相性のよいパスタです。
それではレシピのご紹介です。
今回は、チーマ・ディ・ラーパは手に入りにくいため、日本でよく使われるブロッコリーをソースにしました。にんにく・アンチョビ・赤唐辛子に、日本人にはちょっと抵抗があるかもしれませんが、クタクタに煮たブロッコリーで作ったソースを絡ませたオレキエッテは簡単なのにおいしく本格的です。
<材料(4人分)> 調理時間:60分【オレキエッテ生地】セモリナ粉・・200g強力粉・・50g塩・・3gぬるま湯・・115~120gオリーブオイル・・5g
【ソース】ブロッコリー(茎を合わせてもよい)・・正味250gにんにく(みじん切り)・・10gアンチョビ・・2枚赤唐辛子(種抜き)・・1本オリーブオイル・・30g粗挽き黒こしょう・・お好みで
<作り方>
【オレキエッテ生地】
1.ボウルにセモリナ粉・強力粉・塩を入れて混ぜ、真ん中をくぼませる。ぬるま湯・オリーブオイルをくぼみに入れ、周りから粉を崩しながら水分と合わせ、切るように混ぜる。
2.水分が行き渡ったら、グルテンが出るようによく練り、全体をひとまとめにする。
3.生地が乾燥しないようにラップなどで包み、30分生地を休ませる。生地を5~6等分に切り分け、直径1~1.3cmの棒状に伸ばして1cmくらいに切る。
4.生地を軽く丸め、フォークや親指の爪を使って傷をつけるように生地を押し広げる。丸まった方の生地を手でお椀状にし、形を整え、打ち粉(セモリナ粉・分量外)をまぶしたバットなどに入れ、少し乾燥させる。
【ソース】
1.ブロッコリーは小房に分ける。
2.フライパンにオリーブオイル・にんにくを入れ、弱火でじっくり加熱する。にんにくに火が入ってきたら、アンチョビ・赤唐辛子を加え、アンチョビはつぶしながら火を通す。
3.たっぷりの湯に塩(湯量の1%)を加え、ブロッコリーを入れてホロっと崩れそうになるまで8~10分を目安にゆでる。(ゆで汁はパスタをゆでる際にも使用するので捨てない。)
4.(2)に(3)を入れ、ブロッコリーをつぶすように炒め合わせる。(水分が足りない場合はゆで汁を加える。)
5.(3)で使用した湯にオレキエッテを入れ、浮いてきたら1~2分ゆでる。
6.(4)にゆで上がった(5)を加え、フライパンの中で混ぜ合わせ、味をみてゆで汁か、水分が足りている場合は塩(分量外)で味を調え、お好みで黒こしょうを振り、盛りつける。
●生地は練っていくうちに水分が全体にいきわたるので、入れすぎるとのちのち生地がやわらかくなってしまいます。そのため、最初は水分が少し足りないかなくらいから始めます。練っていくときに粉っぽさが残る場合は、水分が足りていないので、小さじ1/4~1/2を目安に少し足して練りましょう。生地は休ませている間にさらにやわらかくなるので、少しかたいかなと思っても、全体がまとまっているようならそれ以上は入れない方が成形しやすい生地になります。もし、練り上がりが少しやわらかいかなと感じた場合は、冷蔵庫で休ませ、分割したら成形する分だけ冷蔵庫から取り出すようにすると、作業しやすいです。
●通常パスタのゆで汁はもう少し塩分量が多い場合がありますが、生パスタは生地自体に塩気を含むので、今回のように少なめにします。ソースとなるブロッコリーと同じ湯で出来上がった生地もゆでますので、ゆで湯はたっぷりと用意しておきましょう。
いかがでしたか。私たち日本人がパスタといわれて思い浮かべるのはロングパスタがほとんどでなないでしょうか。しかし、パスタはとても地方色あふれるもので、形だけでなく、材料もさまざまです。北の方は卵を入れて作るものが多く、また小麦があまりとれない地域ではそば粉や栗の粉を使ったものもあります。逆に、南の方ではオレキエッテのように卵を使わないものが多いです。同じような形に見えても、サイズによって呼び名が変わるので、追及すると奥の深さに圧倒されることでしょう。
行く先々でその地方特有のパスタに出会えるのもイタリア料理の魅力のひとつなので、イタリアに行くことがあったら、比べてみてはいかがでしょうか。
Text byさゆり/食育インストラクター
お店のような本格的なレシピを作ってみたいけど、難しそうだなと感じる方は多いと思います。
確かに、複雑な工程や特殊な材料を使うレシピは再現が難しいものもありますが、手に入りやすい材料を使い、本格的なレシピをご紹介します。
今回は、パスタマシシンを使わなくても出来る生パスタ「オレキエッテ」です。
【オレキエッテとは】
オレキエッテ(Orecchiette)は南イタリアに位置するプーリア州やバジリカータ州を代表するパスタのひとつで、イタリア語の「耳・耳たぶ(Orecchie)」を意味する言葉に由来します。
卵は使わず、小麦粉・塩・水(オリーブオイルを加える場合も)で作ります。
かわいいコロンとした形のショートパスタで、成形のときに表面につくザラツキやくぼみにソースがよく絡んでおいしいです。
現地ではチーマ・ディ・ラーパという日本の菜の花のような野菜を使って作るソースと合わせることが多いようですが、トマトベースや魚介系・クリーム系・チーズなどさまざまなソースと相性のよいパスタです。
それではレシピのご紹介です。
今回は、チーマ・ディ・ラーパは手に入りにくいため、日本でよく使われるブロッコリーをソースにしました。
にんにく・アンチョビ・赤唐辛子に、日本人にはちょっと抵抗があるかもしれませんが、クタクタに煮たブロッコリーで作ったソースを絡ませたオレキエッテは簡単なのにおいしく本格的です。
【Orecchiette ai broccoli(ブロッコリーのオレキエッテ)】
<材料(4人分)> 調理時間:60分
【オレキエッテ生地】
セモリナ粉・・200g
強力粉・・50g
塩・・3g
ぬるま湯・・115~120g
オリーブオイル・・5g
【ソース】
ブロッコリー(茎を合わせてもよい)・・正味250g
にんにく(みじん切り)・・10g
アンチョビ・・2枚
赤唐辛子(種抜き)・・1本
オリーブオイル・・30g
粗挽き黒こしょう・・お好みで
<作り方>
【オレキエッテ生地】
1.ボウルにセモリナ粉・強力粉・塩を入れて混ぜ、真ん中をくぼませる。
ぬるま湯・オリーブオイルをくぼみに入れ、周りから粉を崩しながら水分と合わせ、切るように混ぜる。
2.水分が行き渡ったら、グルテンが出るようによく練り、全体をひとまとめにする。
3.生地が乾燥しないようにラップなどで包み、30分生地を休ませる。
生地を5~6等分に切り分け、直径1~1.3cmの棒状に伸ばして1cmくらいに切る。
4.生地を軽く丸め、フォークや親指の爪を使って傷をつけるように生地を押し広げる。
丸まった方の生地を手でお椀状にし、形を整え、打ち粉(セモリナ粉・分量外)をまぶしたバットなどに入れ、少し乾燥させる。
【ソース】
1.ブロッコリーは小房に分ける。
2.フライパンにオリーブオイル・にんにくを入れ、弱火でじっくり加熱する。
にんにくに火が入ってきたら、アンチョビ・赤唐辛子を加え、アンチョビはつぶしながら火を通す。
3.たっぷりの湯に塩(湯量の1%)を加え、ブロッコリーを入れてホロっと崩れそうになるまで8~10分を目安にゆでる。(ゆで汁はパスタをゆでる際にも使用するので捨てない。)
4.(2)に(3)を入れ、ブロッコリーをつぶすように炒め合わせる。(水分が足りない場合はゆで汁を加える。)
5.(3)で使用した湯にオレキエッテを入れ、浮いてきたら1~2分ゆでる。
6.(4)にゆで上がった(5)を加え、フライパンの中で混ぜ合わせ、味をみてゆで汁か、水分が足りている場合は塩(分量外)で味を調え、お好みで黒こしょうを振り、盛りつける。
【ポイント】
●生地は練っていくうちに水分が全体にいきわたるので、入れすぎるとのちのち生地がやわらかくなってしまいます。
そのため、最初は水分が少し足りないかなくらいから始めます。
練っていくときに粉っぽさが残る場合は、水分が足りていないので、小さじ1/4~1/2を目安に少し足して練りましょう。
生地は休ませている間にさらにやわらかくなるので、少しかたいかなと思っても、全体がまとまっているようならそれ以上は入れない方が成形しやすい生地になります。
もし、練り上がりが少しやわらかいかなと感じた場合は、冷蔵庫で休ませ、分割したら成形する分だけ冷蔵庫から取り出すようにすると、作業しやすいです。
●通常パスタのゆで汁はもう少し塩分量が多い場合がありますが、生パスタは生地自体に塩気を含むので、今回のように少なめにします。
ソースとなるブロッコリーと同じ湯で出来上がった生地もゆでますので、ゆで湯はたっぷりと用意しておきましょう。
いかがでしたか。
私たち日本人がパスタといわれて思い浮かべるのはロングパスタがほとんどでなないでしょうか。
しかし、パスタはとても地方色あふれるもので、形だけでなく、材料もさまざまです。
北の方は卵を入れて作るものが多く、また小麦があまりとれない地域ではそば粉や栗の粉を使ったものもあります。
逆に、南の方ではオレキエッテのように卵を使わないものが多いです。
同じような形に見えても、サイズによって呼び名が変わるので、追及すると奥の深さに圧倒されることでしょう。
行く先々でその地方特有のパスタに出会えるのもイタリア料理の魅力のひとつなので、イタリアに行くことがあったら、比べてみてはいかがでしょうか。
Text byさゆり/食育インストラクター