更新日:2023/07/19
国内だけでも地域ごとにさまざまな気候や風土を形成してきた日本は、郷土料理も多種多様です。今回は福岡県から、「かしわ飯」をご紹介します。
福岡県を代表する食文化のひとつが、多彩な鶏肉料理です。しかし、日本は古くから肉食を禁じていた歴史があるので、鶏肉料理が郷土食になっていることを疑問に思われた方もいるのではないでしょうか?実は肉食禁止とはいっても、卵を取り終えたあとなどの鶏を食べたりして、日本人が完全に肉を断っていたわけではないことがわかっています。そして、九州では江戸時代に起きた飢饉のあと、当時の藩主が養鶏を推奨して盛んになったことから、鶏肉の食文化が形成されていったといわれています。例えば、お祭りの時やおもてなしの料理のひとつとして、鶏肉をすき焼き風にして食べていたのだそう。
今回のテーマであるかしわ飯も、鶏肉料理が盛んな福岡ならではの一品。しっかり味を煮含ませた鶏肉やごぼうを炊きあがったご飯に混ぜ込んで作るので、肉の食感がパサつかず、風味もしっかり感じられます。冷めてもおいしいので、おにぎりなどにして提供されるのもよく見られます。駅弁でも九州地方代表のひとつなのでさまざまな商品展開がされており、全国区の知名度の高さがわかります。
ちなみに、かしわとは鶏のことを指す方言で、当時の鶏の羽毛の色が由来のようです。現在日本で主に流通しているのは、イギリスもしくはアメリカを原産とする品種で、どちらも白っぽい羽毛に赤いトサカを持ちます。しかし、日本の在来種には鮮やかな茶褐色の羽毛の鶏が多く、紅葉したときの柏の葉の色に似ていることから、かしわと呼ばれたのだそうです。現在でも地鶏や銘柄鶏には茶褐色の羽毛を持つ品種が見られるので(※在来種の系譜には白い羽毛の品種もあるので、羽毛の色だけで区別されるわけではありません)気になる方は、九州で育ったおいしい鶏を使ったかしわ飯を召し上がってみてください。当時の味に近いかも?ぜひお試しください。
<材料(作りやすい分量)> 調理時間:40分鶏もも肉・・1枚ごぼう・・1/2本にんじん・・1/3本しいたけ・・2個A酒・・大さじ2Aみりん・・大さじ2Aしょうゆ・・大さじ1・1/2A砂糖・・小さじ2A出汁・・1カップサラダ油・・大さじ1ごはん・・3合分
<作り方>
1.鶏もも肉は2cm角に切る。ごぼうはささがきにし、水に5~10分さらす。にんじんは3~4cm長さの千切りにする。しいたけは薄切りにする。
2.フライパンにサラダ油を熱し、(1)の鶏肉を炒める。肉の色が変わったらにんじん・ごぼう・しいたけを入れて全体に油が回るまで炒める。
3.Aを入れ、沸騰したら弱火で15分煮る。汁気が1/4量になったら火を止め、ごはんに混ぜ込む。
<ポイント>
お好みでしいたけを干ししいたけにすると、より風味が豊かに仕上がります。また、出汁に戻し汁をプラスするのもおすすめです。
鶏肉がたっぷり入ってコクとうま味のある、かしわ飯。通年手に入りやすい食材ばかりなので、季節を問わず作れるのもうれしいですね。行楽シーズンのお弁当などにもぴったりなので、作り方を憶えておくと活躍の場面が多いですよ!
Text byはむこ/食育インストラクター
国内だけでも地域ごとにさまざまな気候や風土を形成してきた日本は、郷土料理も多種多様です。
今回は福岡県から、「かしわ飯」をご紹介します。
【福岡と言えば鶏】
福岡県を代表する食文化のひとつが、多彩な鶏肉料理です。
しかし、日本は古くから肉食を禁じていた歴史があるので、鶏肉料理が郷土食になっていることを疑問に思われた方もいるのではないでしょうか?
実は肉食禁止とはいっても、卵を取り終えたあとなどの鶏を食べたりして、日本人が完全に肉を断っていたわけではないことがわかっています。
そして、九州では江戸時代に起きた飢饉のあと、当時の藩主が養鶏を推奨して盛んになったことから、鶏肉の食文化が形成されていったといわれています。
例えば、お祭りの時やおもてなしの料理のひとつとして、鶏肉をすき焼き風にして食べていたのだそう。
今回のテーマであるかしわ飯も、鶏肉料理が盛んな福岡ならではの一品。
しっかり味を煮含ませた鶏肉やごぼうを炊きあがったご飯に混ぜ込んで作るので、肉の食感がパサつかず、風味もしっかり感じられます。
冷めてもおいしいので、おにぎりなどにして提供されるのもよく見られます。
駅弁でも九州地方代表のひとつなのでさまざまな商品展開がされており、全国区の知名度の高さがわかります。
ちなみに、かしわとは鶏のことを指す方言で、当時の鶏の羽毛の色が由来のようです。
現在日本で主に流通しているのは、イギリスもしくはアメリカを原産とする品種で、どちらも白っぽい羽毛に赤いトサカを持ちます。
しかし、日本の在来種には鮮やかな茶褐色の羽毛の鶏が多く、紅葉したときの柏の葉の色に似ていることから、かしわと呼ばれたのだそうです。
現在でも地鶏や銘柄鶏には茶褐色の羽毛を持つ品種が見られるので(※在来種の系譜には白い羽毛の品種もあるので、羽毛の色だけで区別されるわけではありません)気になる方は、九州で育ったおいしい鶏を使ったかしわ飯を召し上がってみてください。
当時の味に近いかも?ぜひお試しください。
【かしわ飯】
<材料(作りやすい分量)> 調理時間:40分
鶏もも肉・・1枚
ごぼう・・1/2本
にんじん・・1/3本
しいたけ・・2個
A酒・・大さじ2
Aみりん・・大さじ2
Aしょうゆ・・大さじ1・1/2
A砂糖・・小さじ2
A出汁・・1カップ
サラダ油・・大さじ1
ごはん・・3合分
<作り方>
1.鶏もも肉は2cm角に切る。
ごぼうはささがきにし、水に5~10分さらす。
にんじんは3~4cm長さの千切りにする。
しいたけは薄切りにする。
2.フライパンにサラダ油を熱し、(1)の鶏肉を炒める。
肉の色が変わったらにんじん・ごぼう・しいたけを入れて全体に油が回るまで炒める。
3.Aを入れ、沸騰したら弱火で15分煮る。汁気が1/4量になったら火を止め、ごはんに混ぜ込む。
<ポイント>
お好みでしいたけを干ししいたけにすると、より風味が豊かに仕上がります。
また、出汁に戻し汁をプラスするのもおすすめです。
鶏肉がたっぷり入ってコクとうま味のある、かしわ飯。
通年手に入りやすい食材ばかりなので、季節を問わず作れるのもうれしいですね。
行楽シーズンのお弁当などにもぴったりなので、作り方を憶えておくと活躍の場面が多いですよ!
Text byはむこ/食育インストラクター