更新日:2024/03/22
子どもの成長に欠かせない牛乳などの乳製品類。普段何気なく食べたり飲んだりしていますが、どのように作られているか知っていますか。今回は、乳製品の中から世界中で愛されているチーズにスポットをあててご紹介します。
ヨーロッパでは紀元前から作られていたとされるチーズ。日本にチーズの原型と思われる食べ物「蘇(そ)」が登場したのは6世紀中ごろで、仏教とともに伝来しました。世界には1000種類を超えるチーズが存在し、主に「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の二種類に分けることが出来ます。では、チーズがどのように作られていくのかなどをご紹介します。
ナチュラルチーズは、原料となる乳に乳酸菌やカビ・酵素などを加えて作ります。タイプは7種類に分けられ、
・熟成させずに食べる「フレッシュタイプ」・表面に白カビをつける「白カビタイプ」・内側に青カビを植え付ける「青カビタイプ」・熟成途中に表面を洗い、細菌による熟成を促す「ウォッシュタイプ」・山羊乳が原料の「シェーブルタイプ」・水分を抜く事で保存性を高めた「セミハードタイプ」・セミハードよりしっかり水分を抜いて作る「ハードタイプ」
があります。作り方は多種多様なため、すべてを紹介することは出来ませんが、一般的な作り方をご紹介します。
1.原料となる乳を殺菌。
2.レンネットというチーズがたまるために必要な凝乳酵素や乳酸菌を加え混ぜ、カード(凝乳)というかたまりとホエー(乳清)という液体に分離させる。
3.(2)のカードが適当なかたさになったら、やわらかなチーズの場合は大きめに、かたいチーズの場合は小さめに切り、ホエーを出しやすくする。※フレッシュタイプは24時間切り続け、なめらかな状態になったら容器に入れて包装する。※そのほかのタイプは熱を加えるなどしながらさらにカードの中のホエーを出していく。
4.チーズごとの適切な脱水が出来たら、型に詰める。※青カビや白カビなどのやわらかめなタイプは、カード同士を自然に密着させ、型に詰める。それよりもかたいタイプは機械で圧力をかけてさらに水分を抜いていく。
5.型の中で形がかたまったら取り出して塩を加え、さまざまな方法で熟成が行われる。※チーズに直接塩を振りかけるものと、塩水を作ってしみ込ませるものがある。(この段階のチーズをグリーンチーズといい、ここからそれぞれのチーズに合わせた熟成が行われる。)
ナチュラルチーズは菌などが生きた状態で存在しているので、日を追うごとにさまざまな状態に変化します。同じ作り方をしたチーズでも、熟成期間などの違いによって、異なる味やにおい・食感となるのが特徴です。
また、ナチュラルチーズは☆かたさ(・軟質・半硬質・硬質・超硬質)
☆熟成方法(・非熟成・カビ熟成・表面洗浄、細菌熟成・カビ熟成、細菌熟成・細菌熟成)
☆原料(牛乳・水牛・山羊・羊)
による分類があるので、興味がある方は調べてみると、チーズの奥深さに触れることが出来ますよ。
プロセスチーズはスイスやアメリカで開発されたチーズで、日本では約90年前に製造が開始されました。チェダーやゴーダのようなセミハードタイプやハードタイプのナチュラルチーズが主な原料となって作られた、保存性の高いチーズです。
プロセスチーズの作り方をご紹介します。
1.複数の種類のナチュラルチーズを細かく切って混ぜ合わせる。
2.乳化剤などを入れ、熱を加えながら溶かす。
3.溶けたものを熱いうちに型に流し、冷やしかためる。
4.商品に合わせてカットや削ったものを包装。(スライスチーズや塗るタイプのチーズ・ピザやグラタンの時に使うチーズなど)
作業工程で熱を加えるため、チーズの中の菌やカビなどは死滅してしますので、時間が経っても香りや食感が変わらないプロセスチーズは、私たちの食卓を彩る便利な食品ですね。
牛や羊などの乳を原料とするチーズは、子どもの成長に欠かせないカルシウムが豊富です。チーズのカルシウムは牛乳同様吸収率がよいとされていますので、ビタミンDを含む食品を一緒に食べることで、しっかりと体内に摂り込むことが出来ます。そのほか、体をつくるためのたんぱく質や、体の成長、疲労の回復を助けるビタミンB群や皮膚・粘膜を保護するビタミンAも含みます。チーズは塩分を含む食品なので、一度に多量に取るのではなく、適量を継続して毎日摂るのがおすすめです。
チーズは、その地方ごとに種類があるとまでいわれるほど、たくさんの味や香り、食感があるので、どこかの国へ旅行した際は、その土地のチーズを食べてみるのも楽しいですよ。
Text by さゆり/食育インストラクター
子どもの成長に欠かせない牛乳などの乳製品類。
普段何気なく食べたり飲んだりしていますが、どのように作られているか知っていますか。
今回は、乳製品の中から世界中で愛されているチーズにスポットをあててご紹介します。
【チーズ】
ヨーロッパでは紀元前から作られていたとされるチーズ。
日本にチーズの原型と思われる食べ物「蘇(そ)」が登場したのは6世紀中ごろで、仏教とともに伝来しました。
世界には1000種類を超えるチーズが存在し、主に「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の二種類に分けることが出来ます。
では、チーズがどのように作られていくのかなどをご紹介します。
【ナチュラルチーズ】
ナチュラルチーズは、原料となる乳に乳酸菌やカビ・酵素などを加えて作ります。
タイプは7種類に分けられ、
・熟成させずに食べる「フレッシュタイプ」
・表面に白カビをつける「白カビタイプ」
・内側に青カビを植え付ける「青カビタイプ」
・熟成途中に表面を洗い、細菌による熟成を促す「ウォッシュタイプ」
・山羊乳が原料の「シェーブルタイプ」
・水分を抜く事で保存性を高めた「セミハードタイプ」
・セミハードよりしっかり水分を抜いて作る「ハードタイプ」
があります。
作り方は多種多様なため、すべてを紹介することは出来ませんが、一般的な作り方をご紹介します。
1.原料となる乳を殺菌。
2.レンネットというチーズがたまるために必要な凝乳酵素や乳酸菌を加え混ぜ、カード(凝乳)というかたまりとホエー(乳清)という液体に分離させる。
3.(2)のカードが適当なかたさになったら、やわらかなチーズの場合は大きめに、かたいチーズの場合は小さめに切り、ホエーを出しやすくする。
※フレッシュタイプは24時間切り続け、なめらかな状態になったら容器に入れて包装する。
※そのほかのタイプは熱を加えるなどしながらさらにカードの中のホエーを出していく。
4.チーズごとの適切な脱水が出来たら、型に詰める。
※青カビや白カビなどのやわらかめなタイプは、カード同士を自然に密着させ、型に詰める。
それよりもかたいタイプは機械で圧力をかけてさらに水分を抜いていく。
5.型の中で形がかたまったら取り出して塩を加え、さまざまな方法で熟成が行われる。
※チーズに直接塩を振りかけるものと、塩水を作ってしみ込ませるものがある。
(この段階のチーズをグリーンチーズといい、ここからそれぞれのチーズに合わせた熟成が行われる。)
ナチュラルチーズは菌などが生きた状態で存在しているので、日を追うごとにさまざまな状態に変化します。
同じ作り方をしたチーズでも、熟成期間などの違いによって、異なる味やにおい・食感となるのが特徴です。
また、ナチュラルチーズは
☆かたさ
(・軟質・半硬質・硬質・超硬質)
☆熟成方法
(・非熟成・カビ熟成・表面洗浄、細菌熟成・カビ熟成、細菌熟成・細菌熟成)
☆原料
(牛乳・水牛・山羊・羊)
による分類があるので、興味がある方は調べてみると、チーズの奥深さに触れることが出来ますよ。
【プロセスチーズ】
プロセスチーズはスイスやアメリカで開発されたチーズで、日本では約90年前に製造が開始されました。
チェダーやゴーダのようなセミハードタイプやハードタイプのナチュラルチーズが主な原料となって作られた、保存性の高いチーズです。
プロセスチーズの作り方をご紹介します。
1.複数の種類のナチュラルチーズを細かく切って混ぜ合わせる。
2.乳化剤などを入れ、熱を加えながら溶かす。
3.溶けたものを熱いうちに型に流し、冷やしかためる。
4.商品に合わせてカットや削ったものを包装。
(スライスチーズや塗るタイプのチーズ・ピザやグラタンの時に使うチーズなど)
作業工程で熱を加えるため、チーズの中の菌やカビなどは死滅してしますので、時間が経っても香りや食感が変わらないプロセスチーズは、私たちの食卓を彩る便利な食品ですね。
【栄養】
牛や羊などの乳を原料とするチーズは、子どもの成長に欠かせないカルシウムが豊富です。
チーズのカルシウムは牛乳同様吸収率がよいとされていますので、ビタミンDを含む食品を一緒に食べることで、しっかりと体内に摂り込むことが出来ます。
そのほか、体をつくるためのたんぱく質や、体の成長、疲労の回復を助けるビタミンB群や皮膚・粘膜を保護するビタミンAも含みます。
チーズは塩分を含む食品なので、一度に多量に取るのではなく、適量を継続して毎日摂るのがおすすめです。
チーズは、その地方ごとに種類があるとまでいわれるほど、たくさんの味や香り、食感があるので、どこかの国へ旅行した際は、その土地のチーズを食べてみるのも楽しいですよ。
Text by さゆり/食育インストラクター