更新日:2024/04/17
今回は、山形県を代表する特産野菜の「遠山かぶ」を使った、かす汁のレシピをご紹介します!
「遠山かぶ」は、米沢市を発祥とする山形県の伝統野菜です。その名前は米沢市遠山地区に由来しており、慶長5年(1600年)に上杉家が米沢市にやってきたときに持参したと言われています。その後、1800年ころに米沢藩10代藩主の上杉鷹山公が地元の産業を盛り上げるための策のひとつとして、「だいこんは東の梓山に、かぶは西山に作り、秋かぶは遠山に」とお触れを出したことから、遠山でかぶが盛んに作られるようになりました。山形県内には「藤沢かぶ」や「最上かぶ」など、在来のかぶが数種ありますが、白くて丸い品種は遠山かぶだけです。一般のかぶよりも風味と甘みが強く、肉質がかたいので煮崩れしにくいという特徴があります。かつて遠山では大半の農家がかぶを栽培していましたが、一時は消滅の危機にさらされました。しかし、この味を守りたいという有志が集まり、最後の種を持つただ一人の生産者を見つけ出し、その種を守ることができました。現在では遠山かぶは「山形おきたま伝統野菜」のひとつとして認定され、地元の生産組合がその種を守ろうと生産と普及に取り組んでいます。
今回は、遠山かぶと打ち豆を味噌汁仕立てにして、仕上げに酒かすを加えていただく、「遠山かぶのかす汁」をご紹介します。酒かすが入っているため、味はまろやかで体が温まりますよ☆
<材料(2人分)> 調理時間:20分
遠山かぶ・・1個油揚げ・・1/2枚酒かす・・30g出汁・・500ml打ち豆・・20gみりん・・27g味噌(今回は信州味噌を使用)・・20g
<作り方>
1.かぶは皮をむき、包丁でひと口大にぶっかく。※「ぶっかく」とは、包丁の刃で不定形にかきとるようにすること。こうすることで味がしみ込みやすくなります。
2.かぶの葉は塩(分量外)を加えた湯で1分ほどゆで、水気をしぼって3cm長さに切る。
3.油揚げは油抜きをして、短冊切りにする。酒かすは手でちぎって耐熱容器に入れ、出汁(100ml)を加える。ふんわりとラップをし、600Wの電子レンジで1分加熱して酒かすを溶きほぐす。
4.鍋に(1)・出汁(400ml)を入れて火にかけ、かぶがやわらかくなるまで煮る。
5.(4)に(3)の油揚げ・打ち豆を入れて中火で加熱する。打ち豆がやわらかくなったら(3)の酒かす・みりん・味噌を加える。
6.酒かすや味噌がしっかり溶けたら(2)を入れ、弱火で1~2分煮る。
「遠山かぶのかす汁」は“遠山かぶ”だけでなく、雪深い米沢市ならではの食材である“打ち豆”も使用します。打ち豆とは、サッと水に浸した大豆を木づちで打って平たくしたものです。乾燥させた豆は長期保存することができますが、火が通りにくいため平たくして調理しやすくしています。
かぶは、根と葉で栄養成分や分類が異なります。
<根>淡色野菜で、ビタミンCや消化酵素のアミラーゼを含んでいます。アミラーゼは、胸やけや食べ過ぎの不快感を取り除く作用や整腸作用があります。アミラーゼを効率よく摂取するには、生のままサラダや和え物にして食べるのがおすすめです。また、今回のように汁物にすれば水溶性ビタミンのビタミンCをあますことなく摂れます。
<葉>緑黄色野菜で、意外にも根よりも栄養が豊富です。カルシウムは根の約10倍、ビタミンCは約4倍も多く含まれています。そのほか、葉酸やβ‐カロテンなど、さまざまな栄養素を含んでいます。なかでも葉酸は細胞を新しく生まれ変わらせる働きがあり、胎児の発育や造血に必要不可欠な栄養素です。貧血予防に役立つため、妊娠中の方や妊娠を予定している方は特におすすめです。かぶの葉はアクが少なく、そのまますぐに料理に使えるのも嬉しいポイント。もう1品欲しいときなどにも使える部分なので、捨てずにおいしく食べちゃいましょう!
いかがでしたか?今回ご紹介したレシピは遠山かぶではなく、一般的なかぶでもおいしく作れます。ただし、その際はかぶがやわらかくなりすぎないように、加熱時間を短めにしてくださいね。皆さんもぜひお試しあれ☆
Text by ろい/食育インストラクター
今回は、山形県を代表する特産野菜の「遠山かぶ」を使った、かす汁のレシピをご紹介します!
【「遠山かぶ」ってどんな食材?】
「遠山かぶ」は、米沢市を発祥とする山形県の伝統野菜です。
その名前は米沢市遠山地区に由来しており、慶長5年(1600年)に上杉家が米沢市にやってきたときに持参したと言われています。その後、1800年ころに米沢藩10代藩主の上杉鷹山公が地元の産業を盛り上げるための策のひとつとして、「だいこんは東の梓山に、かぶは西山に作り、秋かぶは遠山に」とお触れを出したことから、遠山でかぶが盛んに作られるようになりました。
山形県内には「藤沢かぶ」や「最上かぶ」など、在来のかぶが数種ありますが、白くて丸い品種は遠山かぶだけです。
一般のかぶよりも風味と甘みが強く、肉質がかたいので煮崩れしにくいという特徴があります。
かつて遠山では大半の農家がかぶを栽培していましたが、一時は消滅の危機にさらされました。
しかし、この味を守りたいという有志が集まり、最後の種を持つただ一人の生産者を見つけ出し、その種を守ることができました。現在では遠山かぶは「山形おきたま伝統野菜」のひとつとして認定され、地元の生産組合がその種を守ろうと生産と普及に取り組んでいます。
【遠山かぶをおいしく食べよう!】
今回は、遠山かぶと打ち豆を味噌汁仕立てにして、仕上げに酒かすを加えていただく、「遠山かぶのかす汁」をご紹介します。
酒かすが入っているため、味はまろやかで体が温まりますよ☆
【遠山かぶのかす汁】
<材料(2人分)> 調理時間:20分
遠山かぶ・・1個
油揚げ・・1/2枚
酒かす・・30g
出汁・・500ml
打ち豆・・20g
みりん・・27g
味噌(今回は信州味噌を使用)・・20g
<作り方>
1.かぶは皮をむき、包丁でひと口大にぶっかく。
※「ぶっかく」とは、包丁の刃で不定形にかきとるようにすること。こうすることで味がしみ込みやすくなります。
2.かぶの葉は塩(分量外)を加えた湯で1分ほどゆで、水気をしぼって3cm長さに切る。
3.油揚げは油抜きをして、短冊切りにする。
酒かすは手でちぎって耐熱容器に入れ、出汁(100ml)を加える。
ふんわりとラップをし、600Wの電子レンジで1分加熱して酒かすを溶きほぐす。
4.鍋に(1)・出汁(400ml)を入れて火にかけ、かぶがやわらかくなるまで煮る。
5.(4)に(3)の油揚げ・打ち豆を入れて中火で加熱する。
打ち豆がやわらかくなったら(3)の酒かす・みりん・味噌を加える。
6.酒かすや味噌がしっかり溶けたら(2)を入れ、弱火で1~2分煮る。
「遠山かぶのかす汁」は“遠山かぶ”だけでなく、雪深い米沢市ならではの食材である“打ち豆”も使用します。
打ち豆とは、サッと水に浸した大豆を木づちで打って平たくしたものです。
乾燥させた豆は長期保存することができますが、火が通りにくいため平たくして調理しやすくしています。
【遠山かぶには、どんな栄養があるの?】
かぶは、根と葉で栄養成分や分類が異なります。
<根>
淡色野菜で、ビタミンCや消化酵素のアミラーゼを含んでいます。
アミラーゼは、胸やけや食べ過ぎの不快感を取り除く作用や整腸作用があります。
アミラーゼを効率よく摂取するには、生のままサラダや和え物にして食べるのがおすすめです。
また、今回のように汁物にすれば水溶性ビタミンのビタミンCをあますことなく摂れます。
<葉>
緑黄色野菜で、意外にも根よりも栄養が豊富です。
カルシウムは根の約10倍、ビタミンCは約4倍も多く含まれています。
そのほか、葉酸やβ‐カロテンなど、さまざまな栄養素を含んでいます。
なかでも葉酸は細胞を新しく生まれ変わらせる働きがあり、胎児の発育や造血に必要不可欠な栄養素です。
貧血予防に役立つため、妊娠中の方や妊娠を予定している方は特におすすめです。
かぶの葉はアクが少なく、そのまますぐに料理に使えるのも嬉しいポイント。
もう1品欲しいときなどにも使える部分なので、捨てずにおいしく食べちゃいましょう!
いかがでしたか?
今回ご紹介したレシピは遠山かぶではなく、一般的なかぶでもおいしく作れます。
ただし、その際はかぶがやわらかくなりすぎないように、加熱時間を短めにしてくださいね。
皆さんもぜひお試しあれ☆
Text by ろい/食育インストラクター