更新日:2024/05/13
各地域に古くから伝わる郷土料理のなかから、今回は埼玉県の「ゼリーフライ」をご紹介します。
■ゼリーフライゼリーと名前についていますが、お菓子のゼリーとはまったく異なる食べ物です。その名の由来は、見た目が小判のように見えるので、「銭フライ」と呼ばれていたのが変化して「ゼリーフライ」になったと言われています。おからやゆでてつぶしたじゃがいもににんじん、ねぎなどの野菜をまぜ、小判型に形を整えたものを揚げた料理です。一般的には揚げたてをウスターソースにくぐらせていただきます。日露戦争のころに中国から伝わった「柔いまんじゅう」がルーツと言われ、行田市の飲食店がそこからヒントを得てゼリーフライを考案しました。今では給食をはじめ、飲食店や精肉店などでも販売されるなど、子どもから大人まで広く愛されています。
■かてめし混ぜるという意味の「かてる」が語源となった秩父地方を中心とした郷土料理です。その昔、米の生産量が少ない地域でごはんの量を増やすために具材を加えたことから誕生しました。一般的に白いごはんや味つけごはんに別で煮た具材を加え、混ぜ合わせて作ります。地域によって具材の味つけはさまざまですが、ごぼうやにんじん、干ししいたけ、ずいき(里芋の茎を乾燥させたもの)、油揚げなどが定番です。節供やお盆などの行事食や県内の給食などでも作られています。
■いがまんじゅうあんを包んだまんじゅうのまわりに赤飯をまぶして蒸し上げた、鴻巣市が発祥とされる郷土料理です。その見た目が「栗のイガ」のようであることから「いがまんじゅう」と名づけられました。もともとは農家さんが田植え後の農上がりや稲刈りの時期にいがまんじゅうを作って配っていたのが、のちに和菓子屋やスーパーなどでも売られるようになりました。ハレの日の縁起物としても埼玉の人に長年愛されています。
数ある埼玉県の郷土料理から、今回は「ゼリーフライ」を作ってみました。ソースがたっぷりしみ、おからやじゃがいもの甘さと相性が抜群です。
<材料(約6個分)> 調理時間:30分
おから・・100gじゃがいも・・1個(150g)にんじん・・1/4個玉ねぎ・・1/6個A塩・こしょう・・適量A溶き卵・・1個分A小麦粉・・大さじ1~2サラダ油・・適量
ウスターソース・・大さじ2中濃ソース・・大さじ1
<作り方>
1.にんじん・玉ねぎはみじん切りにする。フライパンにサラダ油(小さじ2)を入れて熱し、にんじん・玉ねぎを入れてしんなりするまで炒める。
2.じゃがいもは皮をよく洗い、水がついたままラップに包む。600Wの電子レンジで3分加熱し、上下を返して2~3分加熱する。竹串がスッと通るくらいやわらかくなったら取り出して皮をむき、熱いうちに麺棒などでしっかりつぶす。
3.(2)が熱いうちに(1)・おから・Aを入れてよく混ぜ、6等分にして楕円形に整える。
4.フライパンに2cm深さまで油を入れて160℃に温め、(3)を入れて約4~5分、両面がきつね色になるまで揚げる。
5.ウスターソースと中濃ソースをボウルなどに合わせ、(4)が熱いうちにサッとくぐらせる。
豆腐が作られる工程のなかで、豆乳をしぼったあとに残ったものがおからです。「卯の花」、「きらず」などの別名があり、古くから日本人に親しまれてきた食材です。「卯の花」の呼び名は、おからの白さが初夏に白い花を咲かせる卯の花の色と似ているところから名付けられました。また、「きらず」は文字どおり調理のときに包丁を使う必要がないためについた名前です。おからには良質なたんぱく質をはじめ、食物繊維、健康維持に欠かせないカリウムやカルシウム、鉄などのミネラルが多く含まれています。特に不溶性食物繊維が豊富で、腸のぜん動運動を促し、便秘の予防や改善に効果が期待できます。そのほか、善玉菌のえさとなり、腸内環境を整えることにも役立ちます。
おいしくて栄養たっぷりの「ゼリーフライ」。ぜひ、作ってみてはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター
各地域に古くから伝わる郷土料理のなかから、今回は埼玉県の「ゼリーフライ」をご紹介します。
【埼玉県の郷土料理】
■ゼリーフライ
ゼリーと名前についていますが、お菓子のゼリーとはまったく異なる食べ物です。
その名の由来は、見た目が小判のように見えるので、「銭フライ」と呼ばれていたのが変化して「ゼリーフライ」になったと言われています。
おからやゆでてつぶしたじゃがいもににんじん、ねぎなどの野菜をまぜ、小判型に形を整えたものを揚げた料理です。
一般的には揚げたてをウスターソースにくぐらせていただきます。
日露戦争のころに中国から伝わった「柔いまんじゅう」がルーツと言われ、行田市の飲食店がそこからヒントを得てゼリーフライを考案しました。
今では給食をはじめ、飲食店や精肉店などでも販売されるなど、子どもから大人まで広く愛されています。
■かてめし
混ぜるという意味の「かてる」が語源となった秩父地方を中心とした郷土料理です。
その昔、米の生産量が少ない地域でごはんの量を増やすために具材を加えたことから誕生しました。
一般的に白いごはんや味つけごはんに別で煮た具材を加え、混ぜ合わせて作ります。
地域によって具材の味つけはさまざまですが、ごぼうやにんじん、干ししいたけ、ずいき(里芋の茎を乾燥させたもの)、油揚げなどが定番です。
節供やお盆などの行事食や県内の給食などでも作られています。
■いがまんじゅう
あんを包んだまんじゅうのまわりに赤飯をまぶして蒸し上げた、鴻巣市が発祥とされる郷土料理です。
その見た目が「栗のイガ」のようであることから「いがまんじゅう」と名づけられました。
もともとは農家さんが田植え後の農上がりや稲刈りの時期にいがまんじゅうを作って配っていたのが、のちに和菓子屋やスーパーなどでも売られるようになりました。
ハレの日の縁起物としても埼玉の人に長年愛されています。
【「ゼリーフライ」を作ってみよう!】
数ある埼玉県の郷土料理から、今回は「ゼリーフライ」を作ってみました。
ソースがたっぷりしみ、おからやじゃがいもの甘さと相性が抜群です。
<材料(約6個分)> 調理時間:30分
おから・・100g
じゃがいも・・1個(150g)
にんじん・・1/4個
玉ねぎ・・1/6個
A塩・こしょう・・適量
A溶き卵・・1個分
A小麦粉・・大さじ1~2
サラダ油・・適量
ウスターソース・・大さじ2
中濃ソース・・大さじ1
<作り方>
1.にんじん・玉ねぎはみじん切りにする。
フライパンにサラダ油(小さじ2)を入れて熱し、にんじん・玉ねぎを入れてしんなりするまで炒める。
2.じゃがいもは皮をよく洗い、水がついたままラップに包む。
600Wの電子レンジで3分加熱し、上下を返して2~3分加熱する。
竹串がスッと通るくらいやわらかくなったら取り出して皮をむき、熱いうちに麺棒などでしっかりつぶす。
3.(2)が熱いうちに(1)・おから・Aを入れてよく混ぜ、6等分にして楕円形に整える。
4.フライパンに2cm深さまで油を入れて160℃に温め、(3)を入れて約4~5分、両面がきつね色になるまで揚げる。
5.ウスターソースと中濃ソースをボウルなどに合わせ、(4)が熱いうちにサッとくぐらせる。
【「おから」とは?】
豆腐が作られる工程のなかで、豆乳をしぼったあとに残ったものがおからです。
「卯の花」、「きらず」などの別名があり、古くから日本人に親しまれてきた食材です。
「卯の花」の呼び名は、おからの白さが初夏に白い花を咲かせる卯の花の色と似ているところから名付けられました。
また、「きらず」は文字どおり調理のときに包丁を使う必要がないためについた名前です。
おからには良質なたんぱく質をはじめ、食物繊維、健康維持に欠かせないカリウムやカルシウム、鉄などのミネラルが多く含まれています。
特に不溶性食物繊維が豊富で、腸のぜん動運動を促し、便秘の予防や改善に効果が期待できます。
そのほか、善玉菌のえさとなり、腸内環境を整えることにも役立ちます。
おいしくて栄養たっぷりの「ゼリーフライ」。
ぜひ、作ってみてはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター