更新日:2024/02/28
和食に欠かせない「昆布」。いろいろな種類が売られていてどれを選んだらよいか悩んでしまうこともありますよね。昆布の種類や基本の昆布出汁のとり方をご紹介します。
昆布は、宮城県以北の太平洋岸と北海道全域に分布している褐藻類コンブ科コンブ属に含まれる海草の総称で、95%以上が北海道で生産されています。今回は、よく見かける5つの昆布をご紹介します。
■真昆布北海道南部や三陸地方が主な産地の昆布で、上品な風味でクセのない出汁がとれます。肉厚なので、おぼろ昆布やとろろ昆布などの加工品にも利用されています。
■羅臼(らうす)昆布知床半島沿岸で獲れる昆布です。香りがよく、うま味と甘みが強いコクのある出汁がとれます。
■利尻(りしり)昆布北海道の利尻島や礼文(れぶん)島周辺を含む道北から、道東の網走にかけてが、主な産地です。香りがよく、透き通ったクセのない上品な出汁がとれます。
■日高昆布北海道の日高地方で獲れる昆布で「三石昆布」とも呼ばれています。やわらかく火の通りが早いので、昆布巻きや佃煮などにもよく利用されます。
■長昆布釧路・根室地方沿岸が主な産地の昆布で、ほのかな甘みのある出汁がとれます。煮昆布や昆布巻き、佃煮など、幅広く利用できます。
■とろろ昆布酢につけてやわらかくした昆布を重ね合わせてプレスし、薄く糸状に削ったもの。おにぎりや汁物などによく使われます。
■刻み昆布干した昆布を酢水や塩水につけてやわらかくし、1~5㎜程度に細かく刻んでから再び乾燥させたもの。刻む手間がなく、炒め物や煮物などに使われます。
■塩昆布細切りや角切りにした昆布を、しょうゆ、みりん、砂糖、水などを合わせた調味液で味つけし、長時間煮てから乾燥させ、最後に塩をまぶしたもの。「塩吹き昆布」とも呼ばれています。
■昆布茶乾燥した昆布を粉末状にして調味料や塩で味つけしたもの。湯で溶いて飲むほか、料理の味つけとしても便利です。
緑褐色がかっていてツヤがあり、よく乾燥していて肉厚のものを選びましょう。また、用途に合わせた昆布を選ぶことも大切です。出汁に使う場合は「真昆布」や「利尻昆布」、「羅臼昆布」などのうま味が多く、繊維質で肉厚なものが向いています。煮て食べるなら「日高昆布」や「長昆布」など、煮上がりが早く、繊維質が少なくやわらかい種類を選ぶのがおすすめです。昆布はなかなか一度では使い切らないと思います。おいしい状態で保存するには、湿気は大敵。使いやすいサイズに切り、密閉できる容器や袋に入れて直射日光のあたらない場所で保存してください。
①昆布の汚れをかたくしぼった濡れ布巾などで拭き取る(水でサッと洗ってもOK)※昆布の表面の白い粉は「マンニット」と呼ばれるうま味成分です。拭き取らないようにしましょう。
②鍋に水・昆布を入れてそのまま30分程度おく※時間があるときは、昆布を水につけた状態でひと晩おくと、より昆布のうま味が引き出されます。※水に対し、昆布の量は1%が目安。水1Lに昆布10g程度を入れてください。
③鍋を中火弱にかける
④鍋のまわりに細かい泡が沸々してきたら昆布を取り出す。※昆布は高温で煮出し過ぎると、くさみやぬめりが出てしまうので、注意してください。
清潔な保存容器に水と昆布を入れ、冷蔵庫にひと晩入れて作る「水出し」法もあります。水出しはクセがなく、あっさりとした味わいに、煮出しは昆布の風味が強く、水出しよりコクのある出汁になります。料理によって使い分けるのもよいですね。
昆布には食物繊維やミネラルが多く含まれています。そのなかでも今回注目したいのは、女性にうれしい「食物繊維」です。昆布などのぬめりは、水溶性食物繊維の一種「アルギン酸」や「フコイダン」という成分によるものです。これらは、高血圧やコレステロール値を下げる効果や、がん予防の効果が期待できます。さらに、糖質の吸収をゆるやかにしたり、腸内環境を整える働きをするので便秘の予防、改善にも役立ちます。ただ、出汁として料理に使うときは、ぬめりが出ないように出汁をとるので、これらの成分が十分に摂れているとはいえません。出汁をとったあとの昆布も捨てずにおいしく調理しましょう。
今回ご紹介した昆布はスーパーでも取り扱いがあるものがほとんどです。昆布ごとの味の違いを確かめてみるのもよいですね。
Text by まち/食育インストラクター
和食に欠かせない「昆布」。
いろいろな種類が売られていてどれを選んだらよいか悩んでしまうこともありますよね。
昆布の種類や基本の昆布出汁のとり方をご紹介します。
【昆布の種類】
昆布は、宮城県以北の太平洋岸と北海道全域に分布している褐藻類コンブ科コンブ属に含まれる海草の総称で、95%以上が北海道で生産されています。
今回は、よく見かける5つの昆布をご紹介します。
■真昆布
北海道南部や三陸地方が主な産地の昆布で、上品な風味でクセのない出汁がとれます。
肉厚なので、おぼろ昆布やとろろ昆布などの加工品にも利用されています。
■羅臼(らうす)昆布
知床半島沿岸で獲れる昆布です。
香りがよく、うま味と甘みが強いコクのある出汁がとれます。
■利尻(りしり)昆布
北海道の利尻島や礼文(れぶん)島周辺を含む道北から、道東の網走にかけてが、主な産地です。
香りがよく、透き通ったクセのない上品な出汁がとれます。
■日高昆布
北海道の日高地方で獲れる昆布で「三石昆布」とも呼ばれています。
やわらかく火の通りが早いので、昆布巻きや佃煮などにもよく利用されます。
■長昆布
釧路・根室地方沿岸が主な産地の昆布で、ほのかな甘みのある出汁がとれます。
煮昆布や昆布巻き、佃煮など、幅広く利用できます。
【昆布の加工品】
■とろろ昆布
酢につけてやわらかくした昆布を重ね合わせてプレスし、薄く糸状に削ったもの。
おにぎりや汁物などによく使われます。
■刻み昆布
干した昆布を酢水や塩水につけてやわらかくし、1~5㎜程度に細かく刻んでから再び乾燥させたもの。
刻む手間がなく、炒め物や煮物などに使われます。
■塩昆布
細切りや角切りにした昆布を、しょうゆ、みりん、砂糖、水などを合わせた調味液で味つけし、長時間煮てから乾燥させ、最後に塩をまぶしたもの。
「塩吹き昆布」とも呼ばれています。
■昆布茶
乾燥した昆布を粉末状にして調味料や塩で味つけしたもの。
湯で溶いて飲むほか、料理の味つけとしても便利です。
【昆布の選び方と保存方法】
緑褐色がかっていてツヤがあり、よく乾燥していて肉厚のものを選びましょう。
また、用途に合わせた昆布を選ぶことも大切です。
出汁に使う場合は「真昆布」や「利尻昆布」、「羅臼昆布」などのうま味が多く、繊維質で肉厚なものが向いています。
煮て食べるなら「日高昆布」や「長昆布」など、煮上がりが早く、繊維質が少なくやわらかい種類を選ぶのがおすすめです。
昆布はなかなか一度では使い切らないと思います。
おいしい状態で保存するには、湿気は大敵。
使いやすいサイズに切り、密閉できる容器や袋に入れて直射日光のあたらない場所で保存してください。
【昆布出汁のとり方】
①昆布の汚れをかたくしぼった濡れ布巾などで拭き取る(水でサッと洗ってもOK)
※昆布の表面の白い粉は「マンニット」と呼ばれるうま味成分です。拭き取らないようにしましょう。
②鍋に水・昆布を入れてそのまま30分程度おく
※時間があるときは、昆布を水につけた状態でひと晩おくと、より昆布のうま味が引き出されます。
※水に対し、昆布の量は1%が目安。水1Lに昆布10g程度を入れてください。
③鍋を中火弱にかける
④鍋のまわりに細かい泡が沸々してきたら昆布を取り出す。
※昆布は高温で煮出し過ぎると、くさみやぬめりが出てしまうので、注意してください。
清潔な保存容器に水と昆布を入れ、冷蔵庫にひと晩入れて作る「水出し」法もあります。
水出しはクセがなく、あっさりとした味わいに、煮出しは昆布の風味が強く、水出しよりコクのある出汁になります。
料理によって使い分けるのもよいですね。
【昆布のうれしい成分とは】
昆布には食物繊維やミネラルが多く含まれています。
そのなかでも今回注目したいのは、女性にうれしい「食物繊維」です。
昆布などのぬめりは、水溶性食物繊維の一種「アルギン酸」や「フコイダン」という成分によるものです。
これらは、高血圧やコレステロール値を下げる効果や、がん予防の効果が期待できます。
さらに、糖質の吸収をゆるやかにしたり、腸内環境を整える働きをするので便秘の予防、改善にも役立ちます。
ただ、出汁として料理に使うときは、ぬめりが出ないように出汁をとるので、これらの成分が十分に摂れているとはいえません。
出汁をとったあとの昆布も捨てずにおいしく調理しましょう。
今回ご紹介した昆布はスーパーでも取り扱いがあるものがほとんどです。
昆布ごとの味の違いを確かめてみるのもよいですね。
Text by まち/食育インストラクター